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『妖怪剣客商売人 序夜〜第4夜』 作者:ましゅまろ / 未分類 未分類
全角13420.5文字
容量26841 bytes
原稿用紙約44.2枚

  序夜

 −人か・・・何百年ぶりだろうか・・・よく来た人の子・・・さぁ我に望みを言え・・・我に何を望む? 富か? 女か? 権力か?−
「・・・力」
 −ククク・・・生意気な・・・まぁ良かろう・・・その力を使って何をする? ・・・普通では来れぬ我の所に来るのだ、弱者ではあるまい?−
「・・・人は俺を鬼人と呼ぶ」
 −して・・・力の代償は?−
「・・・我が一族に力を与えるならば何でも良かろう」
 −クククク・・・ハーッハッハッハ! 全く・・・人は面白いよのぅ・・・よいだろう!くれてやる! その刀(ちから)を使い1000の妖怪の魂を我に捧げよ! さすれば更なる力がお前に宿ろう! −
「フハハハ! この世から妖怪が居なくなっても知らぬぞ!」
 −面白い・・・やってみるが良い! 鬼人! その刀の名は「朧月」だ 貴様に扱える代物かどうかじっくり見せて貰うぞ−


 昔、鬼人現れたり。鬼人、あやかしどもを薙ぎ払う仕事を生業としけり。しかし鬼人、それでは飽きたらず、人まで斬り殺しけり。後鬼人、悪魔の根城へ赴き、妖刀(ちから)を手に入れたり。故、鬼人が死して尚、その一族、神楽一族は妖刀に呪われかりけり。して、千度目の紅き満月の夜に千の妖怪と共に再び鬼人甦えらん。


 1990年−

 そして・・・千度目の紅き月の夜、神楽の屋敷に産声が響き渡った。


  第1夜 『妖刀降臨』

 俺の一族、神楽一族は代々、占い、除霊、退魔などを生業にしている。
 ま、先祖の誰がこんな馬鹿げた仕事をしたのか分からないが、世間は広く俺の一族の事を知っているらしい。
 年の初めには、野球の監督から総理大臣まで家の一族の屋敷に来て今年1年の事を占っている。
 そんな一族の事があってか霊感は結構あるらしく、家の爺ちゃん(神楽一族17代目 神楽 悠蔵)は、俺を退魔師にしたがっていた。

  1995年−

「バカモン! お前は退魔師になるというのに結界の1つも張れぬとは・・・」
 春の日差しが眩しい、ポカポカとした屋敷の裏山に、春の昼下がりには不似合いな爺ちゃんの怒声が響き渡った。
 俺の所に飛んできたのは、怒声だけではなかった。
「いってぇー!! なにもぶつ事無いだろこのクソじじい! しかも、退魔師になるとは言ってねぇー!!」
 爺ちゃんの年季の入ったゲンコが飛んできたのであった。
 爺ちゃんは、神楽一族17代目の長(おさ)で、主に占いと退魔を専門としていたらしい。(今の退魔の仕事の殆どは、父さんが修行もかねて全国を回りながらやっている)
 爺ちゃんの退魔術の系統は、神楽式と陰陽式の流れを組み合わせた独自のやり方だという。
「しかも周りの奴らだってこんな事やってないのに、何で俺こんな事やらなきゃいけないんだよ」
「悠、お前には、この家を一族の仕事を継がねばならぬのだ。そしてお前には、素質がある。ゆくゆくは、ワシの式鬼とて簡単に破るときが来るだろう」
 爺ちゃんの式鬼は、半端じゃない程強い。強いって言うか素手じゃ攻撃も出来ないし、攻撃できないのでは勝てるわけがない。
 そして、爺ちゃんの使う式の種類にも色々ある。敵を倒す鬼、情報の通達をする鬼、見張りをする鬼など。
「じゃあ、日も暮れてきたしそろそろ帰るかの。悠、帰るぞ」
 爺ちゃんが、屋敷に向けてトボトボ歩き始めた。
 俺も、爺ちゃんをすぐ追いかけた。
 夕暮れで茜色に染まった空が、とても綺麗だった。

  2006年

「ゆ・・・きろ」
 眠いんだ。もう少し寝かせてくれ。
「悠・・・起きろ」
 眠いって言ってるだろ。
「悠! 早く起きんかバカモンが! 今日は、ワシの倉の片付けを手伝うのじゃろうが!」
 朝日が降り注ぐ神楽一族のお屋敷に、朝一番の雷が落ちた。
 爺ちゃんが、部屋から出て行った後、俺は着替えに取りかかった。
(それにしても、懐かしい夢を見たモンだ。ふふ・・・5歳の時かな? あの時は、結界も張れなかったっけ)
 考えながら俺は、懐かしい思い出に浸っていた。
 着替え終えて、1階に降り屋敷の裏手にある倉に向かった。
 余談だが、俺の屋敷は、神楽神社の後ろに立てられている。(一般の人は、屋敷の方には来てはいけないようになっている)
「遅い! 何をやっていたんじゃ!」
 爺ちゃんが倉の鍵を開けて待っていた。
 倉の扉を開けると、埃の臭いが鼻を突いた。
 この屋敷と共にかなり古くからある倉で、珍しい物が沢山置いてある。
 爺ちゃんに言われた通り、倉野奥にある物をかたづけていた。
「痛っ」
 奥に行く道をふさいでいる箱を横にずらそうとしたら、指に痛みが走った。
 痛みが走ったところを見てみると、赤い血の玉がぷつんと出来て血が流れている。
 箱をよく見てみると、釘が少し出ていた。そこに指を引っかけたのだろう。
 別に気にもせず、箱を横に動かし奥へ入った。
 そこには、時代劇などで見かける刀などが沢山置いてあった。
 しかし、ほとんどの刀が錆びて鞘から抜けない。(抜ける刀もあったが、それも刃がこぼれていて刀としては役に立たない。)
「ちぇっ。面白くない」
 刀を元の位置に戻して、さらに奥へ行った。
 すると、一振りの日本刀が他の刀とは別に飾られてあった。
 日本刀には詳しくないが、何故かその刀から禍々しい気配が感じ取れた。
 俺は、意を決してその刀を手に取ってみた。
「・・・抜けない」
 それもそのはずだった。鞘と鍔の所には古いお札が何重にも張られている。
 普通のお札なら破れて剥がれるのだろうが、お家柄、普通のお札じゃなさそうな事は俺にも分かった。
「この刀・・・封印してある」
 どんな封印がしてあるのかと、手にとって観察していたとき、
 ピチャン・・・と、傷口の血が一滴、封印してあるお札の上に落ちた。
 その時、頭の中に重い声が響いてきた。
 −貴様・・・この封印が解けるという事は・・・鬼人の生まれ変わりだな−
 誰だ!? この声は・・・
 −実に数百年ぶりか・・・ククク・・・この血の味・・・懐かしい−
 誰なんだ! お前は!
 −我は妖刀「朧月」。覚えておけ小僧。神楽一族に代々伝わる刀だ−
 聞いた事無いぞ・・・神楽一族に伝わる刀?
 −あぁ。そうだ。懐かしい・・・この神楽の最初の長が我を振ったそれ以来だな−
 最初の長ぁ!? 誰だよそれ。それと、最初に言った鬼人もだけど
 −鬼人も長も同じ人物だ。神楽鬼羅丸・・・そいつがこの神楽一族の最初の血統−
 鬼羅丸? 聞いた事無いぞ。
 −あれから数千年も経っているのだ覚えていなくても仕方があるまい。おいお前、名は何という?−
 神楽 悠。
 −悠よ、鬼羅丸はな、千の妖怪を切り捨てた男だ。故、鬼人と呼ばれているのだがな−
 で? 俺がその生まれ変わり? 莫迦な。
 −ククク・・・鬼羅丸の生まれ変わりであるその証拠を見せてやろう。貴様、我をを鞘から抜いてみろ−

 俺の視界が、倉に戻った。
「朧月を・・・抜く?」
 さっきは、封印のせいでこの刀は抜けなかった。
 汗ばむ手で、剣の柄を握った。
 ジャギン・・・
 札がまるで無いかのよう封印が解け、朧月がその姿を現した。
 すると鞘の中から、ものすごい妖気が外に飛び出した。
 するとまた、声が響いてきた。
 −ククク・・・様になっているではないか。我を鞘から抜けるという事は乃ちこの封印を解いたのだ、貴様を主と認めよう。だがな・・・クク・・・我を抜いたという事は、我に封印されていた妖怪どもも一緒に封印から解き放たれたという事だ−
 何!? 
 −ククク・・・ハハハハ!! そう驚く事もない。貴様、神楽の血統なら退魔師の手ほどきも受けているだろう。さぁ、我を振り、もう一度あの妖怪どもの魂を捧げて見せよ!−
 そこで声は消えた。

「悠!」
 爺ちゃんが俺の所に走ってきた。
「ものすごい妖気がこの倉を出て行ったからよもやと思ったが・・・抜いてしまったのだな」
 爺ちゃんが言った。
 俺は、朧月を握りしめた。
「こうなったのでは仕方ない。悠・・・あの妖怪はお前がなんとかせねばならん。その妖刀がなければ、ワシの式鬼ではとうてい敵わぬだろう」
 俺は、コクンと頷いた。
「コレ・・・貰っていいか?」
「それは、封印を解いた者にしか扱えない。こころして使うのじゃぞ」


 第2夜 『初仕事』
 今俺は、夜の公園にいる。そう、妖怪がこの近くにいると言うのだ。
「ホントか? ホントにここにいるのかよ。朧月」
 俺は、腰に差している日本刀に声をかけた。
 −お前が語った情報だろう。それに我を信用しないのか? お前には妖気を感じ取る事が出来ないからな。これだから小僧は困る。鬼羅丸は妖気どころか、妖怪の現在地まで分かったというのに−
 朧月はため息をついた。
「はいはい。っでもなぁ・・・何で夜の公園なんだよ・・・寒いし・・・」

 およそ8時間前・・・

(はぁ・・・妖怪を封印するというもののあれからまるまる2週間過ぎても何の手がかりもないしなぁ。家の退魔相談なんてアテに出来ないし。テレビ局が協力申し出してくる心霊特集も平凡な幽霊ばっかりだし(ガセもあるけど))
 俺は、帰る準備をしながらため息をついた。
 隣の席では女子児童がワイワイ話している。
「ねー知ってる? そこの春日公園出るんだってさぁ」
(?)
 俺は、帰り支度をしながら聞き耳を立てた。
「知ってる知ってる。赤マントって言う妖怪らしいねー」
「見た人が居るんだってさ〜。何でも黒のシルクハットに黒のマントで、マントの下にナイフを隠し持ってるんだって〜」
「何それ、嘘くさ〜い」
「アハハハ」
(帰って朧月に聞いてみるか)
 俺は、手早く帰り支度を済ませて学校を飛び出した。
 数10分走ると、神楽神社が見えてきた。
 境内にはいると神社を素通りし、屋敷に入った。
 階段を駆け上がり、自分の部屋を空けると、ベッドの横に妖刀「朧月」が立てかけられていた。
 −我が寝ているのをドタバタとまったくうるさいやつだ。コレだから小僧は−
 朧月が、面倒くさそうな声で語りかけてきた。
「公園に妖怪が居るらしい。これから、その公園を霊視しに行くが、一緒に行くか?」
 俺は、制服を着替えながら朧月に言った。
 −何を言っている。『霊視』じゃ妖怪は見えぬ。正確に言えば、見える事は少ない−
「何故だ?」
 俺は、ふと着替える手を止めた。
 −こんな乱れた現代の人間には妖怪の気配を感じ取るのはほぼ不可能と言って良いだろう。ククク・・・何せ横に座っているやつが妖怪だとも知らずに座り続けるようなふぬけた人間ばかりだからな妖怪の気配すら感じ取れぬだろうよ。たとえそれが鬼羅丸の生まれ変わりだとしても−
 朧月はさも現代の人間がバカのような言い方をした。
 まぁ、はずれているところがない事は確かだが。現代の人間は、確かに横にいるやつが生のある人間じゃなくてもほぼ100%分からないだろう。世間の霊能力者だかなんだかもそうだ。8割9割がガセ。見えても居ないのに見えている。居ないのに居る。とか何とか言って、バカみたいに叫び続ける。『本当の霊能力者』から見れば、本当に迷惑千万な話である。ま、喰っていかなければいけないからあえて批判はしないが。
「じゃあ、俺はどうすれば良いんだ?」
 俺は、着替え終えてベッドに座った。
 −我を連れて行け。不抜けた貴様のために妖気を感じ取ってやる−
 朧月が自慢気にそう言った。
「ありがとよ」
 俺はそう言うと、朧月をバックの中に押し込んだ。
 −おいこら小僧! 貴様、我をなんだと思っている! もっと丁重に扱え! −
「そう言ったって、お前をそのまま持ってったら俺、警察につかまっちまう」
 俺は、時計を見た。PM5:30。
 −ケーサツ?−
「お奉行さんみたいなやつじゃないの?」
 −そうか。まぁいいとにかく丁重に扱え−
 へいへいっと。俺は、朧月入りのバックを持ち、家を飛び出した。
 夕焼けに染まった空が血のように赤い。
 俺はさっき来た道を春日公園めざし駆け戻っていく・・・。
 −フム・・・臭うな。だが、昔の妖怪ではない。妖気がちゃちすぎる。おおかた百年かそこらした地縛霊が妖怪化したのだろう。まったくこれじゃあ腹の足しにもならない−
 朧月はがっかりした声を出した。
 俺は、取りあえず公園に入ってみた。
 まだ6時前の公園は、母子連れが多く見られる。
(参ったな。ここじゃ朧月を抜けない)
 −確かにそうだな−
 朧月が気怠そうに答えた。
(って俺の考えてる事まで分かるのかよ)
 俺は、心の中で苦笑した。
 取りあえず霊視はしてみたが、朧月の言う通り妖怪の気配は感じ取れない(どんな気配かも分からないが)だが、大きな霊気は感じ取れた。やはり、自縛霊が妖怪化しているのだろうか。
(仕方ない。夜にまた来よう。人がいなくなってから)
 俺は、朧月に言った。
 だがしかし、朧月は何も答えなかった。
 朧月はすでに、「奴」の居場所を突き止めていたのかもしれない。
 公園の時計台の上で、満面の笑みを浮かべている「奴」を。
 
 そして時間は現在に戻る・・・

 −おい小僧。早く我を抜いて、公園全体に結界を張っておけ。逃げられたら厄介だぞ−
 朧月が言った。
 確かにそうだ。とどめの寸前で逃げられたらお話にならない。
「結!」
 一瞬で、公園に結界が張り巡らされた。
 そして、腰の鞘から、朧月を解き放った。
 満月に照らされた妖刀は、妖しげに光を放っている。
 すると、いきなり時計台の上から声がした。
「ヒヒヒ・・・ボウヤ・・・赤いマントと蒼いマントどちらが良い?」
 時計台の上から、顔には仮面をし、全身黒いマントをまとった男が声をかけてきた。
 俺は胸が高鳴るのを感じた。
「そうだな・・・どちらも趣味がわりぃ色だな。センスがまるでない」
 俺はそう言って、朧月を上段に構えた。
「ヒヒヒヒッッヒヒヒヒヒッッッヒィ!!」
 黒マントの男がマントから両腕を出すのが見えた。
 その手には、10本程のナイフが指の間に挟まれていた。
「っとに趣味悪ぃ」
 俺は顔に冷や汗が流れるのを感じた。
 男は、ナイフを俺に向かって投げてきた!
(右!)
 よけたナイフが、遊具や地面に刺さり衝撃音を出す。
 素早く、身を翻し右へ飛び遊具の陰に隠れた。
 とんでもない早さだ。
 俺は、遊具の陰から顔を覗かせた。
「いない・・・ッ!!」
 男は、すでに時計台の上から居なくなっていた。
「ココダヨッ」
 俺の隠れている遊具の上に男は居た。
 有無を言わさず、男は懐からナイフを出し切りかかって来る。
 一瞬、後ろに飛ぶかとも考えたがそれでは間に合わない。
 俺は、朧月の横刃をナイフの刃が飛んでくる方向に持っていった。
 ガギン!と、嫌な金属質な音が公園に響き渡る。
「ヒヒヒィヒヒヒヒヒィ!!」
 男は、問答無用にものすごい力で剣の先から押さえつけてくる。
 ギリギリ・・・と交わった剣先から火花が飛ぶ。
(くっ・・・強い・・・そして怨念の力も強い・・・やはり・・・)
 −ククク・・・分かるか小僧。何も知らぬ貴様がただ闇雲に我を振り回しても勝機はない。我は、貴様に言ったはずだ。お前は鬼羅丸の生まれ変わりだと。貴様はただ、体の覚えている動きをその通りにすればよいのだ−
 朧月が俺の頭に語りかけてきた。
(!! そうか・・・)
 俺は、ふと微笑をこぼした。
 ギリギリと音を立てる刀でナイフを押さえたまましゃがみ自分の足で相手の足を強く払った。
「ヒヒッ!?」
 すると俺を押さえ込むため前に重心を置いていた男は予想通り前につんのめった。
(今だっ!)
 俺は、すかさずナイフを押さえていた朧月を構え直し、相手の腹に刃を深々と差し込んだ。
 前に重心をかけていた男は、自分の体重でさらに深く朧月が突き刺さる。
 ビシャァっと鮮血が飛び、俺の頬に、地面に血が飛ぶ。
 男から朧月を抜き、男の黒マントで血を拭いた。
 −そうだ。それでよいのだ。貴様は、戦いの時は体を支配しようとしなくて良い。ただ、鬼羅丸の魂に身をゆだねれていれば良いのだ−
 朧月が、事も無げに俺の頭に語りかけた。
「コレで退魔師の初仕事終了か・・・」
 月を見上げ、ほっと一息ついた。
 満月でとても明るく、まさに美しいと言う言葉にふさわしい。
 −それにしても・・・不味い。まったく新米の妖怪の血は薄くて水のようだ魂も薄く、歯ごたえもない−
 朧月が赤マントの魂を食らい尽くし、言った。
 魂が無くなった赤マントの体は、サラサラと砂のように崩れてどこかへ飛んでいった。
「さぁて、帰って寝るか」
 俺は、結界を解いて帰ろうとした時赤マントの死体の所に一本のナイフが落ちていた。
(あれ持って帰って供養しておくか)
 −何故だ? −
 俺は、ナイフを拾い立ち上がった。
 赤マントとて、妖怪にこそなってしまったが成仏できなかったかわいそうな霊なんだ。
 俺達『幽霊が見える奴』が、楽にしてやったら丸く収まった話なのに気づいてやれなかった俺達にも責任がある。だから、コレを持って帰って供養しようと思ったのだ。
 俺は家へ向かってゆっくり歩き出した。
 冬、とても綺麗な月夜だった。

 第3夜

 朝、8時に目が覚めた。起きて横を見ると昨日持って帰ってきたナイフが置いてあった。
「夢じゃ・・・無かったんだな」
 ナイフを拾い上げると神社に向かうため、着替え始めた。
 −起きたのか?−
 朧月が言った。朧月は、一晩中妖気を探っててくれたようだ。朧月が言うには、妖怪は夜に活動する物が大半だから、夜なら妖気を感じ取りやすいのだそうだ。
 今日は、休日だ。ナイフの供養を済ませ、丁重に埋葬した後、外へ出た。
 朝日が差し、神社のいけに反射してキラキラ光っていて頬を撫でる冷たい風も今日は心地よい程暖かい。
 俺は、妖怪の手がかりを探すついでに地縛霊が居ないか見回りをする事にした。交通事故多発地帯、火事で焼死体が多数出たビル、殺人事件があった空き家。
 数え切れない程の霊に会い、そして話を聞いた。
 俺は、話を聞くたびに痛感した。

 自分の無力さを。

 俺は、何も解決出来ない歯がゆさを噛みしめ、苦しんでいる人たちを天国まで見送った。俺には、それくらいの事しか・・・できなかった。
 そして、夕暮れも近い頃神社へ帰り、自分の部屋へ戻った。
 −遅かったな−
 朧月は、いつもと変わらない様子で俺に語りかけてきた。
「まぁね。情報なら少し入ってきた」
 俺は、今日あった事を全て話した。
 今日、霊達に聞き込んだ所、学校の裏山の祠に変な霊気が渦巻いているらしい。と言う情報を得た。ま、昔からその裏山、とくに祠の近くには霊気が少なからずあったので、この辺の霊達も知っている。でも、ここ最近その山に異様な気配が漂い始めたと言っていた。
 −ふん。そんな奴らはほっとけばよいものを・・・その山には今晩行ってみるか。所でお前、妖怪の事をどれぐらい知っている?−
 朧月は俺にこう問いかけた。
「うーん・・・余りよくは知らないな」
 幽霊などの知識ならあるが、妖怪に対しては殆ど無い。
 −ならば、一から説明しよう−
 朧月は、妖怪について説明し始めた。
 そもそも妖怪や精霊とは、幽霊が何百年も経ち存在し続けた結果元の形が薄れ、強い『思い』の形だけが残って出来た物だそうだ。
 そして、その妖怪にも大きく分けて2つのタイプがある。1つは、赤マントのように実体で存在する妖怪。もう1つは、普通の人間に寄生する・・・要するに取り憑く妖怪があるらしい。
 −実体で存在する妖怪なら、今の我でも斬れよう。しかし、取り憑き存在する妖怪には、今の我では斬る事が出来ぬ。相手は実体のない存在だからな−
「じゃあどうするんだ?」
 −それを、今から教える。まぁ、貴様に出来るかどうか分からぬがな。この術を会得すれば貴様は陰陽師の上を行くだろう−
 朧月がさもおかしそうに言う。
 その後、夕食を済ませ月明かりが差し始めた神社へ俺と朧月は姿を現した。
 −いいか、まず我の鞘に今から言う呪文を血で記せ−
 俺は、朧月で手の親指を切り、言われた通りに印を書いた。しかし、聞いた事もない印だった。
「これは何の印だ?」
 −鬼羅丸が自ら編み出した印だ−
「ふうん・・・よし。書き終わったぞ」
 −よろしい。では、今から言う印を鞘の呪文の上で切る−
 コレは、聞いた事がある印だった。不動明王尊の力を借りる時に使う印だった。
 まったく・・・俺の先祖はどうなってやがる。
 朧月が行った印を、一つ一つ覚え練習してみる。
「よし、やれる」
 俺は呪文を唱えながら、印を切った。印を切っている間中鞘の呪印から、切っている印から、ものすごい力を感じた。鬼羅丸の物だろうか。
 最後の印を切り終わると、鞘の血文字が黄金色に染まり出した。
 −クク・・・驚くは神楽の血か・・・。さぁ、我を抜いてみよ小僧!−
 俺は、言われた通り鞘から朧月を抜いた。
「!!」
 鍔から先が無い・・・。いや、厳密に言えば霊のような感じで存在するが存在しない。霊視をすれば、朧月の刀だが、普通に見たのでは何もない。
 −驚いたか。目には目をだ。実像には実像を虚像には虚像をだ。分かっていると思うが、虚像は実像には効果はないからな−
 さもおかしそうに朧月は言った。
 俺は、パチンと刀を納めた。すると黄金色の字が、血文字に戻った。
 −さっき教えた印を切ればいつでも使える。覚えているがよい−
 俺は、腕時計を覗いたPM10:32・・・
「行くか、朧月」
 俺は、朧月を腰に差し、学校の裏山に向かった。
 やはり、昨日と同じでバカでかい霊気以外何も感じられない。でも、1つ違う事があった。それは、人の霊気ではない。
 −小僧。大当たりだ。妖怪だな。コレは−
 俺は、朧月を抜き裏山の祠へ向かった。
 祠の近くには、野犬が屯(たむろ)していた。
 グルルル・・・と唸り、俺を取り囲む・・・そして!
 グルァァァ!と言う叫び声を上げて一斉に飛びかかってきた。
(戦うのはあまり頭が良い方法ではないな)
「結!」
 俺は、結界を張り、野犬からの攻撃から身を守った。
 案の定、モロに結界にぶち当たり、大半の野犬は延びてしまった。
 それでも、まだ数頭の野犬が俺を取り囲んでうなっている。すると、いきなり俺を取り囲んでいた野犬たちは一斉にどこかへ走って逃げていった。
 そう。親玉だ。
 祠の陰からのっそりと親玉が姿を現した。
 ゆうに体長2mはあろうかという大きな犬。犬神だ。
「ニンゲン・・・ココヘナニヲシニキタ」
 犬神は俺へ語りかけてきた。殺気は物々しい物だったが。
「? そうだな・・・妖怪退治・・・」
 俺は、朧月を構え尚した。
「ククク・・・ワレヲタオスカ。ヤレルモノナラヤッテミルガヨイ」
 グルァァァ!と叫び、犬神が俺に飛びかかってきた。
「結!」
 もう一度結界を張った。
 バチバチと放電現象が起きて、犬神と結界が激しくぶつかり合った。
 グォォォ!と唸りながら結界が破れんばかりの力で犬神は突進を繰り返す。
(このままじゃ持たない・・・)
 俺は、朧月を構え犬神の突進に備えた。
 グラォォアァァ!!と言うものすごい雄叫びを上げ、また犬神が突進してきた!
「解!」
 結界を解き、素早く横に飛んだ。
 目標物を見失った犬神は、激しく岩壁に激突した。
 パラパラと土が岩壁から落ちてきた。
 犬神は、さっきの衝撃で足取りがおぼつかない。
(!?)
 −ほう・・・気づいたか−
 犬神の体に奇妙な、斑点が浮き上がっているのが見えた。
(犬神は確か、体は漆黒のはずだ・・・)
 爺ちゃんが俺に昔犬神について話してくれた事がある。
(分かった! 犬神の体に何か憑いているんだな!)
 俺は、朧月を鞘に収め素早く呪文を唱えながら印を切った。すると、鞘のに書いた呪印が金色に光り出した。
 そして、金色の鞘から霊刀ver朧月を抜いた。
 −奴の頭、丁度額の部分を目掛けて斬れ−
 俺は、犬神の所へ疾った。犬神は依然として荒い息の中しゃがみ込んでいる。
「はぁっ!」
 俺は、犬神の額に朧月を突き立てた。
「ギャァァァァ!!」
 と言う悲鳴と共に、犬神の体から妖怪が抜け出た。
 −逃すな!−
「逃がすかよ!」
 俺は朧月を抜き、妖怪に投げつけた。
「グギャァァァ」
 放電現象が起きて、妖怪は消滅した。
 朧月が落ちて地面に刺さった。
 −フム・・・まぁまぁ美味いな。齢750と言った所か−
 そんな事を行っている朧月を鞘に戻し、犬神に近づいた。
「大丈夫か? お前、あの妖怪に操られていたんだ」
「あぁ。迷惑をかけたな。人間・・・一つ聞いて良いか? お前の差しているその刀はもしや・・・」
「朧月ってんだ」
「お久しゅうございます。朧月様。この月牙、またお会いできた事をうれしゅう思います。この度は、妖怪に操られていたと言え朧月様に手を挙げた事をお許し下さい」
 犬神は、朧月に向かって頭を下げた。
 −久しぶりだな月牙。気にするな。我が輩の封印を解き妖怪を解き放ったのはこの小僧、悠なのだからな。お前のせいではない−
「え? 朧月様!? 月牙!? 久しぶりぃぃぃ!?」
「では、あなた様は鬼羅丸様の生まれ変わり・・・?」
 −そうだ。鬼羅丸の生まれ変わりだ−
「先ほどのご無礼お許し下さいご主人様!」
「ご主人様!?」
 俺は、突然で何が何だか混乱した。
 −月牙はお前と・・・鬼羅丸と式鬼の契約を結んでいたのだ−
「と・・・言う事は?」
 俺は、もう一度月牙を見た。
「はい。今日から悠様の使い魔として頑張らせて頂きます」
(キャラが・・・かわっとる!!)
 月牙は、伏せをしたまま明るい声で言った。
「式鬼として使うのは結構だけどさ、そんなでっかい獣おいとけるような大きさじゃないし・・・俺の部屋」
 俺の部屋は、八畳程の広さだがさすがに2m超える獣を置いておける広さはない。
 月牙はおもむろに立ち上がると呪文のような物を唱えた。すると、月牙の体が炎に包まれた。
「え? ど・・・どうなってんの」
 1〜2秒後、月牙の体の炎が消え、中型犬サイズの月牙が飛び出してきた。
「これでどうですか? 悠様」
 月牙は、また元の犬神のサイズに戻った。
 俺は、朧月を見た。
 −こいつは、鬼羅丸の使役していた式鬼の中で一番鬼羅丸が信用を置いていた式鬼だ。俺も、何度もこいつに助けられた。それに、我が居なくともこいつがいれば妖気を感じ取れる。邪魔にはならぬぞ。−
 俺は、月牙をもう一度見据えた。
「俺に・・・力を貸してくれるか?」
 月牙は、答えるかわりにのどを鳴らした。月牙は、俺を背に乗せて神社へ走り出した。
 普通走って15分かかる道が1分ちょっとで神社に到着した。
 俺が、背から降りると月牙は中型犬サイズに変化した。
「ふーっ明日は学校か・・・」
「いや、お前には旅に出てもらう」
 神社の境内から声がした。

 第4夜 『宿敵』

 月が雲の切れ目から顔を出し、地に月光を放つ。
 その光が、境内にいる人物を照らし出した。
「爺ちゃん・・・?」
 そう。俺の爺ちゃん神楽一族17代目長 神楽 悠蔵だった。
 そして、爺ちゃんの前には式鬼の札が一枚置いてありその周りに式鬼を降ろすための陣が書いてあった。
「ワシを超えて見せろ! 出でよ、蛇神 タタラ!」
 ブツブツと鬼神の呪文を唱えている爺ちゃんの前にゴゴゴ・・・膨大な量のエネルギーが集まっていく。
 爺ちゃんの呪文が言い終わった時、目の前には巨大な蛇が降臨した。
 月牙が、犬神に変身し俺の前に立ちはだかった。
「ほう・・・犬神か。悠よ、ずいぶん大きい式鬼を使えるようになったのう」
 爺ちゃんが、月牙に目をやり言った。
 −悠、ボーっとするな。タタラは強い。今まで戦った妖怪では話にならない程だ−
 朧月の柄がガチガチとふるえている。
「あれ? 恐いのか? 朧月」
 俺は、朧月を抜いて月牙に乗った。
 −バカ言うな。あんなようなミミズに我が臆するとでも思っているのか−
「行きますよ! 悠様、朧月様」
 月牙は疾った。それに合わせ、タタラが尾でなぎ倒そうとする。しかし月牙は、器用に尾を避けタタラの後ろに回り込んだ。
「飛べーっ! 月牙ぁぁぁぁぁ!」
 月牙は、地を蹴った。
 −だめだ! 届かない−

 あきらめるな。

 俺は、月牙を踏み台に飛んだ。
 目指すは、タタラの額の式鬼の札。
「届けぇぇぇぇっ!!」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「のう、朧月殿」
 −なんだ−
「そなた、気づいているのでしょう?この子の運めを」
 −・・・うむ。最初正直我は信じられなかった。だが、さっきので確信した−
「地獄の蛇を倒すとは・・・。完全に超えられてしまったのぉ」
 −ククク・・・。いづれ、この小僧は神楽の真の歴史を知る事になろうな−
「・・・朧月殿。悠を頼みましたぞ」
 −うむ−

「う・・・うーん」
 俺は、自分の部屋で目覚めた。まだ外は真夜中だが、月が出ていて星も沢山出ている。
「お目覚めですか? 一日中寝てらっしゃいましたよ」
 月牙がベッドの脇から声をかけてきた。
 すると、コンコン...とノックする音が聞こえた。
「悠、入るぞ」
 爺ちゃんだった。ガチャっとドアが開き、爺ちゃんが入ってきた。 
「昨日は見事じゃった」
 だんだんと、昨日の事を思い出してきた。
(蛇神の札を破って・・・? 気を失ったのか・・・その後の記憶がない)
 爺ちゃんは、俺の前に座った。月牙は俺の横に伏せている。
「悠、昨日も言ったがお前には旅に出てもらう」
 爺ちゃんは、いつになく真剣だった。爺ちゃんの横に立てかけてある朧月は、黙ったままだ。
「・・・」
 俺は、黙って月牙の頭を撫でている。
「お前は、この神楽家の先祖鬼羅丸様の生まれ変わりじゃ。その事は知っておろう」
「・・・うん」
「そして、朧月殿の妖怪が解放された事で妖怪の動きが活発になった」
 確かにそうかもしれない。赤マントも、地縛霊から妖怪になっていた。
「今、日本中の高名な霊媒師一族が退治にあたっておる。もちろんお前の父さんもじゃ」
 修験者の父さんは、今弟子を連れて世界を回っているらしいのだが今回の件で日本に戻ってきたらしい。
「北の月神一族、東の神楽一族、西の八神一族、南の神詠一族・・・」
 聞いた事がある。どの一族もこの世界ではとても有名である。そう・・・それこそ心霊特集でテレビに出てる奴らより。
 数千年前・・・地獄の釜が開き様々な悪鬼が出てきた時、それぞれの先祖が力を合わせ、地獄の釜を閉じたという伝説が残っている。
「その4つの一族が、それぞれ次の世代の長を妖怪討伐に向かわせているらしい」
「そこで、顔合わせも兼ねて俺もいく・・・と」
 大体の事は把握できた。
 −小僧−
 朧月が初めて口を開いた。
 −我は、その4つの一族の祖先を見てきたが・・・−
 朧月はそこで言葉を切った
「見てきたが・・・?」
 −いや・・・先祖は先祖だ。どうなるかはお前の目で確かめろ−
 訳わかんねぇよ。と俺は言った。
「とにかく、お前には旅に出てもらう」
「あぁ。わかったよ」
「それから、月牙殿、朧月殿、悠をよろしく頼みます」
 グルル・・・と月牙はのどを鳴らした。
 爺ちゃんは、頷くと部屋を出た。
 バタンとドアが閉まると、俺はベッドに倒れ込んだ。
 −用意をしろ。時間はあまり無いんだぞ−
 俺は、バッグに着替えなど必需品を詰め込みながら夜空を見上げた。

 暗い森の中で男は呟いた。
「・・・そうか。神楽が動くか。何・・・鬼羅丸の生まれ変わり?・・・フン上等だ! なぁ狂月」
 男は肩にかけている日本刀に語りかけた。
 −朧月・・・積年の恨み・・・いざ晴らさん−
 男は、夜空に向けて笑みを放った。

 湖の畔に、御子の姿をした女が白い鳥に向かって何か言っている。
「・・・なるほど。神楽 悠・・・ですね。いいでしょう。分かりました月神の名に恥じぬよう私達が神楽を潰してあげます。ね?十六夜」
 巫女は、手に持っている杖を地に突き立てた。
 −また『神器』がそろう時が来るとは・・・−
 夜風になびいている髪を手で押さえながら、女は夜空を眺めている。

 月光の映し出す山中の平野に1人立つ人影が見えた。周りには、妖怪の屍体が転がっている。
「ふぅ・・・まったく血の気の多い人たちだ響香さんも和彦クンも・・・かと言って悠クンは何もしらないしな。この先が楽しみだ。そう思わない? 五月雨」
 血がたっぷり付いている刀に男は語りかけた。
 −圭輔、お前もな。やる気はあるのか無いのか・・・退魔師同士の戦いが始まるやも知れぬと言うのに、何とも悠長な−
「一番強いのは僕だからね。いざとなったら式鬼にでも助けてもらうさ」
 圭輔は、月を眺めながら言った。



 遙か天涯に一筋、星が流れた。新たなる退魔師の使命を告げるかのように・・・


 二部に続く−
2005/04/10(Sun)10:26:51 公開 / ましゅまろ
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■作者からのメッセージ
初めて書くので、上手く書けないと思いますがどうぞお楽しみ下さい。
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