- 『素直って何!!』 作者:日向時折 / 恋愛小説 恋愛小説
-
全角722文字
容量1444 bytes
原稿用紙約2.4枚
雨の音がウザイ。
ワイパーが「ガー、ガー」と、音をたてて左右に動く。
辺りの見えない、暗い道。その車は、中学生が運転していた。
その子はある場所でその車を降りた。辺りは真っ暗、そして
大粒の雨。女の子は瞳を閉じて、ゆっくりと崖の方へ歩いた。
4月8日 「赤坂中学入学式」
その日は、あの日と一緒、大粒の雨だった。新入生が続々と体育館へ
入場する。知らない顔が集まっている。皆が胸を躍らせている。
「神崎 千晴」1年1組13番の子が呼ばれた。その子は胸を張って
「はい!」と返事をした。
入学式は実に疲れる。ちゃんとした姿勢を保ち、1時間も長い話を聞くのだ。
不慣れな制服が馴染まなく、ぶかぶかに見える。
ザワザワと、皆が騒ぐ。新しい友達、新しい先生。どれもこれも、とても胸が弾む。
しばらく経つと、担任の先生が入ってきた。
「今日から貴方たちの担任を務めます。西島京子です。」
生徒が皆シン・・・となる。1番からの自己紹介が始まった。千晴の番が来た
時、クラス中の皆がザワついた。
「すっごい可愛い!!」 そんな声がどこからともなく千晴の耳に入った。
(な、何か緊張・・・!)千晴の心臓は、爆発しそうなくらいドクドク言っていた。
「か、神崎千晴です!宜しくお願いします!!」 そんな一言で終わってしまった。
給食の時、千晴は隣の男子に声をかけられた。
「あんた、何かモデルでもやってんの?」と聞かれた。千晴は不思議に思った。
(私がモデル!?バカな・・・。)
他の女子もこの会話に耳を傾けてきた。
「私はモデルなんてやってないよ。」呆れた様な声で返答した。
その日のうちに、千晴はいつの間にかクラスのトップについていた。
千晴のさっぱりとした性格がうけているようだ。
-
2005/03/14(Mon)22:10:05 公開 / 日向時折
■この作品の著作権は日向時折さんにあります。無断転載は禁止です。
-
■作者からのメッセージ
特にはありません。でも、これから面白くするつもりです(^^)