- 『菜々とクロのにゃんにゃん物語。』 作者:ゅぇ / ショート*2 ショート*2
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全角7070.5文字
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原稿用紙約21.45枚
★プリンス&プリンセス★
隣の家には、白い猫がいる。
放し飼い同然の俺とは全然違う、家の中で大切に育てられている箱入り娘だ。
『恋なんてねオマエ、そんなものだよ。突然舞い降りてくるんだぜ』
その彼女に恋愛について語りに行くのが、俺の日課なんだ。
『何バカなこと言ってるの? 男なんて女だったら誰でもいいのよ、恋も愛も当てになんかなるわけないじゃない。いい加減そうやって恋愛に幻想抱くの、やめたら?』
箱入り娘の筈なのに、相当気が強く口が悪い。男の俺よりよっぽどクールで渋いんだから。
『毎日毎日飽きないわよね。おバカさん』
そういって彼女はくるりと前足でヒゲを撫でた。
(可愛い……っ)
どんなにバカにされても好きなものは好きなんだ。理由なんてない。
だいたいこの真っ白な毛並みとつぶらな瞳。ほっそりとしたしなやかな躰に小さな顔。 こんな可愛らしい奴に惚れない男がいれば、お目にかかりたいもんだぜ。
『クロ、また喧嘩したの?』
彼女が俺の瞼を見て不機嫌に言った。ちゃんと彼氏がいて、俺のことなんて何とも思っていないくせに。口出しだけは一人前にしてくる。
『俺の縄張りに入ってくる方が悪いんだ。仕方ないだろ?』
『そんなので良いわけ? もう子供じゃないんだから』
子供じゃないから喧嘩するんだ。子供じゃないんだ、自分の縄張りを守らなくちゃ喰っていけない。
俺の飼い主は一人の爺さんだ。爺さんが寝たきりになってからは、俺は放ったらかし。餌もろくに貰えないし、同居を始めた爺さんの孫にすぐ苛められる。ヒゲを抜かれたり尻尾をちょんぎられそうになったり。挙句の果てには、昼寝中に虫眼鏡で毛を焼かれそうになったんだからな。右隣の家で飼われてるお姉さんは、雑種ってだけで産んだ子供を皆殺された。人間って、分からない。
『あんたはいいよね、自由で』
――菜々ちゃん、ごはんよ。
家の中から声が聞こえる。俺は庭の芝生の上に、座りなおした。
『あたしも自由になりたいわ。あんたみたいに、悩みなさそうな生活っていいわよね』
『……早く戻れよ。美味しい缶詰が待ってるんだろ』
野良の奴らが聞いたら、きっと怒るだろう。俺たちの場合、自由と死は紙一重なのさ。菜々、おまえには無理だよ。生まれたときから人間に育てられてるおまえには、俺たちみたいな生活はできないよ。たとえ俺が守ってやっても、すぐに嫌気がさすだろう。
俺に悩みがないって、そんなふうに見えるんだな。当たり前だ、生きること以外に何かを考えてる余裕なんてないんだから。
『あたしの飼い主なんて……気が狂ったみたいにあたしを可愛がるだけよ。ただの自己満足。赤ちゃん言葉で喋ったりなんかして、バッカみたい』
飼い猫と野良猫の間には、越えられない溝があるんだ。
――菜々ちゃん、また庭にいるの? 早くおいでー。
『……またね、クロ』
小さく鼻で笑って、菜々はガラス窓の隙間からひょいと室内へ戻って行った。
複雑な気分になるんだ、俺はいつも。菜々がそうやって文句を言いながらも、飼い主のもとに擦り寄っていくことに複雑な気持ちになる。なあ、菜々。その飼い主に世話されるのが嫌なら、いっそのこと餌なんか貰わずに逃げ出したらいいじゃないか。嫌なら、飢えてる野良猫にその立場を譲ってやってくれよ。自由になりたいんだろ……?
(……それでも俺は好きなんだよな)
彼女の生き方に疑問は抱いても、俺が菜々を好きなことに変わりはないんだ。
何で好きなのかなんて分からないけど、とにかくこの感情に偽りはないんだから。それはともかく……菜々、自由って何なんだろうな。俺たちの幸せって、何なんだろうな。
『……君、菜々ちゃんの知り合いだよね』
頼むから声をかけないでくれ。ここ数日何にも食ってなくて、苛々してるんだ。そう思っていたのに、声をかけられて思わず俺は立ち止まってしまった。
犬でもないのに飼い主に紐をつけられて、毎晩散歩している猫だ。瞳の青いシャム猫で、こいつが紛れもない菜々の彼氏。こんな機嫌の悪い日にばったり出会うなんて、俺は何てついてないんだろう。飼い主のおばさんは、道端で知り合いの女性と話に花を咲かせている。
『しょっちゅう菜々ちゃんのところに行っているみたいだけど』
『……何だよ』
――あらシャムちゃん、お友達? 少しお友達と遊んでてね。
シャム猫だから『シャムちゃん』なのか。俺は黒猫だから『クロ』。これだって十分単純な名前だが、『シャムちゃん』よりはマシだ。こんな男が菜々の彼氏だなんて、俺はまだ全然納得してない。
『あんまり彼女にちょっかいを出すの、やめてくれないか』
『何でおまえが指図するんだよ、菜々の飼い主でもないのに』
『彼女は僕のものだ。野良猫だからって、好き勝手するなよ』
飼い猫には二通りいる。野良を羨む奴らと、野良を蔑む奴らだ。当然野良猫にも二通りあって、飼い猫を羨む奴らと飼い猫を蔑む奴らがいる。どっちかっていうと、野良猫は反骨精神が強い。人間なんぞに庇護されて何が楽しい、と思っている奴が多いんだ。
『…………』
俺は人間に媚を売って生きるのは嫌だ。飢え死にするのも嫌だ。
でもどっちかを選べといわれたら、飢え死にするほうを選ぶ。別に飼い猫を蔑んだり羨んだりするつもりはないけれど、こうして野良猫のくせに、とか野良猫だから、とかそんなことを言われるのは腹がたつ。
『生ゴミなんかを漁って生きてるんだろ? 彼女には釣り合わないよ』
『……それがどうした』
『どうせ人間や僕らのおこぼれを貰ってる身分に違いはないじゃないか』
そうすると何だ? そういうおまえは独力で生きてるってのか? 一人で餌を探す力もない男が、どうやってそんな偉そうな口を叩くんだろうな。俺はおまえみたいな奴が反吐がでるほど嫌いなんだよ。そうやって人間に媚を売りながら、野良を見下し蔑むようなクソ猫がな。ぐだぐだ俺に文句言ってる暇があったら、まっすぐ菜々のところでも行って「俺以外を見るな」とでも言ってやりゃあいいんだ。
『怖いな、何でも威圧すれば済むと思ってる。野良猫って性質が悪いよ』
一発咬みついてやろうと思って開けた口を、俺はあわてて閉じる。喧嘩をするな、と今日菜々に釘をさされたばかりだ。別に菜々が傷つけられたとかってわけじゃないんだし、俺が我慢すれば済む話だから。
『もう一度言うよ、君は菜々ちゃんにはふさわしくない。君がつきまとわないほうが彼女は幸せになれるんじゃないかな。黒と白じゃあみっともないブチの仔猫が生まれるだけ。そうだろ? それでなくても菜々ちゃんは血統書のない猫なんだから、せめて相手くらいは血統書つきでないとね。飼い猫の恥さ』
『……何?』
じわじわとした怒りの所為で、爪が出てくるのが分かる。今にも咬みついてやりたいのを抑えて、俺はアスファルトの上でじっと足を踏ん張った。
『ブチだと何か? 何か悪いことでもあんのか』
『みっともないじゃないか。ブチなんて……同じ猫として恥ずかしいね』
俺も恥ずかしいよ。おまえと同じ――自分も猫だってことがこんなにも。
それから一ヵ月後、俺は夏のアスファルトの上で疲れて腹這いになった菜々を見つけた。
『何やってんだ、おまえ』
『家出してきたのよ。あんな甘ったるい家、我慢できないわ』
飼い猫と野良猫の間には、越えられない壁があるんだ。暖かい寝床があって、食べるものも充分に与えられる。何故その幸せを素直に享受できないんだろうな、飼い猫って。
『それで?』
『それでって……彼を訪ねていったのよ』
菜々の白い躰は土に汚れている。いつも飼い主に綺麗に整えられ、自分でもしっかり毛づくろいしていた美しい毛並みが、見るも無残に汚れている。躰中にそこらへんの草っぱがへばりつき、泥が尻尾や腹にこびりつき、彼女の鼻は渇いていた。熱があるのかもしれない。こんなにまでなっても、あの男を頼っていったんだ。俺ではなくて。
胸が痛くなるのはこんなとき。バカにされても叱られても、熱い視線であの男を見つめていても俺は平気だった。でもこんなときには胸が痛い。
俺だって一匹の男なんだ、白くて綺麗な可愛い猫に惚れた一匹の男。いざってときに違う男を頼りにされたら、そりゃあ少しは傷つくさ。やっぱり俺みたいな野良猫は駄目なんだろうなって。
『追い返されたわ。見損なったって』
『…………』
『野良猫に興味はないんですって』
頭の中が一瞬怒りで真っ白になって、そして走り出そうとしたところを菜々にとめられた。
『待ってよ、クロ!』
『何だよ』
『また喧嘩しに行くつもりなんでしょ、彼と』
『悪いかよ。おまえが頼ってきたときに突っぱねる男と喧嘩しに行って、悪いかよ』
菜々。俺がおまえのことを何とも思ってないんなら、いいんだ。ただおまえの横に座って、話を聞いてやって、ちょっとばかり慰めの言葉でも言ってやれば。
だけど傷ついたのは菜々なんだ。そうだろ? 好きな奴を守りたいって気持ちが、そんなに悪いことか? 俺たち男には喧嘩しかないんだぜ。
好きな女を守るには喧嘩して守るしかないんだ。好きな女を手に入れるには喧嘩して手に入れるしかないんだ。のんびり駆け引きをして恋愛できる人間とは、違うんだよ。
それでも今まで俺がおとなしくしてたのは、おまえとあの男が何だかんだで上手くいってたからだ。そんなことも分からなくなったか。
『いいのよ。あたしに見る目がなかっただけだから』
疲れたわ、と言って菜々は立ち上がり、もう一度日陰に座りなおした。
『家、帰れよ』
『嫌よ。誰があんな家になんか』
『どうやっておまえみたいなお嬢さんが野良で暮らしていくわけ』
『……あんたがいるじゃない』
俺は思わず溜息をつく。わかってるようでわかってない。俺が守ってやれるうちはいいんだ。夏場の今は寒くもないし、ゴミ捨て場にでも行けば何かしら食う物がある。
でもこのまま冬になったら? あんな暖かい家で暮らしてきた猫が、ひと冬でも越せるか?
『おまえ、バカだよ』
菜々が驚いたように俺を見るのが分かる。今までバカなんて言われても、こっちから言ったことなんてなかった。
『おまえが野良みたいに暮らしていくっていうなら、俺は限界までおまえを守るよ。でも断言できる。おまえは絶対に我慢できないよ、野良の暮らしになんか』
『でも……!!』
『今だって家出してきたばっかりなのに、もうくたばってる』
菜々はプライドが高い。珍しく俺にバカと言われて、少しばかりむっとしているみたいだ。でも仕方ない。こいつの命がかかってる話なんだ、躊躇って甘やかすわけにはいかないんだ。
『こんな日が毎日続くんだぜ。それとも何だ、散々自分の家に文句をつけておいて、つらくなったら逃げ帰るのか? そりゃ飼い主は喜ぶだろ、別の猫を飼い始めていなければな』
菜々の瞳がまんまるになっている。きっと俺は今、こいつのプライドをずたずたにしてしまってる。恋愛に関しても何に関してもクールな菜々。男に突き放されても、あっさり諦めてしまえるような女だ。こんな野良猫に説教されて、もしかすると内心怒り狂っているかもしれない。
『クロ……でも』
――菜々ちゃん!! 菜々ちゃん、どこー!!
――菜々、出ておいで!! 菜々ちゃん!
遠くで声が聞こえる。菜々の飼い主と、その娘の声だ。ものすごく心配している声色で、関係のない俺が思わず申し訳なくなるくらい。
『…………』
――菜々、どこ!! ご飯だよ、おなか空いてるでしょ!?
――どうしようお母さん、菜々きっとおなか空かせてるよ。ねえ、どうしよう。苛められたりしてたらどうしよう。
『菜々』
菜々の複雑そうな顔を見て、俺はホッとした。目を見れば分かる。明らかに安心した顔をして、何があんな家大嫌い、だよ。何だ、おまえあれだけ文句言っておきながら飼い主のこと好きなんじゃないか。まったく素直じゃない猫っていうのも厄介だよな。
『あたし、戻らないわよ』
つん、と空に鼻を向ける。そんな仕草しても可愛いだけだよ、菜々。
みっともない姿を見られたくないのか、突然慌てて毛づくろいを始めている。俺は大きな声で鳴いてみせた。菜々の飼い主たちの足音が近づいてくるのを確認するまで、大きな声で鳴いた。
『……ちょっとクロ!!』
『何?』
『見つかっちゃうじゃない!』
菜々の顔についていた葉っぱを前足でどけてやる。嫌がる菜々を無視して顔の汚れを舐めてやると、すぐにいつもの真っ白の額に戻った。
『見つけて欲しいんだろ、素直になれっつの』
丸く綺麗な瞳で俺を睨み上げてくるけど、俺はそんなことには慣れている。
『あたしは人間に相手にしてもらうなんて嫌なのよ』
そこまで嫌そうには見えない。どう見ても拗ねて機嫌を損ねている子供にしか見えなかった。
――あ、菜々!! お母さん菜々あそこにいる!
菜々がひとつ大きな溜息をついた。それからもう一度俺を睨み上げて、駆け寄ってきた少女に機嫌よく鳴いてみせた。
『菜々、人間の相手をしてやってるんだと思えよ。俺たちが相手されてるんじゃなくて、俺たちが人間の相手をしてやってんだよ。ほら、現におまえがいなきゃ顔色変えて捜しに来るんだぜ』
飼い主が菜々の細い躰を抱き上げた瞬間に、彼女はふりかえって俺を見下ろした。
『仕方がないから帰ってあげるわ』
結局菜々は、飼い主が好きだったんだ。飼い主が自分に向かって赤ちゃん言葉なんて話すから、機嫌を損ねただけだったんだ。ホント可愛いよな。
『あたしはもう大人よ』
何で赤ちゃん言葉なんかされなきゃいけないの、と菜々は毎日愚痴をいう。
それでも飼い主が呼べば、愛想の良い嬉しそうな顔をして駆け寄っていく。ほら、おまえにはこんな生活が幸せなんだ。人間のもとで暮らすのが幸せなら、それを選べばいいんだ。生死の境を彷徨いながら束縛されずに生きていくのが幸せなら、それを選べばいいんだ。そうだろ?
――ね、あの黒い猫ちゃん。菜々の恋人かな。
――そうね、凛々しい顔しちゃって。菜々の旦那さんになるのかしらね。
(……猫ちゃん、か)
人間ってのも、いろいろいる。こんなふうにバカみたいに猫を可愛がるのもいれば、何の躊躇いもなく猫を殺す奴もいる。俺たちは猫で、人間じゃない。あいつらと同じ言葉は喋れないし、あいつらみたいな仕事もできない。学校なんかも行かないし、あいつらみたいに長い寿命もない。でも幸せだ。毎日が楽しいから。
『あたしって、不幸だわ』
『何が』
『家の中ではあんなおバカさんたちを相手にして、庭ではあんたみたいなおバカさんを相手にして。かわいそうったらないわ』
思わず吹き出した。
――あ。お母さん、クロちゃんがくしゃみした!
(……くしゃみじゃねえよ)
俺は放し飼い同然――つまりもう野良猫みたいなもので、餌も貰わない。菜々の飼い主が、最近は菜々と同じ餌を用意してくれる。
『何よ、野良猫のプライドがどうこう話してたくせに、しっかり食べるんじゃない』
食後に毛づくろいをしながら、菜々は俺を睨む。綺麗な顔をして、そう睨むなよ。
『くれたから食べてやってるんだ。当然だろ』
猫に生まれたのが幸せだったのか、それとも人間に生まれたほうが幸せだったか、そんなことは分からない。俺は頭が良くないし、どっちかっていうと喧嘩のほうが得意だから。
――ホント正反対ね。黒猫と白猫。
俺たちは単純さ。俺は真っ黒だし、菜々は真っ白だ。人間からみたら単純で地味に見えるだろ。でも俺たちは着飾らないぶん、心ん中が派手なのさ。いつでも昼寝してるように見えて、俺たちも結構いろんなことを考えてるんだ。人間みたいに考えてるふりじゃないんだぜ。昼寝をしてるふりをしてるだけさ。分かるだろ? 人間よりも俺たち猫のほうが幸せそうだって思うときはないか? 俺たちは考えてるからだよ。人間よりもよっぽど真剣に、自分の生きる道についてな。
『ちょっとクロ、何考えてるのよ』
俺たちの目線からは、いろんなものが見えるんだ。人間の優しさと残酷さ。猫の生きかた。
俺たちだって恋をするんだよ。女だったら何でもいいってもんじゃねえ。獣のような男、って表現を人間はするらしいけど、嘘だな。俺は紳士として菜々を愛してるんだ。
『……恋愛と男の生き様について』
『ったく……バカね。相変わらずなんだから』
おまえもね。ホント相変わらず気が強くて、意地っぱりで、それから素直じゃなくて。でも可愛い。
菜々は自分の居場所を確実に見つけた。俺は菜々の傍についているけど、毎日気儘に外へ飛び出す。半分飼い猫、半分野良猫ってとこだな。俺はどこでも生きていける。菜々がいればそれでいいんだ。好きだから。
『俺のすべては菜々だから。おまえがいるとこならどこでも行くさ』
『バカね!!』
すぐ怒る癖なおせよ、と言いながら鼻のあたまを舐めたら、前足で殴られた。
――仲いいよね、クロと菜々。
当たり前だろ、俺を誰だと思ってるんだ。漆黒の毛並みをもった黒猫のプリンスさ。そして菜々は、純白の毛並みをもった白猫のプリンセスなんだぜ。
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2005/03/12(Sat)20:26:07 公開 / ゅぇ
■この作品の著作権はゅぇさんにあります。無断転載は禁止です。
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■作者からのメッセージ
申し訳ありませんでした。とにかく最初に謝っておきます。ふざけたタイトルからふざけたストーリー。これも『ビバ★グルメ』のときと同じ病気です、病気。連載に疲れて何かがキレる病気です。本当にタイトルを『にゃんにゃん物語』にするか『プリンス&プリンセス』にするか迷ったんですが……『にゃんにゃん物語』の誘惑に勝てませんでした。そしてこのタイトルはメールのやりとりから生まれたものです(笑)そして初めての猫視点。何、この男前な黒猫は。と思いつつ。ナナっていうのはあたしの家の猫の名前。主人公猫の名前を何にしようか迷いに迷った挙句、一応無難にクロでいいかと(ぉぃ)タイトルとは裏腹に、少しはストーリー真面目にしておきました。特にテーマはありません。ただ猫視点を書きたかっただけです(大汗)大目に見てくださいっ。さて、長々と書きましたがあたしには連載が残っているので、頑張りますと以外何とも言えず。さて、菜々ちゃんを猫耳にでもして、誰か短編でも書いてくれないかしら(爆笑)ということで『テーマが分かりません』とかいうご指摘は勘弁してください(予防線)ではでは。