- 『受け取ってください』 作者:シェリー / 未分類 未分類
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「ゴメン、無理…」
分かってた。ふられる事くらい分かってた。なのになんで告ったんだろぅ。今の関係は決して悪くないのに、なぜソレを壊すような事をしてしまったんだろぅ。
一週間前位。私が告った相手、タカシにこんなこと言われた。
「俺のタイプの性格はチカみたいなのかな」
チカ、私のこと。前にもこんな事があった。別に私が聞いたわけじゃない。それなのになぜか教えてくれる。そんな時私は決まって笑顔で返す。恥ずかしくてドキドキして言葉が浮かんでこないから。
私とタカシは本当に仲の良い、周りから見たら恋人と言ってもおかしくないような仲。でも、タカシは私のことをただの女友達程度しか思ってないだろぅな。こんな関係も悪くない。そぅ思うことにしてた。でも、タカシと話しているうちにどぅしても、どぅしてもこれ以上の関係になりたくなった。そこから私の恋は急スピードに空回りしていった。
少しでもタカシに女としてみて欲しくて、少し間をあけた時もあった。それでも、
「何かあった?俺でよかったら相談乗るよ?」
なんて言葉が返ってくる。私が言って欲しい言葉とはまるっきり逆のこと言うんだよね、タカシは。相談乗るよ?って友達みたいな言い方しないで。私だって一応女なの。少しは女って見てよ。そぅ、心の中で何度も何度もつぶやいてみる。言葉に出してタカシに伝えられたらどんなに楽になれるだろぅか。私の心はそこで道を間違えた。どぅ頑張ってもうまくタカシに伝わらなくて苦しいからって、告白と言う道に逃げてしまったんだ。
私が告る2日前の事。タカシが
「スキな人誰?」
って言ってきた。恋バナを始めるのはいつもタカシから。タカシには今私はスキな人がいないと言うことにしてあった。タカシはいるらしいけど、誰かは絶対教えてくれない。
「絶対いるでしょー」
などと話しても結局お互い何も暴露せずに終わる。そんな虚しい会話が今日も続くと思ってた。でも、今日は違った。
「チカまじいいヤツなんだからスキなヤツ出来たらすぐ告れよ!!ぜってーOKもらえるし」
こんな言葉。ずるいよ。じゃぁ私がタカシに告ったらOKしてくれるの?まるで人事のような事。確かにタカシにとっては人事かもしれないけど。私はタカシがスキなの。それだけは分かって欲しかった。だからもぅ友達演じてるのもいやになった。
それから2日間、告白するかしないかとても悩んだ。ただ、後悔だけはしたくなかった。その時の私はもぅ友達と言う関係を演じているのにやになっていた。頭の中を整理しようとしてもすぐに熱くなって、冷静でいられなくなる。私の頭では告白と言う二文字しか見えなくなっていたのだ。告白したら少しは私のこと意識してくれると思った。そして告白を決意したのです。
直接言うのは恥ずかしくて絶対泣く。なのでメールで告る事にした。告白すると決めてからは意外と早く、あっさりとメールを送れた。
「実はスキなんだけど…」
余計な飾り言葉はいらない。私の気持ちが真っ直ぐ伝わってくれればそれで良い。そう願いをこめて送った。
「え?嘘!?」
タカシは困ったように返信してくる。
「嘘じゃないよ」
どんな返信が返って来るか不思議と怖くなかった。怖いと言うより楽しみだった。ふられると分かっているのに…。
「ゴメン、無理…」
ほらね。思ってた通り。なのに涙も何も出ない。悲しいと言う感情さえも湧いてこなかった。ふられたと言う言葉は目には見えているのに頭には入っていかなかった。頭の中がからっぽになって何も考えられない。ただ、タカシからの受信メールを見つめているだけだった。一生懸命泣こうとしている自分がいる。涙が出ればきっと現実を受け止められるから。でも、涙はいくら待っても出てこなかった。失恋ってこう言う事なの?マンガとかでよくある「朝まで泣き続けた」なんて言葉は嘘のように、実際はなんの感情も生まれず涙なんて少しも出て来ない。それとも私はそんなにタカシのことが好きじゃなかったの?だから涙が出てこないの?そんな自分に対する問が頭に回る。今泣けなければきっと引きずり続ける。もう、これ以上苦しむのはやだから告白したのに何の解決も無かった。逆に後悔した。色々考えているうちにこれからタカシとどう接していったら良いのか分からなくなってしまった。
「俺、チカの事好きだけど今はそんな風に見ること出来ないんだ。ごめんな」
そんな慰めみたいな言葉はいらない。泣けない事がこんなに苦しい事とは思わなかった。タカシが一生懸命答えてくれてるって分かってる。分かってるはずなのに、すごいわがまま思ってる。
「ぜってーOKもらえるって言ったじゃん」
なんてわがままなんだ。これが自分の求めていた告白の返事じゃないか。何故素直に認められないの?―私はその日一睡も出来なかった。
次の日っと言っても私にとっては昨日の延長だった。朝学校について自分の席に座ってボーっとしていると、タカシが教室に入ってきた。私は気付いているのにわざと気付いていないふりをしていた。
「おはよー」
タカシが普通に話し掛けてくる。私はなるべくいつも通り答えていた。けれど、昨日こぼれそびれた涙がタカシと話しているとこみ上げてきた。何故昨日泣けなかったのに、今頃になって涙がでてくるんだろう。それも瞬きをしてしまったら一気に零れ落ちそうなほど。私はとうとうタカシの質問に答えられなくなっていた。
「…!!どした?」
私の涙を見てタカシが問い掛けてくる。でも、もう何も答えられなかった。教室だしみんな見ている。それにタカシの前だ。涙なんて見せちゃいけない。と思っているのに止まらなかった。私の涙は昨日の分までこぼれ続けた。そして少し落ち着いた頃。タカシが話し掛けてきた。
「昨日…メールの事ごめんな」
その言葉を聞いた瞬間、あれだけ実感する事が出来なかった『失恋』と言う二文字が一気に私を襲った。心から泣けた。私が昨日流したかったのはこれ。苦しいほど恋をしていたこと。そして、それが一方通行で決して叶う事の無い恋と言うこと。
私の恋はタカシに受け取ってもらえなかった。でも、本当いい恋をしたと思っている。ふられた時は実感が持てないのが失恋と言うことで、初めて素直に心から泣けた時が失恋を納得した時で…。
恋って本当難しいと思う。今回の私の恋は叶わなかったけど、次の恋が待っているから。今は前を向いてひたすら歩こう。次恋をして振り返ったときに、今回の経験がきっとなんだかのヒントになるから。私はいつでも素直な気持ちを伝える。そして次こそは絶対その人に受け取ってもらう。
そんな風に心の中で私は自分に誓った。
end
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2005/03/17(Thu)17:04:15 公開 / シェリー
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■作者からのメッセージ
お初です!!読んでくださってありがとうございます。下手な小説でどうもスイマセン。
異性の友達って難しいと思います。友達と言っても異性は異性なので恋してしまう場合もありますよね。そんな恋をしてしまった時はとても苦しいと思います。これからそこをうまく表現していけたらいいと思います。
もし良かったらレス頂けたら嬉しいです。
レスありがとうございます。やはり短いですか…。と言うか更新遅くなってスイマセン。一応、endと言うことなんですけど…最後の方とか意味不になってしまってスイマセン。レス待っています。