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創作小説 投稿掲示板『登竜門』 『鎖』
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- 『鎖』 作者：エバー / 未分類 未分類
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全角809文字彼女は足を組み直して、わざとらしく溜め息をついた。
容量1618 bytes
原稿用紙約2.3枚
「みんな最初はそう言うのよね。『今日が本当に初めてなんです。ちょっとした気の迷いというか…。なのでお願いします、親と警察にだけは…』ってね」
「あの、本当に悪いことをしたと思っています。本当に反省しています。申し訳ありませんでした。ちょっと私どうかしてたんです。」
こんなやり取りがもう少なくとも30分は続いている。彼女に気付かれないようにちらっと腕時計に目をやると17時半だ。スーパーだったら夕方の一番忙しい時間帯じゃないのか。その割りには万引きごときで時間を割けるってことは意外と暇なんだな、そんなことを頭で考えてちょっぴりおかしくなる。もちろんそんなことはオクビにも出さず、優衣はうつむいて、いかにも反省しきっているかのような様子を装う。正直なところ親に知られようが、警察に突き出されようがそんなことはどうだっていい。でもそうなれば必然的にあの計画が台無しになる。不可能なものになる。それだけは絶対に嫌だ。
「もしかしてあなた、親と上手くいっていないとかそういうことなのかしら。こないだは中学生の男の子だったけれどどうにかして親の関心を買いたくてちょっと悪ぶったことをしてみたらしいけど。普段は優等生で通っているらしくて引き取りに来た親も「まさか家の子が」って驚いていたわ」
よくある話だ。悪いけど私はそんな甘ちゃんじゃあない。大体私を何歳(いくつ)だと思っているというのだ。
「いえ、そういうわけではないんです。最近仕事が上手くいかなくてちょっとイライラして、それで疲れていたというか…」
口からのでまかせだ。
「あなた仕事してるの？アルバイトのこと？そう言えば何歳なの？てっきり高校生ぐらいかとばかり…とにかく疲れてたんなら万引きするエネルギーなんてないのが普通じゃないのかしらね。いい？こういうのを社会不適応行動って言ってね…」
駄目だ、間違いなく今回は長引きそうだ。
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2005/02/16(Wed)01:46:29 公開 / エバー
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■作者からのメッセージ
少し、ちょっとした社会的逸脱行動について書いてみたくなりました。
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