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『(未定) [書き直し]』 作者:トロヒモ / ファンタジー ファンタジー
全角2901文字
容量5802 bytes
原稿用紙約10.1枚
降りてきた少年<1章>

「今、ちょうど深夜2時頃だな…」
星の無い夜空の下で白ベースの黄色の髪をたたせた、ラフな服装の男が時計を見て言った。
「まだ見えないのか?どうなってんだよ、まったく!」
少し腹をたてながら、もう一人の黒髪の男が言った。
「そうだなぁ、そろそろ来るだろう。」
そのとき、ひとすじの光が男達のもとに落ちてきた。
「シバ!そっちにいったぞ。」
シバと呼ばれた男は、強大国フリマトゥールの傭兵の隊長で、特殊な力をもったアイテムを探している。
シバともう一人の男は、光が落ちる場所へ走っていった。
「くそっ!とどかねぇ…」
光はシバの手に入らずに、山のふもとへ消えていった。
光が見えなくなった山は暗く、静まりかえっていた。
「シバ、お前それくらいつかめよなぁ。」
シバに追いついた、もう一人の男がシバを責めた。
「わりぃな暗いし、明日の朝にでも探しにいくしかねぇな。」
二人は山にある、少し古い小屋に入っていった。


早朝
「おい、起きろ!」
シバはもう一人の男を蹴り起こした。
「あぁ?今、何時だよ?」
男は目をこすりながら上半身を起こし、シバの方を向いて言った。
「5時だ」
シバはあたりまえのようにして言った。
それに引き換え、もう一人の男の方は怒りながら、立ち上がった。
「バカか!まだ2時間くらいしか寝てねぇーんだぞ!」
それを見たシバはあきれて言った。
「じゃあ寝てろ、俺一人で探しに行くから。」
シバは、左肩を右手で揉みながら小屋を出ていった。
「ま、まてよ!シバ、俺も行くぜ」
シバの反応に焦って、走りながらシバを追いかけていった男の名はスイング。シバと同じく強大国フリマトゥールの傭兵で、態度はでかいが、気は小さい単純な男。シバと共に特殊な力を秘めたリーブという秘宝を探している。
「おいスイング来てみろ、光の正体はこいつだ。」
ようやく着いたスイングにシバは落ち着いた素振りで穴を覗いていた。
後から来たスイングもシバの言われるままに、直径2メートル程の大きな穴を覗き込んだ。
「おいっこれって…」
スイングはその穴を見るなり、まるで狐に化かされたような顔つきになった。
「あぁ、シャビアだ。」
シバは頷(うなず)きながら言った。
シャビアとは、この世界にいる種族の一つで、もっともヒューノ(人間)に似た姿と形をしている。ヒューノとの違いは一人一人が特殊な力をもつと云われているが、まだ証明はされていない。
「どうする、このシャビア人?」
スイングは動揺しながら、穴の中のシャビア人を指さして言った。
「とりあえず連れ帰ろう、リーブについてなにか知っているかも知れんしな。」
二人はシャビア人を基地へと運ぶ為、気絶しているシャビア人を起こすことにした。
「おい、起きろ!」
シバはシャビア人の頭を小突いた。
「んぅ〜なんだ?」
穴の中からは、身の丈約5尺半の子供が顔を出した。
「なんだ?じゃねーよ!お前こそなんで、こんなところに降ってきたんだ?」
スイングは普段の落ち着きを取り戻して、少年に自前の大きな声で反論した。
「あっそうか…おじさん達、ここ何処なのか知ってる?」
少年は二人を見上げて言った。
「おじ、おじさんだぁ?まだ俺は27だぞ」
スイングはおじさんと言われた事がショックでシャビア人にむかって罵声をあげた。その声はまるで狼の遠吠えだ。
「スイング少し黙ってろ。」
シバはスイングを睨みつけた。
「だってこいつが俺の事、おじさんって…」
シバは、スイングを睨みつけられ、怯んだように口ごもった。
次にシバは顔を少年に向けて、顔を見下げて言った。
「ここは、ヒューノの土地だ。お前のようなシャビア人がおねんねしてる所じゃないんだよ。」
少年は必死な顔つきでシバに言った。
「助けてください!」
唐突のことにシバは少年に言った。
「まず説明してもらおうか、助けるかどうかはその後だ。」
「僕の国は壊滅させられたんだ。僕は必死に逃げて助かったけど、国のみんながまだ逃げていないんだ。」
「話しの内容がよくつかめないな、詳しい話しは俺等の基地に戻って聞くとしよう。」
シバは少年の手を掴み、穴から引き上げた。
「ありがとう。」
三人は小屋の近くに隠しておいたヘリコプターのような乗り物に乗った。
シバは基地に戻る乗り物の中で少年に聞いた。
「名前はなんて言うんだ?」
「僕の名前はジオン・ハルト」
少年の名前はどうやらジオンというらしい。ジオンはシャビア人の証の少し赤色がかった目と、腕にはタトゥのような模様が彫られていた。
ジオンは確信しているかのような口ぶりで言った。
「あいつらは絶対に僕の持つリーブが狙いなんです。」
シバとスイングは、リーブの一言を聞くと、驚いた顔をしてお互いの顔を見合わせた。
「おい、そのリーブはどこにある?」
シバはジオンを睨んで言った。
「僕が持ってる、みんなは僕にリーブをたくして逃がしてくれたんだ。だから僕はこれを、奴等の手から守ってみせる。」
ジオンのたくましい言葉を聞き流す風にジオンを相手にせずにシバは言った。
「ビンゴだ、やっぱり(*)コネクタは壊れてなかったんだ。」
「何のこと?」
ジオンは急にテンションの上がった二人を見るなり頭に?を浮かべた。
そして急にシバは、銃をジオンの額につけた。
「そのリーブ、こっちに渡してもらおうか。」
「なんでこんなことするんだ!」
ジオンは必死に逃げようと暴れたがスイングに体を抑えつけられているせいかまったく抵抗できなかった。
シバは手をジオンに出したて言った。
「さぁ、渡しな」
「これは、渡せない!」
必死にジオンはもがいた。
「しょうがない、それならお前を殺して奪うまでだ」
シバが銃を撃った。その時、ジオンの懐が光をはなった。
「こいつリーブに気にいられやがった。」
シバは一歩引いた。
「何があったんだ?」
ジオン本人にもよく分からなかった。
「しょうがない、協力しよう。」
シバは、ジオンに歩みよってきた。
「本当か?」
ジオンは疑いの目でシバを睨みつけた。
「あぁ、そのかわり俺等の事を信用してもらう。」
シバは倒れているジオンに手を差し出した。
「さっきまで、自分に銃をむけてた奴を、信用できるわけないだろう!」
その手を払いのけ、ジオンは上半身を起こした。
「それならしょうがない、じゃあな。」
シバは、乗り物のドアを開けた。
「他の奴に頼むからいいさ」
ジオンは外を見て飛び降りようとした時、シバが言った。
「ここ(人間界)はなぁ、信用できる奴なんか一人もいない、みんな親切という仮面をかぶった悪魔さ、ましてやお前等シャビア人のように、根からいい人なんかいねぇ、それでも他の奴に協力してもらうのか?」
ジオンはシバの言葉が痛い程、理解できた。ジオンは今後の事を考えシバに言うのだった。
「本当に、信用してもいいんだな?絶対に裏切らないな!」
シバは右肩を左手で揉みながら言った。
「それはお前しだいだ。」
ジオンは、信用はしないがついていく事にした。そんな3人を乗せて乗り物は基地へと向かうのだった。







(*)リーブが近くにあると反応する機械。壊れやすい。

2005/03/07(Mon)00:58:37 公開 / トロヒモ
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■作者からのメッセージ
この間の指摘で、自分なりに直してみました。まだぎこちないかもしれませんので、今後も指摘おねがいします。タイトルの方はもう少し、話しが進み次第、発表できたらなぁ…と思います。よろしくおねがいします!
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