- 『ファントムファング』 作者:まじですか / 未分類 未分類
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原稿用紙約3.8枚
〜序章〜
世界には現代科学では解き明かせない特殊な力を持った子供がいる。その力はファントムと呼ばれる怪物を倒せる唯一のものである。ファントムを倒さない限り人々が地上に住める日はやってこない。そのため、能力を持って産まれてきた子供は「ファントム対策組織」通称FAGという組織に預けられ、ファントムとの戦いに備えて20歳になり能力が消えるまで育てられるのだ。その地上での戦いで命を落とす者も少なくは無い、、、、。その子供達のことをFAGにちなみファングチルドレンと呼ぶ。
僕の名前はシンジ。生まれつき首にタトゥーがある。これはファングチルドレン(以下ファング)である証で、本当ならFAGの施設に入れられるはずなんだけど、僕はそこに
入ることを拒否し、逃げ出してしまった。「もうこの町にもいられないよ…もう外に出るしかないんじゃない?」この子は僕と一緒に逃げ出してきた女の子で、名前はサクヤ。「うん、それしかないと思う。サクヤの力があればファントムだって怖くない。」「そういえばシンジはなんで能力を使わないの?」「それは……使わないんじゃなくて、使えないんだ。」「え?」「一度、訓練で使ったんだ。だけど、そんな力が僕のなかにあると思うと怖くて…。そう思っていたらいつのまにか使えなくなって…。」「そうだったんだ。」「僕は役立たずだから分かるけど、君はなんで一緒に逃げてきたの?」「私は…悲しい思いをしたくなかった……それだけ。」「そぅ…。」僕はなにを言ってあげればいいのか分からなかった。ただ分かったことはサクヤの過去に何かあったことだ。深く追求しようとも思わなかった。「それじゃあ行こうか?」「そうだね」サクヤは笑顔で答えた。
地上にでるといっても簡単な事では無い。そこまで警備は厳重ではないけれど、見つかったらその場で殺されてしまう。地上に出るというのはこの世界では一番重い罪だからだ。「警備員は4人くらいだね。サクヤの力でなんとかなる?」サクヤの能力はどんな相手にたいしても脳神経を麻痺させることができるというもの。つまり軽くやれば混乱状態にできるということだ。「うん。大丈夫。」そういうとサクヤは両手を前に出し、目をつぶった。すると地上への扉を警備していた人が4人ともフラフラといろんな方向へ歩きだした。「今よ!」僕とサクヤは警備員の首からIDカードを奪い取り、扉へ急いだ。IDを入力して扉を開けるとそこにはエレベーターがあった。乗り込もうとした時「なにをしている!!」と叫ぶ声が聞こえ、銃声がなった。すると同時にサクヤが倒れ込んだ。「サクヤ!大丈夫!?」僕はかけよりサクヤを抱き起こしすぐにエレベーターに乗り、扉を閉めた。 「どこ撃たれたの?」「足をちょっとね…。でもたいした事ないから。」とあきらかに強がっている笑い顔を見せながらサクヤは言った。「あんまキレイじゃないけど我慢して。」僕は持っていたハンカチをとりだしサクヤの足にまいた。「ありがと。」「ごめん…僕の能力が使えたらサクヤにこんな思いはさせなかったかもしれないのに。」僕は
自分のなさけなさに腹が立った。「これくらいの事は地上にでるって決めたときから決心はついてるよ。それにシンジが力を使えない理由もわかってるから。」そういってサクヤは寝てしまった。意識を失ったのかもしれない…。僕はこれからの事の不安で胸がつぶれそうだった。エレベーターは静かに、けれど確かに地上に向かって進んでいた。
序章 終
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2005/01/23(Sun)22:56:11 公開 /
まじですか
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■作者からのメッセージ
設定とか適当になっちゃてますが、そこらへんは気にしないでよんでください(笑 一応続きます