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『これが僕らの生きる道。』 作者:210 / 未分類 未分類
全角1520文字
容量3040 bytes
原稿用紙約5枚
その時彼は、空を眺めていた。
今はまさに授業の真っ最中。それでもこれほどに綺麗な空を見ずにはいられない。
昨日の空とはうって変わって、青々とした空に透き通るような白い雲。
詩人ではないが、ついつい感想をもらしたくなるような…そんな空だ。

「…フィー…アルフィー!!」
「…はっはい!?」
突然声を掛けられて反射的に立ち上がった。その拍子に椅子で膝を打ったのに
先生は気付いたが、そのまま話を続ける。
「授業中に余所見をするな!ではアルフィー、この公式を答えよ。」
「えっ…はい。攻撃×防御÷円字画…だいたい55%以上の力で発揮されます。」
「うっ…うむ。正解だ…座れ。」
先程打った膝をさすりながらおとなしく席に着く。攻撃呪文専門のマルサ先生は
黒ぶち眼鏡をかけどことなく近づきにくいタイプの先生だ。ちょっとした事で注意したり罰を与えたりする嫌な奴。
だがそれも、アルフィー以外の生徒にだけだった。
アルフィー事態にもわかっていないのだが、今日のように注意はしても他には何も言ってこないのだ。
自分には何か秘密でもあるのだろうか…普通なら自分が一番知ってるはずなのに。



「もうアルったら、また空見てたのね〜。」
授業が終わり教室を出るとき、後ろからウィンスに声をかけられた。
アルフィーの事を『アル』と呼ぶのは、学校内でもウィンスとロベルトくらいだ。
「いい加減にしなよー?今は大丈夫でも、マルサの奴…何してくるかわかんないし。」
「ん〜そうだねぇ…。」
そのまま2人で廊下を歩く。学校の廊下はどこかひんやりとしていて歩くたびにコツコツと音がする。
この学校ももう結構前からあるのだろう、古代を思わせる置物や肖像がなども沢山飾られていた。
(入学したての頃は、この廊下もこの学校も…すべてが怖かったっけ。)
そんな事を思い出し、あの頃の気弱かった自分に苦笑する。
「何笑ってんの?」
「…なんでもないよ。」
「ふぅ〜ん…あっ!お〜いロベルトっ!」
ウィンスは何か疑わしい目をしていたが、数b先に背の高い人物を発見しやっとアルフィーから目を離した。
「ロベルト!…ってまたぁ〜?そんな本ばっかり読んでて飽きないの?」
「別に。お前には関係ないだろう。」
「何よそれー。ちょっとアルもなんか言ってやんなさいよ!」
ロベルトのそっけなさに頬を膨らませながらウィンスがアルフィーを振り返る。
そんな事を言われても、ロベルトのそっけなさは生まれつきだ。優しい性格ではあるけれど…。
「ロベルト。その本…何?」
「…そういう方向?」
何か言えといわれてもなかなか見つからない。頭の回転は回っても、こういう場面では別物だ。
しかしロベルトは以外にも顔を上げた。
「この本は、『防御呪文から魔…」
その時校内中に耳鳴りのような大きな音が響き渡った。校内放送の音だ。
  
『『アルフィー・ラウ、ウィンス・ローランド、ロベルト・ナターリア、今すぐ教諭室へ向かいなさい。』』

教頭:スメタリウスの声。アルフィーはこの甲高い声がなんとなく嫌いだった。
「はぁー!?なんであたし達が教諭室なんかに…。」
「アル…もしかしてまた何かやったのか?」
「なっ…違うよ!僕何もしてないし!確かに授業中余所見はしてたけど…。」
「まぁ…そんな事で呼び出しをくらうはずがない。」
「とりあえず行こうよ。きっとなんかある筈よ…私たちが3人一緒に呼び出されるなんて…」
「初めてだもんね…。」
横目でロベルトを見ると、どこか様子がおかしかった。
それはきっとアルフィーも感じているこの胸騒ぎが原因だろう。
アルフィーとロベルトのように魔力の強いものは、危険を感じ取る力があるからだ。
何かが起きる…危険な何かが。

NEXT.



2005/01/23(Sun)15:34:12 公開 / 210
■この作品の著作権は210さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初めまして、210といいます。
小説を投稿するのは初めてです…///
まだまだ未熟なので話の内容も分かりづらかったりするかもしれませんが、話は結構長く続きそうです;
ご意見ご感想など聞かせてくださると嬉しいですっ!
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