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『Two wings 〜東の国 西の国〜  00.〜02.』 作者:飴野チハレ / 未分類 未分類
全角1091.5文字
容量2183 bytes
原稿用紙約4.7枚
00.「 プロローグ 」


憎しみ、愛しさ、悲しみ、嬉しさ、
痛み、快楽、熱い、冷たい、

いろんな感覚が頭の中を、体中を駆け巡る


闇の中、私を取り囲むように赤々と燃える火柱

熱い 熱い 熱い――――――


耐えられなくなった瞬間 

熱く燃え盛る炎の向こうに人が見えた


長い髪、背が低く、細い体。


女の子?


顔が見えない、誰? 誰でもいい、助けて―――

助けを求め、声を出そうとした時

あるものが見えた 


私を睨み付ける、冷たく 鋭い目。


そして その背にある者は 

 


大きくて





 黒い

 



 翼だった――――





01.「 終戦 」


冷たい風が吹き、身震いする。
またあの夢。最近よく見る夢。

瞼を開けると、もう日が昇っていた。

「…しまった。」

ぼんやりとする頭をこぶしで殴り、私は慌てて飛び起きた。

「レオナ、起きて! 日が昇ってしまった。寝過ごしたぞ!」

そう言って私は、隣で毛布にくるまって眠っている相方を叩き起こした。

「……ぅ〜ん?…ぁんだって?!」

そう言ってあたしの相方、レオナ・マクシアはガバッという効果音が付く位勢いよくとび起きた。



急な岩山を登る為、風を切るように走る。
その辺の民(たみ)、つまり一般人にはとうてい追いつけないスピード。
そんな風に走るのは、幼い時から戦う為に鍛えられてきた私達“生戦士(せいせんし)”にとっては当たり前。

「ったく。『夜明けに出発する。』って言ったのはアカリだろ? な〜に寝過ごしてんだよ。それに見張りのくせにブースカ寝てんじゃねぇよ。」
「…確かにそう言ったのは私だ。寝過ごしたのは不覚だった。すまない。しかし見張りの当番はレオナと交替した後起こされていない。つまりレオナが悪い。それに私はブースカ寝ない。」
「……」
「……」

その後はお互い一言も喋らず走りつづけた。


私達は東の国の生戦士。
生戦士というのは『生きる為に戦う兵士』で、私達“東の生戦士”は母国の東の国を守る為命懸けで戦う。

今回は、いろいろな理由があったらしく、(上の奴しか分からない。しょせんあたしらは“第三生戦士”。命令がでて戦いに行くただの駒)北にある国、トリーシアとの戦乱が続いていたが、つい一昨日終戦報告があった。
私は相方のレオナと共にトリーシアの領域に入り、敵をバッタバッタと倒していた。
だが、敵の爆撃により二人して大河に飛ばされ、流された。

そのまま流されていった私たちは、東の国“スフィランツェ”の領域に入り、目が覚めた。
その時にはもう終戦報告がでていて、私達は夜明けとともに城に帰ろうとしていた。






…で、今にいたる。
2005/01/20(Thu)19:49:08 公開 / 飴野チハレ
■この作品の著作権は飴野チハレさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
はじめまして。

小説といえるのか定かでは無い作品ですが、読んでいただきありがとうです。
これから物語は進展していきますが、感想いただけたら嬉しいです。
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