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『笑えない』 作者:走る耳 / 未分類 未分類
全角2044文字
容量4088 bytes
原稿用紙約5.95枚
 聖なる夜、クリスマス。人によってその過ごし方は大きく違ってくる。大切な人と幸せな時を過ごしているかもしれないし、はたまた一緒にいたくない人と一緒にいるかもしれない。まだ子供が小さい家庭では、家族で仲良くクリスマスツリーを囲んで団欒しているところもあるだろう。
そこにあてはまらなかった家族の話。

関東にある、ごく普通の一軒家。特にクリスマスらしい装飾をしているわけでもなく、その家族の間ではクリスマスであるという意識が存在していないようだ。一人を除いては。
その家の茶の間で、兄弟がテレビをみていた。テーブルの上にはスナック菓子が散乱している。兄はテレビのすぐ前に、弟は少しはなれたソファーに座っている。
「・・・もうええわ。どうも、あいがとうございましたー」
テレビで若手芸人のコントが終わったと同時に茶の間に笑い声が響き渡る。兄だ。腹を抱えてテレビの前で転がりまわっている。もう高校生にもなる兄が、こんなに笑うのはお笑い番組を見ているときだけである。
「なにがそんなにおかしいの」
まだ幼い弟は聞く。口ではそう聞いてはいるが、目はずっとテレビの画面に向いている。
「だって、はあ、はあ、面白いじゃねーか」
「どこが」
「どこがってお前。どこがって、全部だよ。全部面白い」
新しいコントが始まった。クリスマスネタだ。ボケがサンタの真似をして煙突からおっこちる真似をする。すかさずつっこむ。サンタクロースが煙突から落ちて骨折したら、どうすんねん・・・。夢がなくなるやないか・・・。くだらないネタである。
「あっははははははは」
だが兄はやはり笑い声を出してころがりまわっている。ようやく、体勢を立て直したかと思えば、次のボケでまた笑い出す。弟は、特に気にもしていなかったがコントが終わった頃にまた、なにがおもしろいんだ、と聞いた。
「だから、ネタだよ。あ、すべってやんの!あはははははは」
何を思ったか、弟は黙り込んでしまった。クリスマスだからか、お笑いブームだからか、ただコントをし続ける特番をやっていた。次から次へとコントが通り過ぎていく。兄は笑い続ける。突然弟が口を開いた。
「あのさぁ。ネタが面白いんじゃなくて、芸人が面白いんじゃないの?」
「どっちでもいいじゃん。同じ同じ。あは、笑える!あはははは」
弟はしばらく何も口にしなかった。兄はことあるごとに笑い続ける。
 母が犬の散歩から帰ってきた。ドアを開けたとたんに冷たい空気が入ってくる。
「寒い寒い。外は雪降ってるよ、雪」
そう、と弟は答えたが、特に興味も持たずにテレビを見続ける。兄は母の帰りにも気づかないかのように笑い続ける。母はストーブのところにいき、手を温めた。そして、テレビのチャンネルを変えてDVDを見始めた。
「おい、みてるぞ」
「コントなんて、何も面白くないじゃない」
母は特に気にせずソファーに座り込む。
「あーあ、さめた。」
兄はそういって二階の自分の部屋に戻っていった。だが弟はあいかわらずテレビ画面を見つめ続ける。
 DVDは噂の韓国ドラマだった。そして母はいきなりクライマックスから見始める。もう何度も通して見たからと母は言うが、弟にはこれがはじめてだった。だが弟は文句を言おうともせずただてきとうにそれを観た。
 そのうち母が泣き始めた。主役の男性の名前を小さく呼びながら、確かに泣いている。
「何で泣いてるの」
「ヒロインの気持ちになったらもう泣けて泣けて」
「感動してるんだ」
「それとは、違うのよ。感情移入してるの」
弟には何も違いがわからなかった。母にもわかりはしないだろうが、母は感動しているのではないといいきった。弟はまた黙り込んでしまった。
 いつのまにかDVDは終わっていた。弟はそれでもソファーを離れなかった。母は、何か飲み物いる?ときいてきたが、弟は首を横にふった。母も二階に上がっていった。
 弟は考え込んでいた。些細な事で考え込むのがこの弟なのである。しかし、いつもその答えにたどり着くことはできなかった。このときも何か頭に引っかかって答えが出なかった。
 そろそろ寝ようと思い弟が立ち上がると、階段から何かが転がり落ちる音が聞こえてきた。弟はぼんやりした頭で階段に向った。
 暗い階段の電気をつけると、転がり落ちたのはサンタクロースの格好をした父だった。白いひげをはやして赤い帽子をかぶっている。背負っていたであろう袋からはいくつもの箱が転がり出ている。
 顔をひくつかせて、父はメリークリスマス・・と小さな声で言ったように弟には聞こえた。しかし、父はそのままぐったりとしてしまい、もう何も声に出さなかった。
 弟は呆然とそこに立っていた。すぐに母と兄が降りてきた。
「あなた、あなた!」
と叫ぶのは母。兄はすぐに救急車を呼ぶ。弟は何もしない。哀れな父の姿をただ見つめている。弟は顔を上げて、兄を見た。兄の顔は血の気をすっかりなくしてしまっている。
「やっぱりネタじゃなくて芸人が面白いんだよ」
弟は小さくつぶやいた。
2004/12/27(Mon)00:08:11 公開 / 走る耳
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■作者からのメッセージ
 初投稿です。正直意味わかんない作品になってしまいました。
 うーん、何が言いたいんだろう。というよりそんなテーマを持たせることができるほど力がありません・・。
 批評や批判、感想おまちしております。
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