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『世界の鍵  第三話』 作者:名も無い作者 / 未分類 未分類
全角3691.5文字
容量7383 bytes
原稿用紙約12.1枚
世界の鍵 第三話 〜力もつ死神〜




「破壊神が人を殺していないだと…?では殺された人たちは誰に殺されたんだ?」
 文太は、差し出された温かいコーヒーを飲みながら問う。その問いに答えたのはやさしそうなイメージがあるキョウだった。
「そんなことするのは無王に決まってるじゃないですか。少しは頭はたらかせて下さい、堅物さん」
 文太たちはあっけにとられる。イメージとは全く違った性格だ。人をバカにしたようなその態度は、やさしいなんてものじゃない。
キョウはコーヒーをすすりながら四人の視線に気づき、コーヒーを机において不愉快そうな顔をして言った。
「僕の顔に何か?そんな阿呆な顔でこちらを見ないで下さいよ、気持ち悪い」



「んじゃ破壊神はなにもしてないのに他の世界から恨まれてたのか?んだよそれ。バカじゃねーのお前ら」
 司はカナにもってきてもらった菓子をほおばりながら閻魔大王に言う。閻魔大王も菓子を一つ手に取り、話を進める。
「まーそういわれるのも仕方ねーけどなあ。まあとにかく誤解だとわかった俺は他の奴等にこのことを伝えよーとしたわけよ。んで伝えたんだけど、これが信じてくれなくてさー、困ってたんだけどー、それぞれの世界に変化が起こり始めちゃったんだよなー」
「変化ァ?」



「真界では次元のゆがみが現れ、そのゆがみに多くの住民がのみ込まれた。人間界では天使や住民の記憶が全て消され、他の世界の事も忘れてしまった。死界では死者の魂が氷づけになってしまい、死神たちも氷づけになっていった。神界では神王と他の神々が次々に消えていった。だからあらゆるものを管理していたものがいなくなり、それぞれの世界で天災が起こった」
 そう言ったのは派手な色をしたサリーア。緑色をした髪をいじりながら、面倒くさそうに説明を続けようとした時に、竜一が質問した。
「それも無王がやったのか?」
サリーアはため息を一つつき、灰色と赤色の双眸を竜一に向ける。
「これは違うわ。言ったでしょ?破壊神は存在するだけでその力が世界に影響するって。無王は破壊神をそういう理由で作ったの」



「んじゃあ破壊神はどうしようもねーじゃんか」
 閻魔大王は茶をすすりながらコクリと小さくうなずいた。鉄色の瞳が、悲しそうになっていく。
「俺は破壊神と会った事がある。あいつは破壊神なんて名ばかりで、とても優しい性格だった。平和が好きだと言い、大切な人もいると言っていた。その人とは離れ離れになってしまったが、今でもその気持ちは変わらないと言っていた」
「でも破壊神にその気はなくても在るだけで世界が壊れる…?」
「そうだ」
「戦争は激しくなったのか!?」
「いや、戦争はその時終わったようなものだったんだ。死界は全ての事実を知り、武器を捨てた。つか俺が捨てさせた。人間界は記憶がねーからんなことできねーし。神界も神王がいなくなってめちゃくちゃ混乱してたからな」



「真王は悩んだわ。戦争は終わったけど、世界は崩れかけている。このままでは駄目だと…」
 綺麗な金色の髪が、窓から入ってきたそよ風で少し揺れる。那々は椅子から立ち上がり、窓のほうへ歩み外を眺める。その姿は恐ろしいほど綺麗だ。
「だから真王は決めたの」
那々は飛んできた小鳥を、細く、白く、美しい形をした指にとめてやる。



『破壊神を封印する』
「真王はそう言って武器を持った。……そして、破壊神は真界の森の奥で封印された…。世界はもとに戻ったよ。ただ、人間界の記憶だけは戻らなかったけどな。そして真界は…」
 閻魔大王はとても悲しげな顔をしていた。司が何か言おうとし時、閻魔大王がいきなり立ち上がった。
「うーし、昔話は終わったぞ!俺の説明はわかりやすかったろ?ん?」
 笑いながら言う閻魔大王を見て司はずっこけた。椅子につかまりながらドアのほうへ向かう閻魔大王を引き止める。
「お、おい、そして真界は…なんだよ!最後まで説明しろ!!それに奈々のこともまだきいてねーぞ!!!」
 閻魔大王は「あ、忘れてた」と言ってもとの位置に座りなおす。閻魔大王からは、さっきの悲しい顔が消えていた。



「真界は他の世界との交流を一切なくし、消えました。今どこに真界があるのか、誰にもわかっていません」
 さっき円卓の部屋に戻ってきたカナが、みんなの飲み終わったコーヒーカップをカチャカチャと片付けながら淡々と言う。
「それから世界はお互いの交流をなくし、それぞれの世界で幸せに暮らしています。無王も興味をなくしたのか、箱庭を放っておくようになりました。まあ、真界以外は無王に与えられた管理を忘れずにやっていますが。人間界も記憶はなくとも、住民は自然に力をためるようにできているので」



「人間界の平成時代。あ、お前らのいた時代より五〇〇年前の時代だ。その時代に、すごい力を持つ人間がいたんだ。おそらく全世界で一番強い力だろうな。…その力を持っていたのが那々だ」
「………奈々が?はっ、ありえねー。あいつが五〇〇年前に生きてるわけねーじゃん。あっちの部屋にいた奴はやっぱり奈々じゃねーよ。奈々はきっとまだ人間界にいるん…」
「違う。お前らと一緒に過ごしてきた奈々は、五〇〇年前の那々と同一人物だ。ちなみに漢字はこれ…」
 閻魔大王はそう言って、そこら辺にあった小さなメモ帳に、そこら辺にあった高級そうなペンで、奈々の漢字を書いてみせた。

   ×奈々    ○那々

お世辞でもきれいな字とは言えないほど、汚い字だった。でも、奈々の漢字が違うことだけは司はわかった。司は驚きを隠せないでいた…。



「でもなんで奈々は五〇〇年の間年をとらずに生きてられたんだ…?」
 真也は驚きを隠せない顔で、窓辺にいる那々を見つめる。海樹が静かに説明する。
「那々は五〇〇年前に一度死んだ。『力もつ死神』だったから」



「だいたい『力もつ死神』って何なんだよ…」
 閻魔大王はペンを器用に回しながら司を見つめる。




 
 破壊神が封印され、世界がもとに戻りはじめていたとき。一人の巫女が死界に現れ、予言をしていった。
「破壊神は遠い未来、また復活いたします。そして、その時に破壊神から世界を救うために、『力もつ死神』『聖なる人』『導き者』『世界の鍵』をそろえておかねばなりません。死界は『力もつ死神』『聖なる人』を探し出してくださいませ。私は今から神界に行き、『導き者』を探してもらうように言ってきます。『世界の鍵』はその三つがそろったときに、自然とその三つのある場所に現れるでしょう」

 巫女は予言をして去っていった。閻魔大王は破壊神の復活など信じたくなかったが、巫女に嘘をついてるよう感じがなかった。とにかく、閻魔大王は『力もつ死神』を巫女に教えてもらったヒントをもとに探すことにした。

〜巫女にもらったヒント〜
・『力もつ死神』は死界ではなく、人間界で生まれる。
・『力もつ死神』は一七歳になると魂が覚醒し、水晶にその姿がうつる。
・『力もつ死神』は他の死神と違い、特別な力を持っている。





「それじゃあ俺たちはその『力持ちな死神』だから死んだのか…?」
「『力持ち』じゃなくて『力もつ』だ、アホ助」
閻魔大王はペンで司の頭を軽くたたいた。
「で、五〇〇年前、那々が一七歳のときに巫女からもらった水晶にその姿がうつったわけ。正直驚いたねー。世界最高の力を持つやつが『力ある死神』だったなんてさー思ってもなかったかんなー。」


「あたしは十七の時に閻魔に魂をかられたの。でもあたし死神になれてよかったと思ってるんだ。だってあんな力もってたからさ、両親や周りから化け物扱いされてたんだよね。」
「じゃあなんでいまさら人間になったんだ?」
 四人の疑問を代表して言うように文太は問う。
「それはー…まあいろいろ複雑なことがあってねー。とりあえずそこら辺の人間の身体借りて、人間界にいたわけ。」
「「うわー、今思いっきり話飛ばしたなー。」」
 竜一と真也が声を合わせて、あきれたように言った。
「じゃあさ〜、逆に何で今死神に戻ったのー?」
「人間界でのあの身体が限界をつきていたからね。もともと、ただの人間にあたしみたいな強い力持った魂が入って長くもつわけなかったんだよ」


「…まあだいたいのことはわかったよ。でも最後に疑問があるんだけど。何で俺だけえんまだいお〜様に説明されたわけ?」
 閻魔大王はにたーっと微笑んだ。その変な微笑をされて、司は椅子の後ろに思わず隠れてしまう。
「あはは、そんなひくことねーだろー?お前だけここに呼んだのはべつに深い意味はねーから安心しなって。それより、今からお前らの特別な力がなんなのか調べなきゃいけないからさ、ちょっと先にさっきの部屋に戻っててくれ」
 司は何か言おうと思ったが、こいつに何言ってもなんか無駄っぽい…と思って、しぶしぶ部屋から出て行った。部屋に残った閻魔大王はふうっとため息をつき、椅子の背もたれに背を任せて、天井を見上げる。
「性格とかぜんぜん違うけど…やあっぱ似てるんだよなー。」





  続く
2004/12/20(Mon)18:53:22 公開 / 名も無い作者
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■作者からのメッセージ
こんばんわ〜(o^▽^o)ノ
今回もなんか説明的なのが多いものになりました(@_@;)前回皆さんに指摘されたことがなおせてればいいのですが…。
さいごに、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

ごめんなさいっ!!これは第三話でした!(バカ ホントにすいませんでした〜(>_<)
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