- 『鎮魂歌〜レクイエム〜を天国に…』 作者:ニラ / 未分類 未分類
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原稿用紙約5.85枚
――貴方は死神を信じますか?
そう言われたら私は必ず「ハイ」と答えます。
――死神は悪い奴だと思いますか?
ハイ…
――もしも、死神が目の前にいたらどうします?
分かりません。でも、悪い奴なので無視します。
――では、もしも死神に命を助けられたら…
≪あなたはどうしますか?≫
第一話「死神と少女」
「…あれから十年が過ぎました。お兄ちゃんは元気ですか? 元気にやっていますか? 私は元気にやっています。お兄ちゃんに助けてもらったこの命を大切に使っています。今日はお兄ちゃんの誕生寺ですね? 私は忘れてないですよ? あの日に、教えてもらったんです。お兄ちゃんのお母さんとお父さんから…。そして、今日はお兄ちゃんがいなくなった日でもありますね? 私を助けたせいで・・お兄ちゃんはいなくなりましたね。でも、天国でも元気だと私は思っています。では、さようなら」
目も覚めるような緑に囲まれた地面に、少女が一人立っている。足元には空き缶があり、赤い炎が燃え盛っている。そこに、少女は握り締めていた一通の手紙をいれる。黒い灰になりながら、風と共にその手紙は宙に舞っていく。まるで、空へと運んでいくように灰となった手紙は飛んでいく。
「お兄ちゃんにちゃんと届きますように!!」
手を合わせて目をつぶり、そう叫ぶと、少女は緑の草原をかけていく。少女の名前は「大空 彼方」。長髪で、髪は黒く、いつも着ているのは緑のワンピースである。整った顔立ちをしていて、彼女を見た者なら、思わず立ち止まってしまうほど綺麗であった。薄らと赤みをさした白い顔と、真っ白に近い肌も、彼女の綺麗な所である。
そんな少女の真上で、クリップボードをもった白い長衣の少年がいる。後ろには小さな鎌を持っていて、彼方を見ながら手に持っている鉛筆を動かす。
「えっと、大空彼方、年は十四で、一度死にかけた経験あり・・か、その時は一人の少年により救出された…と、そして、寿命は≪四日間≫か・・」
その少年はそう確認するように言うと、蒼い空に混ざるように消えていった。
彼方は家に帰っていた。家の中は静かで、何のお音もしていない。両親はニ年前に死んでいた。交通事故だった。突然の事だったので、彼方はあまり良く憶えていない。今では、隣のおばさんに面倒を見てもらっていた。
「ただいまぁ〜〜」
誰もいない静かな部屋に声をかける。だれの返事も無い。しかし、その時ふいに物音がした。
「おばさん!! 私が家にいない時は入らないでよ〜〜」
笑いながらリビングに向かう。ドアの手前にあるスイッチを上げて、部屋の電源を入れる。すぐにリビングは明るくなった。
ドアを開ける。綺麗に整えられた部屋は、誰が見ても驚きだった。彼女は、掃除が好きで、良く暇な時にしている為である。しかし、リビングの一角にある冷蔵庫が開けっぱなしで、中に入っていた物が散乱していた。彼方は溜め息をつきながらそれを片付け、冷蔵庫の戸を閉める。そして、リビングの箸にちょこんとある仏壇に向かう。
「お母さん、お父さん、ただいま…」
手を合わせてそう言った後、背後に気配を感じた。振り向いて見ると、そこには男の子が立っていた。
白い長衣に、小さいが鈍色を放つ鎌を持っている。そして、腕を組むようにしてこちらに笑いかけている。
「あの〜、誰ですか?」
「え?」
少年は後ろを見て誰もいないことを確認する。そして、そお〜っと自分を指差す。それを見て彼方は頷く。
「見えるの?」
「え? あ、ハイ」
おかしいと言いながら自分を見まわす。そして、懐からクリップボードを出して、文章を見た後、納得するように頷いて見せた。
「あ、そっか。一度死にかけてるんだった…」
「で、貴方は誰ですか?」
「俺? 俺は死神ですよ」
彼方は瞬時に凍りつく。そして、少年に近づくと、おでこに手を添える。それを驚きながら手を払いのける。
「何をする!!」
「え? だって、熱でもあるのかと…」
「んなわけないだろ!! 俺はお前の四日間を見届けて、天国に連れてかなきゃ行けないんだ!!」
「何でです?」
「お前の寿命はあと四日だからだ!!」
自身満万に少年は答える。これで分かったかとでも叫びたそうにうずうずしているが、言わない。
彼方はその言葉に驚く。しかし、死神と名乗る少年を見ると、気絶してしまった。倒れた彼方を見て、死神は慌てる。
「ど、どうしたんだよ!! おい!! おい!!」
とにかく何処かで休ませなくちゃと思い、死神はかなたを引きずっていく。死神の忙しい日々は、こうして始まったのだった。
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2004/12/03(Fri)17:38:46 公開 / ニラ
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■作者からのメッセージ
お久しぶりです!!ニラです!!テストやら何やらで全く来れず、久々の作品も以前以上に下手になってしまっていそうです(涙)テストがあるので、次回はテスト後に来ます。なので、この作品をよろしくお願いします!!アドバイス、感想も出来れば…ここから新しい自分として、精一杯上手くなっていけるように努力します!!