- 『今日と昨日』 作者:takako / 未分類 未分類
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きっとこの明るさは午後を回っているだろうと
まだ目がふさがったまま外の明るさを確認する。
起き上がれない理由が他にあるらしい。
どうやらオデコが暑い。
のども違和感がある。
やっぱり風邪だということにして、毛布にもう一度くるまる。
休みの日はゴロゴロにかぎる。
小さいころはよく熱が出て、学校を休んだものだ。一月に一度ほど高熱でうなされてた。
熱が出ててもNHKの教育番組は欠かさなかった。
『あ・・・・』
燃えないゴミの日だったことを思い出した。
空いたワインの瓶でゴミ袋二つ溜まっている。
また二週間後忘れないようにカレンダーに○をつける。
ようやく起き上がって、やかんに火を入れてボンヤリ眺める
今日は早起きして布団も干して買い物にも行きたかったのに・・・
お金も減らないわけだって納得する。
欲しいものがあるわけでもない、
散らかった部屋に少しホッとする。
窓の向こうは赤い顔したお日様が惜しみながら
壁に残した視線を少しずつ、ずらしていく。
気づけばこんな時間。
まだまだ電気は付けたくない。
この暗さが心地よいのだ。
お茶をすすりながら窓を少し開けてみた。
冷たい風と一緒にホコリも舞う。
コホン コホンッ
道の向こうに。
家が一軒。
ドアが開き中から小奇麗なおばさんが出てきた。
おばさんは玄関ドアの脇に並んでいるプランターのお花を腰をかがめて眺めている。
抱えてるボールに手を突っ込んで、チョロチョロと白い水を器用に撒きはじめた。
白い水とはコメのとぎ汁であろうか・・・
花に何か話しかけている。
おばさんの魔法に応えるかのようにプランターはいつもぴかぴか。
そんなプランターを一緒に眺めていた魚の模様のした猫が
オバサンの足に絡み付いて見上げている、
おばさんも猫にメロメロな様子。
そのまま抱きかかえられて、
ようやく猫も晩ご飯タイムらしい。
ヘヤの明かりがつくと同時にカーテンが引かれた。
5階の私の部屋から見えるなんとなくの毎日の風景。
おばさんの名前も猫の名前も知らない。
この時間になると、どこからとなく風にのって美味しいにおいが届く。
車と人が行きかう、なんとなくの毎日。
猫と私のおなかはどっちが食いしん坊かな。。。。
美味しいにおいに連れられて、カラッポの胃袋が泣き出した。
さてさてあたしもご飯ご飯っと。。。。
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2004/10/21(Thu)18:22:49 公開 /
takako
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