- 『Street Children〜イーラの幸せ〜 』 作者:フレア / リアル・現代 未分類
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全角3260.5文字
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原稿用紙約12.4枚
ストリートチルドレンとは、親に捨てられたり家出をしたりなどして路上で暮らす子供達の事である。ロシアのウラジオストクに住むイーラも路上で暮らしている女の子だ。同じストリートチルドレンのアンナと共に寒い路上で貧しくも楽しく生活していた。しかし、アンナの母がアンナを連れ戻しに来た事でイーラは一度自分の家へ戻ってみたが親や妹はもう居なかった……。街を放浪していたイーラにはユーリという素行不良の少年の出会いと、絶望と麻薬の日々が待っていた。そして、イーラには更に過酷な運命が待っているのだった。
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Street Children
〜イーラの幸せ〜
第1話
イーラはロシアのウラジオストクに住むストリートチルドレンだ。
イーラの父はずっと昔に死んでしまった。
だが母と妹と一緒に暮らして貧しくも幸せな家庭だった。
しかし母に彼氏が出来てからイーラの生活は変わった。
母の彼氏はアル中でいつも家で暴れ、イーラや妹のナージャ
を殴った。昔は優しかった母も今となっては妹の面倒も
見ないし働きもしなくなった。
ある日お金が底をつき、母の彼氏はイーラにお金を稼いで
来いと言って来た。イーラはそんな事出来ないと言うと
母の彼氏はイーラを殴った。
母に助けを求めると母までお金を稼いで来いと言ってきた。
断ると母はイーラを家から追い出した。
そしてイーラは寒い路上で暮らす事になった。
1 イーラは14歳の女の子だ。金色の髪に青い帽子を
かぶり、長袖の上にセータ、そしてコートを来ている。
そして下はスカートの下にタイツ。あまり暖かい
格好とは言えない。
「イーラちゃん、お金あとどのくらいある?」
イーラと並んで歩いてる少女が話しかけた。アンナだ。
アンナはイーラより2つ年下で12歳。
親と喧嘩して家を出てからまだ1週間だった。
「あと55ペイカ(約2円)ぐらいだわ……」
ロシアでは55ペイカだとマッチぐらいしか買えない。
「お腹すいた……」
アンナは自分のお腹をさすって言った。
そういえば昨日から何も食べていない。
「お金稼ぎに行きましょう」
「うん!」
アンナは元気良く返事した。
2 初めてアンナと出会ったのはイーラがストリート
チルドレンになってから丁度3ヶ月の時。
夜、アパートが立ち並ぶ住宅地をブラブラ歩いていると
誰かが勢い良く走ってきた。
そしてどんどんこちらの方へ向かってくる。
「え?」っと思うと軽い衝撃が体をよぎった。
「うわぁ!」と声がし、そして今度はお尻に激痛が走った。
どうやら走ってきた人とぶつかって
転んでしまったようだ。
イーラはとりあえず「大丈夫……?」と声をかけた。
「あ、大丈夫です…」
その人はまだ子供で茶色い髪の色をしていた。
「よかったわ……」
「あの、ごめんなさい……」
その子はゆっくりと体を起こしながら言った。
イーラはその子の顔を見て驚いた。
「ナージャ!?」
なんとその子はイーラの妹のナージャにそっくりだった。
太い眉毛にクリクリとした青い目。
あたかもそこにナージャが居る様だった。
「え?私はアンナっていう名前ですけど…」
もちろんその人はナージャではなかった。
ナージャはイーラと同じ金髪のロングヘアーで
このアンナという子は茶髪で紙は短かった。
よくみるとアンナは泣いていた。
「ど、どうしたの?」
「思い出しちゃって……何でもないです……」
こんな時間に一人で外で泣いている
なんて何でもないはずなかった。
「よかったら話してくれないかしら?」
まだ幼いアンナをイーラはほっとけなかった。
イーラはアンナから親と喧嘩して家を出た事を聞き
一緒に行動しようと提案した。
いままで一人でいたイーラは誰でもいいから一緒に
いたいと思ったのだ。
これがアンナとの出会いだった。
3 イーラとアンナは繁華街へと来た。
大きなビルが立ち並び道路にはたくさんの車が
走っている。
信号待ちしている車に物乞いをするのだ。
「二人手分けしてやる?」
「そっちの方が沢山貰えるけど、でもあんまり自身がないなぁ」
「大丈夫よ。アンナは可愛いから」
「そういう問題なの〜?」
アンナは顔を真っ赤にさせて言った。
イーラは妹のナージャに似ている
アンナの顔が好きだった。
(今頃ナージャはどうしてるのかしら……)
そう思いながらイーラは信号が変わる
のを待っていた。
「どうだった?」
「えへへ」
「見せて………すごいじゃない!」
アンナの手は10ルーブル札(約40円)
を握っていた。
「なんかすごく景気の良い人だったみたい」
「パンか何か買いに行きましょ」
「うん!」
アンナは再び元気よく返事した。
4 夜になってイーラとアンナは今日寝る所を探し始めた。
いつも違う所で寝ていた方が警察に見つかりにくいのだ。
アパートが沢山並ぶ住宅地。イーラ達は明かりが一番
少ないアパートへ入った。
「ここで寝られるといいね!」
アンナははしゃいだ。
「しっ……!騒ぐと警察呼ばれるわ」
イーラとアンナは一回のごみ置き場から順に
調べることにした。
「ここはどうかしら」
イーラがごみ置き場の扉を開ける。
「うわっ……!」
アンナが鼻をつまむ。そこには生ゴミ
がちらばっていて臭くてとてもじゃないけど
寝れそうになかった。
「しょうがないわ。次行きましょ」
今度は二回のゴミ捨て場のドアを開ける。
少しだけゴミがちらばるもののさっきの
部屋と比べると断然綺麗だった。
「ここなら寝れるわ」
「もう眠いや……」
アンナは目を擦りながら言った。
毛布も何も掛けないでイーラとアンナは
二人よりそって寝た。
少しでも暖かくなるように工夫しているのだ。
「アンナ、おやすみ」
「イーラちゃんおやすみ」
アンナとイーラはそれぞれ眠りについた。
第2話
1 雪が降っている。アンナとイーラは雪合戦して遊んでいた。
イーラははしゃぐには少し恥ずかしい年頃だったが
アンナに付き合って遊んであげた。
「はぁ……はぁ……休憩しましょう」
「うん……」
息を切らしながら二人並んで座った。
アンナは靴の中に入ってしまった雪を取ってる。
イーラは無邪気なアンナを眺めていた。
顔立ちと幼く可愛らしい性格は
妹のナージャとそっくりだった。
まるでナージャがそこにいるような
気持ちになってくる。
ナージャは元気なのだろうか。
もしかしたらご飯もろくに食べさせられないで
毎日殴られているのかもしれない…。
そしてもう……死んでいるのかもしれない……。
「どうしたの?」
アンナの声でイーラははっと我に返った。
「具合悪い?」
アンナは心配そうに私の目を見た。
「熱ある?」
そう言ってアンナはイーラのおでこに
自分のおでこをくっつけた。
「アンナ、なんともないわ」
こんなに人に傷かって貰ったの初めてかもしれない。
なんて愛しいのだろうとイーラは思った。
「イーラちゃん……泣いてる……」
「え?本当だ……」
イーラの涙はとまらなかった。
するとアンナはイーラの手を「ぎゅっ」と
握ってくれた。
「イーラちゃん、私がいるから…」
アンナの優しさがイーラにとても伝わった。
なんだか幸せな気持ちだった。
2 イーラとアンナは市場にいた。用事がある訳では
ないが暇つぶしに来たのだ。
今日は雪が降っていて特に気温が低かった。
「寒い……」
アンナがブルブルと体を振るわせる。
「何か暖かいもの食べたいわ……」
イーラも体を振るわせた。
お金は結構貯めてあるが、やはり先の事を
考えると贅沢はできない。
「…………!」
突然アンナが立ち止まった。
顔を見るとすごく驚いていた。
「どうしたの?」
そうイーラが聞くとアンナはつぶやいた。
「お母さん……!?」
「お母さん?」
イーラは何事かと顔を顰めた。
「ほら、あの髪が紅くて写真もってる人……。何でこんな所まで……」
アンナは指を指した。
まさかと思いイーラは指差す方を見た。たしかに
髪の紅い女の人が店の前で道行く人に写真を見せて何かたずねている。
「私の事探してるんだ……」
アンナは下を向いて言った。
この市場はアンナと始めて出会った所とは結構離れていた。
ちょっと探したぐらいじゃここまで突き止められない。
「お母さん馬鹿みたい……。必死に探しちゃって……」
「アンナ……」
イーラはなんだか少し羨ましい気持ちになった。
アンナには家を出ても探しに来てくれる家族がいる。でも
自分には……。
「行って来たら? お母さんの所」
「でも行ったら……絶対帰って来いって言われる……」
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■作者からのメッセージ
続きます。
中途半端なところですみません(汗