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『紅い花とバイク 前』 作者:sati / 未分類 未分類
全角1520文字
容量3040 bytes
原稿用紙約5.15枚
あの日私が泣いたのは、きっと悲しみの全てを悟ってしまったからだろう。



紅い花とバイク 前編  by sati


隆二が死んでしまった。
例えで言えば沸騰したヤカンからでた蒸気のようにフワっと消えた。
何だかそれがどうも現実とは思えない馬鹿な自分がいた。
隆二の笑顔が、焼きついて離れない。


「隆二、何で昨日電話に出なかったの。」
「おぉ、悪い。買ったバイク乗りまわしてたわ。あの疾走感きもちええぞ。」
「バイクバイクって・・・へぇ。私よりもバイクちゃんが大事ですか。」
「違うって!あ!そうや。今度お前を後ろに乗せちゃるから!代1号やぞ、喜べ!」
隆二は話し足りないように話し出す。
「あの風をうける感じ、めっちゃきもちい。きっと裕未ちゃんも気に入るで」
「どうだか…。まぁ約束だからね、乗せてよ?」
私がそうい言った後の隆二の満足げな笑顔、好きでたまらなかった。

でもその会話が私達最後の会話だったなんて。

その会話の次の日は快晴の日曜日だった。こんな晴れの日だもん。
きっと隆二は私をバイクに誘ってくると思う。
こんな晴れた日に隆二の後ろで丁度良い風の温度を感じることが出来たら。
きっと最高だろうなぁ。

はやく連絡こないかな。

どんな洋服着ようかな。

でもその日隆二からは連絡なんてこなかった。

次の月曜日は学校がたまたま休みで私は家でずっと思ってた。
(なんで連絡こなかったんやろ・・・。隆二やったら昨日みたいな晴れ、見逃さないよね。)

(まさかバイトはいってた?いや、隆二前バイト辞めたいうてたし・・・。)
悩んでいると、私の携帯に着信が入る。
きっと隆二や!そう思った私は携帯を取って勢い良く電話にでた。
「もしもし?隆二!?」
でも私が聞いたのは隆二の優しい低い声ではなく友達のチョット高めの声だった。

「あ、裕未・・・?あたし、カナだよ。」
「あぁ、カナ!どしたん?」
「あんた・・・知らないんやね。」
「ん?何が。」
カナが急に黙ってしまったものだから、何だろう、どうしたの。そう言おうとした瞬間

「あんなぁ、隆二君、昨日事故で死んでもうたんやって。」

私は勢い良く家を飛び出た。隆二がいる病院まで走っていった。
汗が噴出す。これは熱いからではなくてきっと恐怖から来る汗なんだろうな。
病院に着くと何人か隆二の友達がいて私の姿を確認すると全員バツの悪そうな顔をした。

「ねぇ、隆二どこ。」
私が隆二の友達に迫ると
「いや、裕未ちゃんは見ない方がええよ…。」
私は隆二の友達の微妙な態度にイラつきを覚え相手の胸倉をひっつかみ
「どこって言うてるの。」
そう言うと隆二の友達は下を向き「霊安室に隆二いるよ。」
それだけ言って何処かへいってしまった。
霊安室・・・。
私は看護婦さんに霊安室の場所を聞いて走って向った。

走って、走って。息を切らし、やっと見つけた霊安室に入る。
ドアの前で一瞬手が止まった。
でも迷ってわいられない。ドアをそぉっと開けた。

ベッドが一つぽつんとあり、周りには隆二の家族らしき人が立っていた。
「あぁ・・・隆二のお友達かしら・・・。」
母親らしき人がそう言った。
「隆二の顔、見たげて?信じられないわ。最初普通に眠ってるのかと思ったわ。」
母親は涙をこらえ途切れ途切れにそう言うと隆二の顔にかかっている布を静かに取った。

そう、それは確かに隆二だった。
確かに眠っているようにしか見えないから私は余計現実を逃避した。
でもこれは確かに隆二の”遺体”だった。

私は汗がぶわっと吹きで、手が震え、歯がカチカチと言う私の口から出たのは

「りゅうじ。」

それだけだった。
不思議と涙は出ず、代わりに出ていたのは「りゅうじ、りゅうじ」という言葉だけだった。
2004/09/03(Fri)14:50:52 公開 / sati
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■作者からのメッセージ
初めマシて。サチといいます。
ちょっと時間が無いので前編後編とさせてもらいます。
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