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『天使の行方 第一章〜第三章』 作者:紅蓮 / 未分類 未分類
全角5840.5文字
容量11681 bytes
原稿用紙約21.7枚
もう 迷う事は無い。 俺は決心した。

あの親父に 天使にしてもらう。



第一章 『息子の決意。』



「将也。天使になりにきたのか?」

俺はあの親父の眼の前に堂々と立った。
朝に照り続ける太陽が眩しいが、親父を見上げた。
そしてコクリと頷いた。

「そうすると母さんや友達には二度と逢えなくなるかも知れんぞ?」

俺は全然御構い無かった。最近の周囲の人間にはウンザリしていた所だから。
高校二年生にまでなった俺は自分で言って良いのか分からないが
物凄い愛想が良い。だけどもう この生活がめんどくさいから
この世界からは消えたいと思っていたところだったので
俺はニヤッと笑って頷いた。

すると親父は少し俯き、何かブツブツ呟いて顔を上げた。
そして、俺の頭を撫でて涙目の笑顔で俺を抱き上げた。
高校二年生とはいえまだ俺は身長が160cmも無いし
親父は180cmで力も有る厳つい体だから簡単に持ち上げられた。

「ちょっと!放せよ!恥ずかしいだろっ!俺はもう高2だぞっ!」

俺はドタバタ暴れたが、運動神経が良い俺でも
小さいためあまり力が無い俺は親父の前では無力だった。
そして、俺が疲れて、暴れるのを止めたら親父は俺を下ろした。
そして少し涙を流すもすぐに拭いまた笑顔を見せた。

「親父………。……俺を天使に…。」

「分かってる!…だけど…少し時間をくれ…。将也。」

親父は即答だった。
それからは俺ばかり見つめて何も言わなくなっていた。俺もだった。
俺のいきなりの決意に普通人ではない親父が涙を流すのを見ていると
俺まで泣きそうになってきた。俺は泣き顔を見られたくなかったから
下を向いた。そして涙まで落ちてきたから親父に背中を向けた。
すると親父は俺に少し近付いてきた。それは足音で気付いた。
俺は振り向いた。すると親父が手紙を持っていた。
そして俺にその手紙を渡して距離を置いた。

「いきなり消えられては家族が困る。置手紙をしておくんだ。」

俺は親父にもらった手紙をポッケに仕舞って
親父に命令された通りに家に走って帰った。

そして、親に見つからないようにゆっくりと二階へ登った。
登り終えて右に曲がって俺の部屋にゆっくり閉めた。
ゆっくり閉めるのは
俺の部屋のドアを閉める時には
大きな音がするのでお袋にバレてしまうと想ったからだ。

そして親父から預かった手紙を出して
床に寝転びながら何を書こうか考えた。
中々頭に浮かばない…。今まで大好きでした。は…嘘になるし…。
こういうときに書けないってやっぱ駄目だよなぁ…。
とりあえず今までの出来事で思い出になった事を取り上げて
まず、色々と書いて見るか…。それをあとで纏めるか…。

しかし、思い出を取り上げるだけで半日もかかってしまった。

あ…そういや結構前から携帯にメールが着てたな。
チェックしとくか・・・一応。

お袋からか…。そういえば飯食ってねぇや!…どうしよ…。
食ったとか言ってメール送っとくか…。
あと今日は友達の家に泊まる…っと。

まぁ…。今日中には終わらしとくか…。
スラスラスラスラスラスラスラスラ。





やっと終わったか…。
俺あんまり頭良くないから纏まるのに時間がかかったな。
もうすぐで朝だな…。この手紙…リビングのテーブルに置いとくか。

俺はリビングのテーブルに置手紙をした。そして家を出て行った。


親父…起きてるかな?

「来たか…。将也…。どうやら書いてきたようだな…。」

いきなり親父が現れたので俺は驚いたが
冷静になり親父を見上げ、問い掛けた。

「親父…。起きてたのか…。もしかして俺をずっと待ってたのか?」

すると親父は頷き、すぐさま俺に指を向けた。
そして、親父は不思議な事に邪気を出していく。
指を黒く光らせ指で円を描くようにして大きな強い魔術を使った。

ビュワァァァァァン!!

「俺の後ろに居る天使霊が見えたら将也は天使になったことになる。」

そして、指から鋭い矢のようなものが飛び出てきた。

それは深く、俺の心臓を貫いた。


「将也…。俺は一応、悪魔のベテランだ。
 高齢者だから地球に来て 天使を創ろうとしているだけなんだ。
 それだけで 俺は天使に近づける天魔術をもらえる。
 余りにも天使の行いに背を向けると悪魔になるかも知れん。
 悪魔は年を取るのが早いぞ。一年で三つ年を取る。
 天使の仕事は大変だが 上手くやるごとにランクが上がる。
 将也は学生だから仕事は勉強に値するな。
 まぁ。最高点は四天王になれるんじゃ。なれれば色々良い事が有るぞ。
 んー…。流石に高校じゃ無理かも知れないが…。
 否…。そういえば一人高校生の四天王がいたかな。
 まぁワシは悪魔。将也は天使。
 話は出来るが話しすぎてると良くないことが起きるんだ。
 まぁワシが天使に戻ったら別だが。
 次に戻るときは先生になっとるかな。
 まぁ…。悪魔にはなるなよ。それだけは言っとく。
 そうじゃ。ワシが天使になるのは天王様が皆に伝えると思う。
 まぁ。天界世に居るんじゃがの。
 それだけだ。じゃぁ気をつけるんだぞ。」

そう…。親父はエリート悪魔だ。

そして親父は俺に向けて親指をグッと立てた。

俺は親父の後ろに居る何かが見えた!

「そうそう言い忘れとった。
 天界世ではしごとばっかだが休みもちゃんとある。
 まだお前は学生だから学校生活もあるだろう。
 それに友達も恋人もいずれは出来る。頑張れよ!」

「学校生活ぅ!!また高校の続きかよっ!って恋人っ!?
 ぜッ…絶対作らねぇぞ!!恋人なんてそんなモン冗談じゃねぇ!」

ビュワァァァァァァァァン!!

「頑張れよ。将也。」


第二章 『新たな天使。』




此処は天界…なのか?大きいな。

白くて眩しすぎる安らかな場所だな。
此処が天界なのか…。よく分からないが良いところだな…とは思える。
親父は此処に居たのか…。ていうかあの親父…。
最後に御前には恋人が出来るみたいな事言ってたよな…。
馬鹿かよ…。悪魔親父…。フザケンジャねぇ…っつぅんだ。
と、其処にいきなり美しく清楚な美人が俺の前に現れた。

「あなたですか?天使になるのを決心したのは。」

あぁ…。そうだけど…この美人は…。
俺は初めは誰だか分からなはかったが
この姿にこの美しさは天皇様だと心の中で確信した。
俺はしばらく見入ってしまった。

「美しいだなんてどうも有難う御座います。
 それで…。お名前は何と申すのでしょうか?」

え…?俺は何にも喋ってないけど…。
この人…何で今…。俺の想った事が…。
あっ。そういや質問されてたんだった。答えねぇと…。

「あ…俺。[出 将也(いずる しょうや)]です。
 あの…。いきなりで失礼なんですが…貴女は天王様ですよね…?」

すると、その女性は美しい笑顔でニコっと微笑み

「えぇ。その通りですよ。では ついて来てください。」

やっぱりこの人が天皇様だ…。恋愛か…。なるほど…。こういうこと…。
って…俺は何天王様に惚れてんだ!無謀なのに…。
でも大人の色気を出してるな…。って!!もうやめろ自分…。
と、俺は天王様についていった。



「クスクス…。あなた。10000人の前で自己紹介ができますか?」

な…。何が可笑しかったんだよ…。一体…。
って!!10000人もっ!!高校生は何人居るんだろうか…。
俺は驚いてつい後ろに退いてしまった。
すると天皇様は俺の心を目で見つめて

「えぇっと。あなたは学生ですね。はい。
 学生は1228人いるんですよ。
 そして高校生は287名いますよ。あなたを入れてですよ。」

この人…もしかして俺の心を読んでいるんじゃ…。
さっきから…。ずっと勘付いていたが。
じゃぁちょっと試してみるか…。
自己紹介は出来なさそうです。恥ずかしくて…。

「私がやりましょう。」


…やはりそうだったのか…。さすがだな超上級レベルの魔法だ。


すると俺は放送室へ連れて行かれた。

ここでは、
このビデオセットの再生ボタンを押して
このビデオカメラに向かって、録画が出来、臨時放送になる。

どのテレビをつけていても、ついていなくても
必ずこの放送に変わるらしい。
見てない人は、天王様の力で分かるとか言う。
そしてそのあと四天王から天誅喰らうとか…。怖いよな…。

天皇様が再生ボタンを押した。

「皆の者!今から新入天使の紹介をする。」

と、言って俺にカメラを向けた。
つぅか皆見てるのかよ…。恥ずかしいっ!

「えっと…。高2の出 将也です…。よろしくお願いします。。」

俺は恥ずかしくなって物凄く赤面になった。
ていうか俺が自己紹介してるし…。

あの…。天王様…。早くカメラどけて下さいよ。
以外に…天王様。性格変わってたような…。


「では。これで紹介を終了する。 
この者は{AD153室}に住ませる。それでは以上だ。」



案内しよう…。AD153室に…。

俺は天王様について行った。



30分ほどすると漸く辿り着いた。

いつの間にか天皇様は消えていた。
そして、部屋のドアをノックした。
そして、ドアを開けて入った。

バタァー。

「おぅ!来た来た!新人天使さん!宜しくね。
 まぁ、分からん事あったらドンドン聞いてや。あたし高3だっ!
 あんたよりは一つ上みたいね…。この部屋では一番年上で室長やってる
 『花坂 映(はなさか うつる)』っていうんだ。」

俺はいきなりのおで向かいに少し驚き感激した。
よく見れば三人居て、二人は女だ。
そしてこの人がこの部屋の室長か何か意外性があるのか?

「おぉっ!やっと!男が来たぞっ!宜しく。俺も高2なんだぜ
 俺『井上 雀(いのうえ すずめ)』っていうんだ!よろしくな!」

っと、活発な男が飛び出して来た。髪が肩まであって結構かっこいいなぁ。
どうやらこの人は同じ高校生らしい。少し安心した。仲良くなれそうだな。

「こいつ…。さっきのテレビ見てずっとこんなこと言ってんだよ。」


色んな人がいるんだな…。楽そうだな…。確かに。
ん…。あのモソモソしてる可愛い女の子は…かっ!可愛くなんかねぇけどっ!

『あ…あた…あたしはっ…。あのぉ…。
 中2の『御坂 千夏(みさか ちなつ)』って…い…言います。」


何か…可愛らしい声だな…。年下か…。馴染み難そうだな。

「まぁ。こんなメンバーだけどさ。宜しく頼むよ。」

俺の天使生活が始まった。




第三章 『真夜中の案内。』




そういえば俺…。高校行かなきゃいけないのか…。
まだ真夜中だな…。眠れないな。
俺は、部屋に四つ有るベッドの一つを貸してもらった。
二階建てべッドで、井上の上で寝てる。
緊張していたためか明日の事ばかり考えて全然眠れない。
しかし、一番驚いたのが女と同じ部屋で寝るということだ。
一緒の部屋で過ごすというのが、まずおかしい。
一体何を考えているんだ…。俺は女なんかどうでも良いんだよ。
ただ楽な生活をしたいだけで、女なんか必要ないんだ。
こんなことを考えていたら更に寝付けなくなった。
そして、同じ事を繰り返したりしてもうすぐ夜が明ける。
俺はベッドから起き上がって窓を開けに行った。
風がビュワビュワ吹いてる。辺りはまだ暗い。
涼しいなぁ。普段はクーラーかかってたけど夜はかかってないのか。

「…あっ…暑いんですか…?出…さんっ。」

俺が振り向いたら、二階建てベッドの下で
御坂が起き上がっていて、小声で話し掛けてきた。
起きてたのか。吃驚した。
暑いといやぁ暑いけど
本当は寝付けなくて暇だからだけど。

「ま…。まぁ。夜中は冷魔術は使えないですから…
 皆寝てしまっていて使えないんですよ。
 でも、朝になるとすぐ涼しくなると想います…。6時くらいから…。」

冷魔術…。なるほど、それをする奴にとっては
これが仕事の人もいるのか。色んな人がいるんだな。
つぅか御坂って寝起きでもさっきと全然変わらないな。
もしかして寝てなかったのか…。
俺は別に涼しいのが好きなんじゃないけど暑いよりはマシだな。

「あ…あのっ…。私でよければ散歩し…しましょう…。
 ここの事を色々案内さ…せて下さい…。
 嫌なっ…嫌なら全然断わっても構いませんっ!」

えぇ…。いきなり大胆発言だな。真夜中だぞ。
散歩ってまぁ天界案内だけど。
でも御坂が俺の為にやってくれんだったら素直に受け入れねぇと…。
何言ってんだ。俺が、起こしてしまったんだ。
迷惑かけれないし…一人にでも嫌われたら困るし。
ちゃんと、まだ寝ていてもらおう。そして俺も寝るか。

「あっ…。嫌ですか…。わ…分かりました。
 すっすいません…。無理言って。それではおやすみなさい―」

「あっ!いや…。全然大丈夫だって!マジでっ!」


流れに乗って言ってしまったものの
五分も経ったのに、まだ御坂は
案内してあげるといってたくせに
何も喋らない。そういや夜中にこんなことして良いのか。
少し訊いてみるか。否、そういやさっき部屋にあるボタンを押していたな。
あれかな二つ押してたみたいだけど…俺と御坂の分か?

んん…。あれからまた10分経ったがまだ何も喋らない。
一体御坂は何を考えてるんだ。こんなことなんだったら
寝てれば良いのに…。良くわかんねぇな。天使だからか?
いや…。それは流石に関係ないか、元は人間なんだし。
ていうか御坂…。俺より身長が大して変わらないじゃないか。
156cmくらいか…。俺がそうだから。つうか俺ってマジで小さい。
そういや天界での授業は何があるんだろ。
魔術の授業とかあるのか。何か楽しみでめんどくさいな。
やはり俺には体育が良いな。一番、楽でやりやすいから。


あれからまた30分経ったが未だに何も喋らない。
俺から喋りかけてみるか。何て言おうか。
適当に言ってみるか。

「あのさ。御坂って成績良いのか?」

御坂は下を向いたままずっと赤面状態だった。
質問して2分程経ってやっと気が付いたが
これは普通に考えてみると俺は無視されてらしい。
ウゼェ…。一体なんなんだこいつは…。

「もうすぐ朝だし…。そろそろ帰らないか…。」

「えっ?帰る?あっ…。もうこんな時間でしたか…。スイマセン。」

意外に即答だった。また無視されるかと想った。
すると、御坂は俺の服の裾を掴んで俺を引っ張るようにして走った。
つぅか広いな。天界は凄いな。


10分ほどしてやっと着いた。

バタン―

「よぉっ!御前らこんな時間まで何処言ってたんだよ。」

井上…。とんでもない事態になってしまった。
2004/08/28(Sat)11:01:22 公開 / 紅蓮
■この作品の著作権は紅蓮さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
どうも、紅蓮と申します。
初書き込みというド素人です。
この物語は天使の話なんですが
目標は四天王になって楽な生活を送る。
ということですかね…。よく分かりませんが。
まぁそんなもんですね。
中には戦争や恋愛等色々あります。
が、その為に楽である生活が
とんでもない事態を巻き起こす事になります。

それと、変な箇所が有りましたら
お気軽に御申し付けください。
頑張って改善しますので。
それではこれからよろしくお願いします。
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