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『都会のオオカミ〜オオカミとハブ〜』 作者:manami.S / 未分類 未分類
全角581.5文字
容量1163 bytes
原稿用紙約1.7枚
 二学期が始まって初めての昼食の時間。
私立常磐学園中等部は、購買部も食堂もある。生徒は、それぞれ購買部で買ったパンや、持ってきたお弁当を教室や屋上で食べたり、食堂に行ったりして食事を取っている。
皆が仲の良い友達同士で、食堂に行ったり教室の机を班の形にしたりしている中、沢村美枝は窓側の自分の席に座り、一人で母親が作ってくれたお弁当を食べていた。
夏のなごりが残っているなま暖かい風を受け、母親が一生懸命かわいく作ってくれている弁当を、一人で食べている。
美枝はオオカミだ。 ハブとは違う。
ハブは一人になりたくもないのに皆からハブられて一人になるが、オオカミは自分から望んで一人になる。
美枝はいろいろな理由があって、自分からオオカミになった。一人でいるのが辛い、と思った事はない。美枝にとって一人でいるというのは、楽な事だった。
母親はまさか美枝が一人で弁当を食べているとは思わないだろう。
その事だけが、美枝の心に引っかかった。
母親はいつも、美枝は皆を一緒に昼食を取っていると思っている。たまに美枝に、「今日のお弁当はどうだった?」なんて聞く事がある。そう聞かれると美枝は決まって、「おいしかったよ!ニンジンのグラッセ、みんなから人気高かったんだよ」などと、嘘を付いている。
オオカミでいる事は寂しくないが、母親に嘘を付く事だけは、胸が締め付けられる思いだった。
2004/08/27(Fri)15:25:03 公開 / manami.S
■この作品の著作権はmanami.Sさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初投稿です!よろしくおねがいします。
第一話、短いかもしれません(汗。
文章も、変な所があるかも・・。でも、初めてなので、多めに見てやってください☆(ォィ!!
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