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『パラレルワールド T〜V話』 作者:双狗  / 未分類 未分類
全角5942文字
容量11884 bytes
原稿用紙約21枚
 貴方は「もう一つの世界」と言うのを考えたことがありますか?
 私は実はあるんです。早く死んでしまった人はどこへ行くのか?それを考えていたら、「もう一つの世界」が思い浮かんだんです。だって、そんな世界なんて誰も確かめようがないですよね?だからあっても良いと思うんですよ。
 これは、そんな世界に迷い込んでしまった人の物語。
         



                       『パラレルワールド』




「おはよー」
 そんな一言から始まるいつもの日常。
 自転車に乗り駅へと行くおじさんが居たり、朝ご飯も取らずに駆けだして 行く学生もいれば、ワイワイとゆっくり歩く小学生が居る。
「おっはよ!圭吾!」
 俺はめいわ高校1年生の「平戸 圭吾」
 俺のことを呼ぶ女は「城山 茜」入学式で知り合った友達。
 引っ越してきたらしく、家が近いこともあってよく一緒に行く。
「お〜。茜か。おはよ」
「もー。相変わらず朝に弱いなぁ。夜更かししてるんじゃないのぉ?」
 頬をふくれさせてなじってくる。
「いや……。11時には寝てるハズなんだが…。夢遊病かねぇ?」
「あははは。そんなわけ無いじゃん! それより、もっと速く歩こ? 遅刻するよ?」
 そう言いながら手をひっぱってくる。
 実際眠いのは、世の中がつまらないからだ。と言うより刺激がない。
 ただ単に生きている毎日。刺激が欲しい…。
「なぁ。茜ぇ」
「ん? なぁに?」
 無邪気な笑いを見せて振り返る。


            『今日も平和だなぁ』 


「起立ー! 気をつけー! 礼!」
 いつもの礼、会話。本当に刺激も何もない世の中。
  
−−−−−−−−−−−−−

「昼休み」

 ザワザワ
「圭吾! 一緒に食べよ?」
 近くの席なので茜が片手に弁当、片手に水筒を持ってやってきた。
「あー。どうぞ」
「ほんとにやる気無いね〜」
 向かいの椅子をこちら側に向け、ストンと座り込む。
「気にすんな。いつものことだろう?」
 『いつものことだろう?』本当にいつものこと。下らない。
「日常って良いね〜。何事も平和が一番!」
 ガタッ
 急に椅子から立ち上がる。
「ど、どうしたの?急に」
「お前とは話し合わないみたい」
 弁当を片づけ入り口に向かう。
「どこ行くの?」
 茜も立ち上がり引き止める。
「帰る」
「ちょ、帰るって!」
 ダンッ
 教室の真ん中には茜1人。

−−−−−−−−−−−−−

  「帰路」

「ふぅ。……初めて学校抜け出したなぁ」
 教室を飛び出し、そのまま帰路についたのだ。
「さ…て。どうすっかね。おきまりの公園にでも行くか。」

「変わらないなぁ。この公園も。……幼稚園に来て以来か。」
 近くの自販機でコーラを買い、ベンチに座る。
 滑り台があり、ブランコに砂場。ここも何も変わらない。

 カワラナイ

「ふう。一息ついたな」

“来ない?”

「え? 何だ?」
 頭の中に響く声。これもおきまり…。
“こっちにおいでよ”

「こっち? どっちだ? あの世か?」

“おいでってば”

「どこにだよ…。まったく。刺激が欲しすぎて幻聴か」
 ベンチにうなだれる。
“来て。お願い。 『パラレルワールド』に”

「え? パラレ……」

 キィィィン……


 圭吾は消えていた。つけてきた茜と一緒に…。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 二話  「移世者」

 
 キイイイイイィィィィ……

「のわぁ!」

 ドサッ
「ったぁ〜〜。やろ…。座ったままその体勢でワープさせやがって……………はぃ?」
 ココハドコ?
 ジャングルのような所だった。草が生い茂って富士の樹海のようなのに明 るい。
 静かだ。鳥の鳴き声すらしない。
 なんですか? ワープ? 自分で言っといてなんだが…ワープ? 刺激が 欲しいって言い過ぎてバチでも当たったか?
「…あ〜。誰か話せる人でも探すか」
 この時点で 話せる人 と言っている辺り“どこか別の場所”ではなく、 “どこか別の世界”と分かっている。内心嬉しいのだ、刺激を目の当たり にして。
 じっとしてても始まらない、か。
「ここは一つ、迷ったときの棒頼みと行きますかね」
 ちょっとてか、かなり熟語違いな気もするがまぁ気にしない。
 コトン そこら辺の棒を取り、立てて手を離す。
「あっちか」
 木の向こう側の奥へと進む。普通の人間ならばここで、「来たことのない 場所にいきなりワープした」となれば、不安になり泣き叫んだりするだろ う。
「話せる人、話せる人、と……」
 クルッ 百八十度回転。そして、ダッシュ!!
 グアァ!!
 圭吾が草をかき分けた向こうから、何かが飛び出す。
「ヴァーーーーー」
 雪男を上半身顔にし、右手に斧、左手に槍。と言ったいかにも化け物。
 ヴアーじゃねぇよ。刺激にもほどがあるし。
「う〜ん。これがゲームならヒーローが助けてくれる物なんだが」
 のんきな物だ。普通は腰を抜かす。肝が据わってるんだかゆるいのか。
「ヴァーーーーー」
 願っても無駄。誰かが来て倒す、ましてや止まる気配なんてまるでない。
「だーもう! 俺が何したんだ!」
 森が切り開ける。森の中も十分明るかったのだがやはり外の方が明るく感 じる。
「チィ! 目が」
 オイオイ。来て早々食われるのかよ…。んん?
 ふと振り返ると怪物は止まっている。森に入らないように見張っているか のように。
「そこで何をしてる?」
 ふと後ろから声をかけられた。
「!!」
 反射的に逃げ出す。しかもものすごい速度で。あれほどの怪物に追いかけ られたのだ、当然だろう。
「逃がさんぞ!」
 カッ 辺り一面光に覆われる。
 う…動かない…。足を上げ、正に走る途中で止まっている。
「人の私有地に入っておいて、謝るならともかく逃げるとは何事だ!」
 逃げるってのフツウ。しかも何で動けないんだよ。
「ん? なぜ動かん?」
 お前が動けなくしたんだろう。
「これしきも逃れられないのか? 最近の若い者はたるんどるのう」
 さも当たり前かのように言う。
 逃れられない?逃げられるの?これ?俺はフツウの人だっつに。
「しかたないのぉ。このままわしの家に連れ帰っていろいろ質問してやろう」
 質問?俺がここの住人じゃないって分かったのか?
 まぁいいや。こっちもいろいろ聞き出してやれ。
 ってかこの動けないのどうにかしてくれよ。顔ぐらい見せろよ。


 何がどうなっているのか分からねぇ。誰か説明してくれよ………。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「謎の男の家」

 木で出来たいかにも木こりが住んでいそうな家。中心ではいろりにやかんがぶらさげられている。しばらくの沈黙の後、謎の男が口を開いた。
「さて。なぜあそこにいた? わしのゴライが外も中も見張っていたはずだが?」
 ゴイラとはさっきの怪物のことだろう。あれ飼われてたのか…。
 別の世界から来たこと隠した方が良いのかな?どう考えたって別世界だろ う。ここ。
「いや……。なぜって……」
 口ごもる。
「んん? どうやって入ったんだ? ゴイラをかいくぐって?」
 決めた。嘘をつこう。
「実は。大きな鳥にエサと間違えられてつれてかれて、途中であそこの森に落とされたんですよ」
 あんな怪物が居たんだ。人1人運べる怪物がいたって不思議じゃないだろ う。
「ほう! 大きな鳥ってぇと、この辺じゃぁバキノウじゃな?」
 あごひげを触りながら感心する。
 いるのかよ!
「この辺?」
 思わず疑問をそのまま口にしてしまった。
「何?」
「あ!」
 いろりの火に炭をくべていた男がスッと顔を上げる。
 しまった!
「この世の仕組みを知らないとは。まさか、お前……」
 何かお化けでも見るようなとぼけた顔をする。
「あ、いや……」
 フォローしようとするが言葉が浮かばない。かえって慌て方が疑問を抱か せたようだ。
「ふぅ……。本当にるとはなぁ。お前さん、『移世者』(イヨシャ)じゃな?」
 厄介ごとに巻き込まれたと言うようにため息をはきつつ、真剣な目をす  る。
「移世者?」
 ここの住人では無いと恐らくばれてしまったのだから、真っ向に質問をす る。
「やはりなぁ……。移世者を知らんとは…。お前さん……“生きてる”んだろう?」
 …え?生きてる?完全に目を見開き、何がなんだか分からなくなる。
 さっきの化け物といい、動けなくなったり。なんなんだ?
「生きてる…って? じゃああんたはどうなんだ!?」
「死んでるよ。ここはあの世だ」
「……………………え? あの…世?」
 

 “声”に連れられ来た場所があの世?生きている自分が?
 圭吾はふっとその場に倒れた。

「やれやれ。自分の来た場所も知らなかったのか。今回の“奴”は不親切だな…」
 そう言うと、ゆっくりと腰を上げ、圭吾を肩へ担ぐと寝室へと連れて行った。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 三話 「説明」



「う…ん」
 鳥がさえずり、雲一つ無い晴天の空から小さな窓に暖かい、むしろ暑いほどの日が入ってきている。
「あ…れ? ここは? …あ、そうだ。俺、声に誘われて……」
 上半身だけを起こし、寝ぼけた辛い顔を浮かべる。
「目覚めたな小僧?」
 見覚えのある顔の斧を背中に背負ったおじさんが階段から上がってきた。
 どうやら朝の仕事らしき物を終わらせてきたような感じだ。
「昨日はいろんな事がありすぎて頭がパンクしたんだろう。これからゆっくり説明する。気持ちが落ち着いて心の準備が出来たら、下に降りてこい」
 そう言うとおじさんは下へと降りていった。
「心の準備…か。それだけ辛いのかなぁ。……やっぱりここはあの世なんだ。僕は……死んでしまったんだ」
 顔を掛け布団にうずめ、すすり泣きを漏らす。
 ちくしょう、何がスリルだよ…。これくらいで泣くなんて…情けねぇ。
 下の階のおじさんの居る部屋にも、圭吾のすすり泣きは聞こえていた。
「泣くな、小僧。乗り切れ。…移世者はもっとこれから辛い目に遭う。過酷な試練がな…」
 コーヒーを飲みながら揺れ椅子に腰掛けながらいると、しばらくして圭吾 が降りてきた。
「心の準備は?」
 カップをゆっくりと下に置き圭吾の方を見ないで問いかける。
「出来ました。どんな話も最後まで聞きます」
 おじさんの向かいの椅子に座ると腹をくくったまなざしでおじさんを見つめる。
「そうか…。ならば、まず自己紹介から行こうか。俺の名前は端洞(ハシドウ) 武二(タケジ)だ。享年…26だったかな? 命年は1966年だ」
 26!!驚異的な数字だ。どっからどう見ても50は越えている。
「僕は平戸 圭吾……享年15歳です」
 うつむき、うなだれる。
「享年!? 何を言っておる? 移世者は「死者」ではないぞ?」
「ほ、本当ですか!! 僕は死んでいないんですね!?」
 目の前の机をバンッとたたき思わず興奮する。
「そうか。この世のシステムも何も知らないんだったな。説明しよう
 
 ――――――――
 
 武二さんが言うにはこうだ。
 新生界は死後の人が来るところであり、数百個の区に分かれており、一区一区に区長という人が住んでいて町長みたいな物だという。形は地球そのままで、死んだ場所でそのまま新生界に来てその区によって、区長の設定した形に動物は変化してしまうらしい。例えばこの区では、ゴイラはゴリラの死後、バキノウはワシの死後の形、なのだという。新生界でさらに死は存在しない。だからといって永遠に死者が増え続けるわけではない。区長が「コイツは居ても新生界に悪をもたらす」と判断した場合は『消滅の刑』になり、完全に消えるのだ。
 文明はこの世のような汚い世界を生み出さないよう、ゲームのような文明なのだ。すなわち、区長の設定は変えることが出来ず、悪く作りすぎた動物に対して対抗策は「銃」ではなく、「槍、剣」と言ったまさにゲームである。一つの区に異能者は数名いる。異能者と言っても「魔法」が使えるわけではない。ずば抜けた腕力を持っていたり、武器の扱いがすごい人がいたりして、そう言う異能者のことを“牙才”と呼ばれる。

 ――――――――

「理解したか?」
 いろりの炭をいじりつつ、聞いてくる。
「はい、まぁ…。それで…えっと、その…」
 説明自体はすごく長かったのだが、圭吾は「重要なところが抜けている」とでも言いたそうに言葉を詰まらせる。 
「あわてるな。移世者についてだろう?」
 事もなにげに答えてくる。心を見透かされたかのように。
「はい……。移世者は新生界の誰かに連れてこられる人物だと言うことは分かりました。…でも、何のために連れて来られたのかが分からなくて…」
 うつむき、消えるような声で話す。
「敬語はいらん。フツウにはなせ」
 膝に肘を立てて手を組みにこやかに笑う。揺り椅子から立ち上がり、小さな窓から外で働いている(畑仕事だろうか)ゴイラを見て、話を再開する。
「そこまで分かっていりゃあ上出来だ。ハッキリ言おう。移世者が何のために新生界に連れて来られるのかは、一切不明だ」
 え?不明?アンタ新生界の住人なんだろ?そのくらい知ってても良いじゃないか。
「今までに五千年の歴史を持つ新生界だが、これまでに移世者が来たとされる人数は五十人。つまり、百年に一度移世者が来るって訳だ」
 再び揺り椅子に腰掛け、コーヒーを一口飲むとまた説明を始めた。
「しかしながら50人もの移世者が来て元の世界に帰ったのにもかかわらず、戻り方や道中の記録が一切無いんだ。だから誰も知らないんだよ。移世者の意味や帰る方法なんてのもな」
 ……自分で探せと言う意味か。
「俺…………帰れるのか? 何の力もない俺が本当に帰れるのか?」
 不安そうにフッと顔を上げた敬語の頬には水の線が両側に二本書かれていた。
「お前さん次第だ。お前にやる気があるなら……力を与えよう。元の世界に戻れる力を」
 え!?力?それがあれば俺は元の世界に帰れるのか??頭で混乱しながらも、本能はとうに「はい」と答えていた。
「やる気は十分に。力を…くれ!!」
 テーブルにバンと手を載せて武二を見る眼差しは強い意志がこもっていた。
「いいだろう。表に出ろ。“覚醒”させてやる」
 武二がスクッと立ち上がり外の方を親指でグイと指した。
「頼むぜぇ…。俺は強くなる!」


  こうして圭吾の覚醒が決まり、元の世界に戻る方法を探す旅が始まる。
 え?ありきたりだって?気にしないでくださいよ。ここは何でもありのも う一つの世界『パラレルワールド』なんですから。
2004/08/23(Mon)00:54:21 公開 / 双狗 
■この作品の著作権は双狗 さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
今回は字が多い回となってしまいました。
とりあえずあの世の仕組みは分かっていただけたでしょうか?終わりそうなふいんきですがマダマダ続きます。感想よろしくお願いします。
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この作品の投稿者 及び 運営スタッフ用編集口
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