オリジナル小説 投稿掲示板『登竜門』へようこそ! ... 創作小説投稿/小説掲示板

 誤動作・不具合に気付いた際には管理板『バグ報告スレッド』へご一報お願い致します。

 システム拡張変更予定(感想書き込みできませんが、作品探したり読むのは早いかと)。
 全作品から原稿枚数順表示や、 評価(ポイント)合計順コメント数順ができます。
 利用者の方々に支えられて開設から10年、これまでで5400件以上の作品。作品の為にもシステムメンテ等して参ります。

 縦書きビューワがNoto Serif JP対応になりました(Androidスマホ対応)。是非「[縦] 」から読んでください。by 運営者:紅堂幹人(@MikitoKudow) Facebook

-20031231 -20040229 -20040430 -20040530 -20040731
-20040930 -20041130 -20050115 -20050315 -20050430
-20050615 -20050731 -20050915 -20051115 -20060120
-20060331 -20060430 -20060630 -20061231 -20070615
-20071031 -20080130 -20080730 -20081130 -20091031
-20100301 -20100831 -20110331 -20120331 -girls_compilation
-completed_01 -completed_02 -completed_03 -completed_04 -incomp_01
-incomp_02 -現行ログ
メニュー
お知らせ・概要など
必読【利用規約】
クッキー環境設定
RSS 1.0 feed
Atom 1.0 feed
リレー小説板β
雑談掲示板
討論・管理掲示板
サポートツール

『「ニカーッ!」』 作者:大國 心  / 未分類 未分類
全角1417文字
容量2834 bytes
原稿用紙約5.45枚


AM 3:24



・・・・



「ドッカーンッ!!」

 突然、轟音が響き渡った。私の家の窓ガラスは震え、天井までその衝撃の振動が伝わってきた。思わず、失禁し、乳首が勃ってしまったほどだ。 私は即座にこう思った。
 
 「山の噴火か?近くに隕石が落ちたか?まさか、テロか!?」 と、一人震えていた。
 
 2、3分後・・・

 「ウゥ〜〜ピーポー!ピーポー!!!」・・・

 ・・・という、不気味なサイレンが明け方、鳴り始めた。そうです、消防車のサイレンです!しかも、そのサイレンは次第に大きくなり、あきらかに近場にきている事が確認できた。
 
 私の不安と恐怖は頂点に達し、気が付くと、すでに二度目の「失禁」をしていた。ハッと我に返り、アテント(老人用オムツ)に履き替えた頃には、サイレンの音は、止んでいた。不安と恐怖に怯えながらも、私は「こたつ」でうたた寝をした。
 
 そして昼・・・起床してボーっとテレビでニュースを見てると・・・思わず我が目を疑った。
 画面に映っているのは、私の幼馴染の親友「ミツヒデ」が高校時代に毎日通い、今でも帰省したら必ず行くという思い出の「ラーメン屋」の変わり果てた姿だった。全焼していた。原因はガス漏れによる爆発とのことだ。さいわい、営業時間外だということもあり、爆発による負傷者はいなかったが、その爆発の衝撃で近隣の民家の窓ガラスが4〜5枚ほど割れたそうだ。
 
 そう、その前夜の轟音はラーメン屋が爆発した音だったのだ!!そこから私の家までは、約2キロくらい離れている。あの爆音、衝撃、改めてガス事故の怖さを思い知らされた。
 
 ニュースを見終わると、私は即刻、ミツヒデの携帯にメールでその事を知らせた。ミツヒデは信じようとしなかった。そして、ミツヒデも他の友達に問い合わせてみたところ、事実だということを確認し、悲しみに暮れた。
 
 高校時代、ミツヒデが部活帰りに通っていた思い出のラーメン屋・・・私もミツヒデに連れられて足を運んだことがあった。

 「マズイ!」それが私が食べた時の第一印象だった。私は普段から、都内の行列ができるラーメン屋を食べつけているため、なんとも中途半端な味に一口食べて残してしまったが、対面に座ってるミツヒデが何とも美味しそうに食べているのを見ると、それだけで、満足だった。

 ミツヒデは、この店にもう一つ愛着がある。それは、この店を経営しているのが ミツヒデの弟の同級生の両親だったということだ。あちら側もミツヒデの事を、子供の友達のお兄さんだということを、知ってるので、ミツヒデが来店すると、

 



「ニカーッ!」





と、笑顔で歓迎していた。

 ミツヒデは言っていた。「日本一のラーメン屋」だと。 
 
 
 そのラーメン屋はもう、無い。
 
 
 店主のあの「笑顔」も二度と見ることはできないだろう。

 
 ミツヒデは願う、あの思い出のラーメン屋の再興を! 
 
 ミツヒデの悲しみは私の悲しみであり、ミツヒデの喜びは私の喜びなのである。
 
 いつか、いつの日かわからないが、再興した時には、また、ミツヒデと共に足を運びたい。あの不味いラーメンを食べたい。そして、チラっと対面を見る。そこには、美味そうにラーメンを食す、ミツヒデの姿、その向こうに厨房から私達を暖かい目で見守る、経営者夫婦の姿。
 
 

 その光景を見るだけで、私は幸せに思うだろう。 





2004/08/21(Sat)23:23:50 公開 / 大國 心 
■この作品の著作権は大國 心 さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
甘くせつない、そして、ほろ苦い、青春時代のお話です。
この作品に対する感想 - 昇順
感想記事の投稿は現在ありません。
名前 E-Mail 文章感想 簡易感想
簡易感想をラジオボタンで選択した場合、コメント欄の本文は無視され、選んだ定型文(0pt)が投稿されます。

この作品の投稿者 及び 運営スタッフ用編集口
スタッフ用:
投稿者用: 編集 削除