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創作小説 投稿掲示板『登竜門』 『Daybreak （読みきり』
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- 『Daybreak （読みきり』 作者：ねこふみ / 未分類 未分類
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全角2459文字
容量4918 bytes
原稿用紙約7.4枚
少し雪がちらついている。寒く、吐いた息はすぐ白くなり、空に浮かぶ雲へとなっていった。
「フゥー、フゥー」
手袋をしている手に息を吹きかける。しかしやっぱり寒い。今日は多分もうこないだろうと思ったが、やはり私は待つことにした。
こんなに私が待ち続ける理由を作ったのは数日前のことだ。その日は冬だというのに春のように暖かいという、温暖化による異常気象だった。その日私は町に昼間から繰り出していた。っていってもこれでもれっきとした高校生だ。
それに繰り出すといっても今日は休日、女友達を連れてみんなでカラオケやゲーセンに行くだけだった。それでも久々に晴れたので思う存分遊んでやろうって私は思ったのだ。
「次あたしぃー！Day After Dayの『Daybreak』いくね！」
私は自分の十八番とも言える曲を熱唱し始めた。出だしはmp記号（メゾ・ピアノ)によりやや弱く歌う。
「綺麗な月 一人で会うことが切なくて」
そして徐々に強く、はっきりとしいっきに声は高くなっていく。そして私の一番好きな詩の部分に達する。
「一つの希望が 闇を照らし始める きっと会える君に At Before Daybreak きっと会えるんだって信じて」
そう、きっと会える君に……。私はこの曲を十八番にしたのだ。それの理由は数年前。私に好きだと言い残し、引っ越してしまった中学三年の時、隣のクラスにいた彼だった。その彼は突然に私の元にやってきた。
「俺、ずっと君のその素敵な笑顔大好きだった！」
そういうと彼はどこか遠く地へ旅立ってしまった。私は生まれてはじめての告白にキョトンとし、それに一驚した。一瞬の出来事で？ばっかりが頭を回っていたが、私はその時決めたのだ。
「よし！じゃぁーいつか会えるだろう！待ってやるとしますかぁ！」
あほだろう？そう思うだろう？友達にはこのこと内緒にして、そして彼の住所も電話番号も知らない。それに今まで交流すらなかった。なのに彼は私を見てくれた。だからなんかそーゆーとこが私はその日考えてたら、いつのまにか彼のことばっかり思っていたのだ。
だから私は高校三年になった今も誰とも付き合っていない。もちろん彼が帰ってくるわけがなく、そして彼が彼女を作っていない保証なんてなかった。
それでもなんでか私は何度も来た告白を振り続けた。
「なんで！？ 俺マジかっこいいじゃん！キャーキャー言う女ばっかりだぜ？」
「あほくさ」
私は、はっきり言ってモテモテだった。なぜ中学では？といえば、中学の時、私はというより周りの男子はそんなの興味なかったのだろう。ついにでに見る限り低レベルなのだ。それがどうだろうか？高校にもなればいっきに人気はうなぎのぼり、しかも断り続けたために今の私の異名は『純粋美女』。自分で言うと恥ずかしいが、まぁーそうなのだからしょうがないではないか？
「なぁーマジ、付き合おうぜ！」
そしてこいつは野球部のキャプテンで私が一番嫌いになった男だった。だから今もヤツを思い出した。
野球部でモテモテ、しかも何人もの女の子が彼にたかりそして、彼はその女の子すべてに手をつけたという……悪名高きヤツである。
そんなヤツがついに私に告白しに来た。そしていきなり私の腕を取り、肩をつかみ今にもキスしようとした。
――空手五段なめるな
私は両足の親指の間に存在する男の急所を思いっきり蹴り上げた。それから数分、彼の行動は見るに耐えないものだった。それでも彼はしつこく私につきまとった。
「お前処女なんだろう！俺がなくさせてやるぜ！男しらねぇーからそーゆー態度なんだろう？処女め！だっせぇー」
「おまえ、ガキ以下だな」
私はそいうと回し蹴りをくらわし、ノックアウトさせた。私の処女はむしろ彼のためにあってこいつにささげるつもりはないのだ。まぁー彼に会うことは99％ないだろうが……。
そんなわけで私はモテモテだった。そんな休日、熱唱している私の携帯に謎の番号がかかってきた。そして電話を出て驚いた。
「俺？わかる？」
「……うそ」
聞き覚えありのその声は紛れもなく彼だった。ありえない話ではないか？なんと彼は友達からなんとかして私の番号を見つけたという。そしてようやく私は数年ぶりに彼に会うことができるのだった。でもなんで私が彼だとすぐわかったかだって？それは愛の奇跡だろう。そう思えばすべて頷けるでしょう？
「待つこと15分。遅い」
そして今に至るわけ。つまりは私は彼を待っている。もちろんファーストキスぐらいしてやろうか？っと思っている。
「ね〜君？もしかして……」
聞き覚えアリ！彼だ。私は振り向いた。そして愕然とする。彼……ではある。確かにあの頃の面影はある……それでも。
「おひさ！って、わかる？俺――」
私は引いた。彼の耳を見て……耳になんとピアスがしてあるのだ。なぜに？私は戸惑った。そして――
「次あたしぃー！Day After Dayの『Daybreak』いくね！」
私はカラオケにやってきたのだ。もちろん女友達と。悪いけど私は不良が嫌い。だから私は彼にそう言った。つまりピアスも茶髪もそーゆーたぐいは絶対嫌なのだ。武道において私はその辺はしっかりしている。もちろん日常すべてしっかりしているつもりだけど。とにかく私は彼に言った、けど彼はそれそれを聞くとあやまってきた。
私の恋もこれで終わり。大学からは、いい事あるでしょう？そう思うが、私はあの時の彼以外愛することをしないだろう。私はの良き理解者は私であるがゆえにそういえるのだ。
だから即別れ、しぶしぶ帰る彼にこう言った。
「ピアス穴なくなったらいつでも会おうね！」
彼は言った。
「俺！イギリスに留学するんだ！帰るのはまだ先になるけど、帰ったらすぐ君を探す！真面目になって帰ってくるよ！」
力強くそう言った。ならば待つしかないだろう？だから私は待っているのだ。寒くてもずっと彼を信じて。
あほだと思う？それでも良いのだ。
すばらしき恋よ、すばらしき人生よ。きっと会えると私は信じているのだから！
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2004/06/02(Wed)22:57:38 公開 / ねこふみ
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■作者からのメッセージ
Daybreak、暁って意味です。どうも！ねこふみです。
暁とは夜が明けようとする時、やや明るくなるとか意味を持っています。
つまりは、あけないわけではない夜を少しのヒカリがさしている。あけそうであけない夜、彼女はいまだ闇の中、それでいて確実にヒカリを見つけている。そんな感じを伝えられたらなぁ〜って思い、いっきに作ってみました。
感想、指摘もらえるとうれしいです♪でわでわ
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