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『Jewelry's adventure 1話〜2話』 作者:いってつ / 未分類 未分類
全角13454文字
容量26908 bytes
原稿用紙約45.45枚
   
    〜1話〜

 ある時この世界に1人の少年が眩い光と共に現れた。
少年は、突然この世界に現れて、何がなんだかわからない状態だった。
「なんだ、この世界は!?さっきまで俺は、街を散歩していたはず。
 おかしすぎる。さっきまであった街は、いったいどうなったんだ!?」
少年は、思わず大声で叫んでしまった。
突如背後に大勢の人の気配を感じた。
少年は、近くの岩陰に飛び込み、隠れた。
その少し後に大きな目玉の焼印が入った覆面をかぶった、集団が少年の居る岩陰を通っている。
「なんだ、こっちから声が聞こえたがなんなんだ。」
集団がわめいている。
(なんなんだいきなり現れた世界といい、ざっと200人はいるあの覆面といい、変だよ。)
「こっちか?」
すると、集団の中の一人がこちらに近づいてくる。
(やばい見つかったのか。)
少年が考えているうちにそいつが近づいてくる。
瞬間上空に何かの影通った。
「リスターだ〜!!リスターが来たぞ〜!!」
少年に近づいてきた奴が叫んでいた。
その時、集団の中に黒く大きな影が飛び込んだ。
(あれは犬か?熊か?なんなんだ)
集団がだんだん数えるほどになった。
そのうち、集団はなくなった。
驚いたことに、集団の中に覆面と、布だけが落ちていた。
中身は食べたのか?少年にはそれしか考えられなかった。
すると、『リスター』がこちらを向き、そのうちどこかへ消えてしまった。
少年は岩陰から出てきてあたりを見渡した。
あたり一面うっそうと茂った森だった。
木漏れ日と、葉のすれるざわざわという音が不気味に聞こえた。
ふと後ろを向くと、濃い霧に満たされた島があった。その中に、不気味な白い影がうずめいてる。
少年は空腹だった。腹と背中がくっ付きそうな位、空腹だった。
へこむ腹を押さえながら食べれそうなものを探していた。
すると目の前に深い青色の色を付けたスモモがあった。
少年は、まっすぐにスモモの木に飛び込みスモモを貪り始めた。
すると、少年の胃の中で、燃えるような物を感じた。
(毒だ!)
少年はすぐに口に入っていたスモモ吐き出した。
だが間に合わなかった。
少年はその場でばたりと倒れて、動かなくなってしまった。
(訳のわからないところで、俺は死ぬのか?)
その時、何者かが、少年の目の前にいた。


(誰かが覗いてる、誰だいったい。)
少年は目を覚ました。
「生きている...生きてる!!」
「生きて当たり前よ。」
少年はびっくりして声のしたほうを向いた。
そこには髪を後ろでくくっている、茶髪の髪の少女が立っていた。
いかにも野育ちという格好している。
「あなたは馬鹿よ。毒スモモなんかを食べて。よっぽど空腹だったのか、自殺願望だったのか。
 とにかく私がいなかったら死んでたわよ。そこのあんた。」
少女が厳しく言い放った。
「君名前は何?」
「私?私は、ミオン。あなたこそ誰よ?」
「俺...いや、僕の名前は、ディンだ。」
「そう、であんたは、何しにここへ来たの?」
ミオンがそういった。
「知らないよ、変な光と一緒にここに、来たんだよ。
ミオンが驚いた顔でこっちを見ている。
「あなたここの世界の住民じゃないのね!?」
「当たり前だ。突然目の前が白い光に満たされて、きずいたら、こっちに来たんだよ。」
ディンがいらいらと言った。
「光?王の光のことかしら。だとしたら、あなたがこの世界を救ってくれるのかしら?」
ディンは意味が理解できずにいた。それを悟ったのか、ミオンこう言った。
「いい?この世界の歴史を話してあげる。この世界はね、真ん中に、王の島という広大な大陸があるの
 それでその周りに、六つの小島があるの。
それ以外に王の島の反対側にある闇の入り江と呼ばれている大陸があるの 
 それぞれの小島には、王の宝石とその宝石を守る、ガーディアンと神殿があるの。
 ダイヤモンド、エメラルド、サファイヤ、ガーネット、オパール、ルビー、
 六種類の王の宝石があるのそれぞれが、王の大陸を守っていて、それのおかげで平和だった。
 だけど闇の入り江から、謎の軍隊、『エートラル』が来たの。
 その軍隊は、王の大陸を乗っ取り島の宝石を、見事に奪った。
 ガーディアンは、力を失い、島もエートラルに乗っ取られた。
 だけど言い伝えで、『この大陸が絶望にさらされたとき王の光と共に救世主があらわれるだろう』
 それがあなたなのよ。」
ディンは、あっけに取られた。
「ということは、さっき見た、変な覆面を被った集団はエートラルなのか。」
「多分そうよ。でも奴らはどうなったの。
「なんか、大きな犬のような熊のようなやつが集団を倒した。そうそう、名前は、リスターかなんか言ってたような。」
「リスター?聞いたことがないわ。」
「とりあえず俺...ボクは、行く。ありがとう看病してくれて。」
ディンは立ち上がり、去ろうとした。するとミオンがこう叫んだ。
「どこへ行くの!ここの地理も知らないくせに、迷っても知らないわよ。強情もの!」
ディンは無視した。  
 森の中を歩いていくと、チラッと黒い鎧が見えたような気がした。
だがもう1度見ても、何もなかった。
するとディンがきずいた。道が誰かに作られている。   
「いいぞ。このまま行くと街があるかもしれない。行ってみよう。」
ディン走った、走って走って、走りまくった。でも何も見えない。
おかしいと思い横を見ると、川が流れている。
その先に橋が見えその橋の下に、ひとつの小屋が見えた。ディンは急いでそっちに向かった。
小屋の煙突には、煙が上がり、中に老父いた。
中に入ろうとすると、戸が勝手に開き、ディンは、なかに吸い込まれた。
戸は、独りでに閉じ、吸い付きも治まった。老父は寝ている。
「誰だね君は。」
しわがれ声が突然聞こえた。老父は片目だけを開けている。
「冗談だよ、ディン。それがお主の名だろう。何?わしは誰だって、わしは、え〜と...なんだっけかな〜。」
ディンは、驚いた。この老父は、心が読めるのだ。
「わしは、名は忘れた。老師とでも言っとけ。あと、わしは、魔導士じゃ。これでも、若いころは強かったんだぞ〜。」
魔導士?この人可笑しいのか?
「わしは、可笑しくないぞ。む!それにおぬし救世主だな。何故わかった?知ってるじゃろう心だよ。
 救世主なら、わしの元で修行するかいのう?どうじゃ、ん?ためになるぞ〜。」
「本当に僕が救世主なのか?」
「当たり前じゃ。ならここにおらんだろう。」
ディンは悩んだ。考えに考えた末にこう答えた。
「他にふらつく当てもないし、どうぞよろしくお願いします。」


 それから数年後...ディンは16歳になっていた。
老師は、ぴんぴんしていて、この人には結末があるのだろうか、と思えたぐらいだった。
修行は厳しかったが、ディンは、少しだけ魔法と剣が使えるようになった。
「どうじゃ剣も使える魔導士は、立派じゃろう。もはやおぬしは、魔導士じゃ。」
ディンは驚いた。いつの間にかこの人に魔導士にされていたのだった。
「老師いつの間に魔導士にしてたんです?」
老父はわからないと答えた。
「そろそろおぬしも、救世主の役割を果たさないといけないのう。まだ機は熟してないが準備はせねば。
 おぬしは、食料調達にでも行っといで。」
ディンは、かごを持ち、外に出た。
すこし行くと、老師が作ったスモモ農園があった。毒スモモではない。
スモモを一定の量にかごへ入れると、小屋に戻ろうとしたその時、
「あら魔導士になっていたのね、ディン。」
振り向くと、そこには、ミオンが立っていた、小柄だが、体はがっちりとしていた。
「ミオン久しぶりだな〜。どこに居たんだ。」
「何処に居た?私にも帰る場所があるわよ。それより救世主のお仕事はどうなったの。」
「老師の下で修行をしている。老師は、もうそろそろ、旅に出ろといっていた。」
「老師って、橋の下にある小屋に住んでいる老人のこと?それ、私のおじいちゃんよ。」
おじいちゃん!?老師がミオンのおじいちゃん!?
「何驚いてるのよ。私にもおじいちゃん入るわよ失礼ね。」
「とりあえず、小屋に戻ろう。」
ディンが歩いて向かった。ミオンもついてきた。
小屋にはいると、
「ミオン、やっぱり来たのじゃな。わしは、いつかおまえが、ディンの付き添いになることを信じていた。
小さいころに教えたじゃろう。」
ミオンが渋々うなずいた。
「そうだったのか?」 
ディンが驚きそうはなった。
「そうよ、あなた一人じゃ、不安でしょ。私もついていってあげるわよ。」
ミオンが強気で言った。
「これで決まりじゃな。ディンそしてミオンあとは誰がつくかはわからんが、これらがこの世界を救ってくれるかも知れん。
 ディンよこれを受け取れ。わしが若いころ使っていた、剣じゃ。
 軽く切れ味もよいおぬしでも使いこなせるじゃろう。あとこれを魔導士のペンダントじゃ。
 これを身に着けていると、必ずもやおぬしを守ってくれるじゃろう。さぁ旅立つのじゃ。未来を信じて。」
老師が剣とペンダントを渡した。ディンはそれを身につけた。
「老師ありがとう。この恩は忘れない。」
ディンが感謝を込めていった
「そお思うならがんばらんか若造。」
老師が言い返した。
「さぁ行くわよ、ディン!」
ミオンがそう言い小屋をあとにした。
「まずは、私の家へ、来て。それから出発するわよ。」
ミオンの家は巨大な大木のうろだった。この木は、どうも老師の小屋よりはるかにでかかった。
うろは、住めるように、作られていた。
ミオンは、腰に短剣と弓をつけ、背中に大量の矢を背負った。
「今度こそ行くわよ。この島の何処かにある宝石を求めて。」


 小屋を出てからもう何時間歩いたか。ディンは足が棒のようになっていた。
だが、ミオンは、軽々と歩いている。異常だと思えたぐらいだった。
つい1時間前にミオンと作戦会議をしていた。
「この島にはあるのは確実なの。この島、ピリカ島は、言い伝えでは、ルビーがあるらしいの。
 でも情報は、これだけ。ピリカ島の住民たちに、聞くしかないの残念だけど。」
といってから全然住民と会わないどころか、影すら見えない。
あるとしたら、うっそうと茂った森と、背後からさす風。ミオンが言うには、
ピリカ島のほとんどが森らしい。もっともだ、ディンはそう思った。
住民なんか、老師と、ミオンだけなんじゃないか。
そう思うとその時、目の前に、黒く大きな影が見えたエートラルに、襲われそうになった時に、出てきた、
謎の生物リスターだ。近くで見ると、熊ではなく犬に見えた。
突如リスターが喋りだした。
「何者だ貴様ら」
いかにもダークな声で話した
「僕は、ディン。隣の女性は、ミオン。僕たちは、この島の何処かにあるルビーを探している。」
リスターは眉をひそめた。
「宝石を知っている...貴様ら救世主か?そう言えばそこのディンとやら、さっきエートラルの近くに居たやつか。
 まさか貴様が、救世主とは、驚いた。昔にも王の光が放ったことがあったような。
 よかろう。うぬらを信じよう。」
そういうとリスターが突然、人間の姿に変わり始めた。
「貴様らがそういうのなら案内してやろう。」
リスターの本当の姿は、身長の高い大柄で黒髪、顔は、少し老けているように見えた。
「ここら真っ直ぐに行くと小さな村があるはずだ。そこの村に、壷屋があるはずだ。
 壷屋の奥に箪笥があるそれを押すと階段があるそこから下に行き常に真っ直ぐに行くのだぞ。
 必ずだ。」
 それからリスターと別れていた。言ったとうり小さな村があった。だがそこは、すでに、廃墟と化していた。
家は、燃え崩れている。
「エートラルにやられたのね。可哀想に。」
「そんなこと言ってる間に壷屋を探さなきゃ。」
探していると、壷屋の看板を見つけた。
中に入ると中は壷の破片がそこら中に散らばっている。
早く箪笥を見つけようとしていた。
だが外が異様に騒がしい。ミオンが窓から見ると、エートラルがまた来たのだ。
「早くして!エートラルが来たわよ。」
ミオンが最低限に声を小さくして叫んだ。
探していると大きくて怪しい、箪笥を見つけた。
「これだ!」
ディンは、つい大きな声を出してしまった。
「こっちに誰か居るな。声がした。」
エートラルが中に入ってきた。
「まぁ待てここに誰か居るのなら、火をつけて燃やせばいい。後はしらみつぶしに探せばいいんだ。」
エートラルの一人が部屋に火をつけだした。
ミオンが体中で言いたいことを伝えた。
(早く押して!)
ディンは箪笥を押した。箪笥は軽く、すぐに動いた。
「いたぞ!」
ミオンが何かもそもそしている
「捕まえろ!!」
するとエートラルが燃え出した。ミオンが、火の手を広げたのだ。
エートラルが燃えあとかたも残らず灰となった。
「ミオン早く来るんだ!」
ミオンは、こちらを振り向き、微笑んでいた。


「ミオン馬鹿なことをしないで、早く来るんだ!」
ディンが叫んだ。
「ディン...あなたは、救世主なの私は居ても居なくても同じ。」
ミオンの後ろに炎が上がった。
「私は、いいから早く言って。じゃないと、あなたも一緒に死...」
ミオンが倒れた。
「ミオーン!!」
ディンが、走りぬけ、ミオンを抱えた。そのまま階段に行こうとしたが、階段付近に、炎が上がった。
炎に囲まれた。
「もうだめだ。逃げれない。ここで死ぬんだ。」
その時魔導士のペンダントが輝きを放った。
気付くと地下道に居た。隣に階段がある。どうやらここは箪笥の下の地下道のようだ。
「もしかするとこれのおかげか?一体何なんだこれは。あっ、ミオンは。」
ミオンは...ディンの膝元に倒れていた。気を失っているようだ。
「ミオン、ミオン、起きて、ミオン。」
するとミオンが眼を覚ました。
「私なんてほっと居てもよかったのに。」
「そうはいかないよ。君には、借りがあるからね。さぁ行こう。」
地下道を、真っ直ぐに歩いていると再び階段が現れた。そこを登ると、崩れて古い遺跡見たいな建物が見えた。
「誰だ!」
ディン、ミオンが振り向いた。
黒い鎧を付けた騎士がこちらの向かってくる。胸あたりの鎧に赤い宝石がある...ルビーだ!
「我が名はウィフ何をしに来た。返答しだいで、貴様らを殺す。」
片手にチェーンメイル振り回している。
「僕たちは、お前の鎧についているルビーをもらいに来た。」
ディンが叫んだ。
「ならぬ!!この宝石のおかげで、我は、何人とも砕いてきた。昔にこれを拾い我は最強の武器を手に入れた。
 なおさらこれを、渡すわけにはいかぬ。力ずくでも、貴様らを砕く。」
ミオンが矢を射った首あたりを狙ったのだ。矢はずぶりと、狙いどうりの場所に刺さった。
やった!ディンがそう思った時ウィフがミオンをチェーンメイルで、吹き飛ばした。
ミオンは、上空を舞い地面にたたきつけた。
ディンが飛び掛ろうとしたが、ウィフに捕まってしまった。
「離せ!」
ディンは必死に叫んだ。
「小癪な我にこんな矢は利かぬ。死ね。」
ウィフがチェーンメイルをディンの首に巻きつけた。
ディンの目の前に花火が上がったようにパチパチしている。苦しい。
「ウィフ、そいつを放せ。」
何処からともなく声がした。
すると、何かが、ウィフの胸の辺りに飛び込んだ。
「な...に!?」
リスターだ。犬の姿になってウィフに飛び込んだのだ。
ウィフはぐずれ落ち。鎧だけが転がっている。
ディンは、チェーンメイルから開放された。
とたんにディンは咽た。
すると、目の前にルビーが転がっている。
ディンは、それをつかんだ。ディンは、眠りに落ちた。
「大丈夫か。」
リスターの声で目覚めた。
「ねぇリスター。ウィフってなんなの。」
ディンが質問した。
「ウィフは、もともとは死んでいた。ルビーの力で鎧だけになっているんだ。
 だから、ミオンの弓も利かなかった。それより早く、ルビーを神殿へ持っていけ。」
ディンが立ち上がった。
「でも神殿ってどれ?」
ディンが、質問した。
「あれだ。」
リスターが指差した方向に、崩れた遺跡があった。
ディンがそこへ、走った。後からミオンも来た
中には祭壇のような物があった。
そこにルビーを慎重に置いた。
ルビーに赤い光があがった。その直後リスターの様子がおかしくなった。ディンが悟った。
「リスター、君もしかして、ここのガーディアン?」
「よく覚えていないが、確かそうだったようなきがする。他のガーディアンも記憶を消されている。
 どうやらその宝石を元に戻すとその記憶が戻るようだ。うぬら二人じゃ、
 大変だろう。俺もついていこうか。武器という武器はある。」
リスターが腰からマグナムと短剣を出した。
「ただのマグナムじゃない。橋の下の小屋に住んでいる、老師に改造してもらって、弾がなくても打てるようになった。」
「おじいちゃんが!」
ミオンが叫んだ
「ミオンうぬのじいちゃんだったのか。しかし似ていないな」 
リスターが薄ら笑いを浮かべた。
「ところでリスター仲間になってくれるのかい。」
「うぬらがよければな。」
こうしてディン、ミオン、リスターの三人でこの旅、世界を救う旅を始めるのだった。
この旅は、まだ序章に過ぎない。 



     〜2話〜
  
 
 彼らは、美しい森を歩いている。昨日までは、木漏れ日が不気味に感じたが今となっては、葉と葉の間から、
なんとも綺麗な輝きを出している。葉と葉のすれる音も、壮大な音楽を聴いているようだ。 
ミオンも鼻歌を歌っている。リスターは無表情だが、どこか楽しげだ。
するとミオンが質問した。
「リスター、あんた、ガーディアンなのに、こんなとこにいても言いの?」
リスターが、答えた。
「老父に頼んでいる。あいつなら、信頼できる。」
今度は、ディンが、質問した。
「リスターは、何故あの姿になれるの?」
あの姿というのは、大きな犬の姿だ。
「俺はもともと、トゥオラ族と言うそれぞれの、動物になれる、種族だ。もともとはこの島に住んでいたのだが、
 俺が物心のつかないうちにエートラルに、殺された。だから、この島には、人はいない。お前らが行った、
 あの村は、前から廃墟だったんでね。そのことをエートラルはきずいていない。」
エートラルとは、王の島の反対側にある、闇の入り江と言う大陸の中にいる、謎の集団だ。
と言ってるうちに森を抜け海に出てきた。海は、エメラルドグリーンで透き通ってなんとも言えないぐらい綺麗だ。
だが魚は、一匹たりとも泳いでいない。
向こう側に、島が見える。だが向こう側の海は黒ずんでいる。重油が浮いているようだ。
しばらく、白い砂浜を歩いていたら、大きく長い橋が現れた。かなり丈夫そうだ。
「あの橋は、それぞれの島を結ぶ橋だ。この橋を渡れば、キトラ島に行ける。」
リスターがボソッと言った。
「だが、あの島には、死出の島と言われている。そう言われる様になったのは、ミスティが来たからだ。
 暗黒の魔術師ミスティ。そいつは、たびたび島の住民を奴隷にしている。
 もともとキトラ島は、六つの島の中で、最も人口が多い島だ。だが今では、その数も激減している。」
リスターが深刻な顔で言った。
「そんなこと言ってる間に、橋を渡りましょうよ。」
ミオンが割り込んできた。
それから、3人は黙って、橋を歩いている。 
ディンは、驚いた。橋の上に、白骨がいくつも転がっている。
その時リスターが小声で言った。
「誰かに付けられている。どんなに、近づかれても、振り向くな。」
だがミオンは、気づいていた。そいつは、自分たちが橋を渡りきるまで、じっと見ている。
「あいつら、私たちが、橋を渡りきるまで、待ってるわよ。」
ミオンが警告した。
「だけどここで止まる訳にはいかない。橋を1度渡りきろう。」
ディンが、言った。
3人が慎重に橋を渡っている。その時、バキッと言う音で、ミオンが、橋の底に引きずりこまれた。
「ミオン...!!」
ディンが叫んだ直後、リスターとディンが、橋の底に引きずりこまれた。
その後、何かに、足を引っ張られていることにきずいた。
そのまま、どす黒い海の中に引きづりこまれた。
3人は、そのまま意識を失った。



ディンは、眼が覚めた。周りを見ようとしても体が動かない。
「気がついたか、ディン。」
何処からともなくリスターの声が聞こえた。
「ディンも起きたの。」
ミオンの声も聞こえた。
「みんなも起きていたんだ。」
ディンが落ち着いて言った。
「ディン食料をとられている。奴等がすべて食い尽くした。」
リスターがそう言った。
「奴等?誰?」
ディンが質問した。
「奴等は、いわゆる、魚人。ミスティに反乱した、島の住民が、姿を変えられている。
 周りからは、呪われた種族と言われている。」
リスターが言っている、その間に、ミオンがもぞもぞしている。
「とりあえず、ここから出なきゃいけないようだ。でもなんなんだこれは。」
ディンが四苦八苦している。
「これは多分、気絶している間に、麻痺薬を飲まされたようね。
 でも大丈夫。」
ミオンが、寝ていた場所から、立ち上がった。まだ、麻痺薬の後遺症が残ってるようだ。
手足がギクシャクしている。
「ミオンどうやったんだ。」
ディンが驚いた。
「これを飲めばいいの。毒スモモの解毒剤。もしかしたら利くと思って飲んでみたの。
 あなたたちもこれ飲んで。早く!」
ディンが急いで飲んだ。胃に針が刺さったようにちくちくする。しばらく全体にちくちく感がはしった。
あまりにも痛かった。だが、体が動くようになった。
リスターもその直前に起きた。
「これは、頂いて行きましょう。」
ミオンが、瓶詰めになった麻痺薬を、入るだけ入れた。
「さぁ出ましょ。」
ミオンが先頭指揮ってでた。その時、ミオンが突然止まって下を見た。
「どうやら追い込まれたようだな。」
リスターが言い、ディンが見ると、目の前は、海。あの重油が浮いているような海が広がっていた。
向こう側に、ピリカ島が見える。その足元の、海に、いくつもの赤く光る眼がぎょろぎょろしている。
一本の鱗まみれの手がミオンの足をがしっとつかんだ。ミオンは、必死に手の主を蹴りまくっている。
リスターと、ディンがその腕をつかみ、引きずり出した。
体中を、紫色の鱗でびっしり覆い、手足に水かきを持ち、歯は、2本しかない、だがどちらも、
鋭い牙になっている。眼は赤くぎょろぎょろしている。必死に逃げようとしている。
「動くな!」
リスターが、マグナムを構えた。
するととっさに、ミオンが瓶詰めになった麻痺薬を、大量に魚人の口に入れた。
魚人は暴れながら飲まされた。しばらくすると、動かなくなった。
海の中から何人もの魚人がぞろぞろ出てきた。
「まてっもう何もしない。本当だ。」
魚人がみんな手を上げている。
「私は、この中の長ウェルだ。お前たちは、何をしに来たのだ。」
魚人の中の長の様な奴が聞いてきた。
「僕たちは、この島の何処かにある、宝石を探してるんだ。なにか心当たりはある?」
ディンが、キッパリ言った。
それを言った後、魚人たちがざわめきだし、一人の魚人を見つめている。
「あ、あの私知ってるかもしれない。その宝石。」
紫色の鱗が特に美しく煌いている。見たところ女性のようだ。
「本当に?本当なの?」
ミオンが言った。
「その宝石は、ミスティが持ってるわ。魔女の街という所にあるらしいと...」
魚人が途中で息を詰めた。どうやらその言葉を言うだけで恐ろしいようだ。
「ここでこうしている間にもミスティの力が強まっているかもしれない。早く行くぞ。」
リスターが割り込んできた。だが、ミオンもディンも同意だった。
その魚人が首を縦に振った。これからミスティを倒す戦いが始まる。そして麻痺薬を飲まされた魚人は、放ったままだ。



 道中で、その魚人の名前の名前を教えてもらった。名は、ベルという魚人らしい。
魚人の群れから離れて、丸一日歩きに歩いた。魚人の食べ物は、水と、海草のような植物を食べるらしい。
魚人から、食料を返してもらい、食料は、安定していた。それから、夜が明け再び歩き始めた。
「あ...あれよ。魔女の街、トト。あの街の周りには城壁のような壁で守られているから門から入らないといけないの。
でも門には、モノブロスというモンスターが見張っているの。でもね海からつながっている大河から中に入れば、
多分は入れると思うわよ。」
ベルが、深刻な表情で言った。だが、ミオンがベルを考えながら見ている。
「それじゃあ早く渡ろうよ。」
ディンが急かした。ベルが笑顔に戻った。
「じゃあ行きましょう。モノブロスに見つからないうちに。
 さぁ早く。」
ベルも急かした。魚人だから早く水に入らないと
いけないのかとディンが思った。
「もうその心配はなさそうね。」
ミオンがとっさに門の方向を指をさした。
その方向に一本角の剣角獣が鼻息を慌しげに鳴らしている。
何処から見ても図体が人間の3倍以上の大きさだ。角も人間の上半身ぐらいの大きさ太さだ。
「モノブロスだわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ベルが叫び、河の中へ逃げていった。
その叫び声に反応したのかモノブロスが突進してきた。
「逃げろっ!!」
リスターが叫び。門の方向へ走り出した。モノブロスは、方向転換し、こちらへ走り出した。
再び避けそのまま城壁にモノブロスが突進した。
その破片が、リスターの左腕に直撃した。
「私に、考えがあるわ。モノブロスを河のほうへ追い込んで!」
リスターとディンがうなずいた。モノブロスが城壁から顔をだしこっちに突進してくる。
ミオンが大河から一歩手前で仁王立ちになり両手に何かをつかんでいる。
リスターとディンが河のほうへ突進させた。モノブロスは、ミオンに突っ込もうとしている。
するとミオンがモノブロスの口の中に何かを入れ水の中に飛び込んだ。
モノブロスも河の中へ入った。その後ミオンが河の中から出てきた。しかしモノブロスは、
河の中で溺れている。そのまま低いうなり声と共に河の中に沈んでいった。
モノブロスを倒した。



 ディンがへなへなと崩れ落ちた。リスターが左腕を抑えながら溜息をついた。
ミオンは、息切れしていた。
「モノブロスに何を食べさせたの?」
ディンが言った。
「魚人の麻痺薬よ。あの時に少し失敬したでしょ。それを袋ごと口の中にぶん投げたのよ。」
ミオンが息切れしながら言った。すこしと言うか、
だいぶ盗ったんじゃないかとディンが思った。
「そんなことより早く行くぞ。」
リスターが言った。左腕からは、どくどくと血が流れている。
それから、街中に入った。中は、霧に包まれていて、崩れた建物がよりいっそう不気味に見えた。
進んで行く内に、巨大な塔聳え立っている。隣は、大河だ。入り口付近で、ベルが泣いている。
「ベル大丈夫?どうかしたの?」
ミオンが尋ねた。そのとたん、ベルの泣き声が微笑に変わった。
「ふふふふふふふふふ......。」
ベルがずっと笑っている。
「馬鹿ね、馬鹿ね。まんまと騙されるとは。まさかここまでとは。」
ベルがそう言うと。立ち上がりこちらを見た。
その顔は、凄まじく、恐ろしく、紫色の鱗が見る見る、人間の肌に変わってゆく。
「ベル何言ってるんだ。馬鹿なことは止せ。止すんだ。」
ディンが冷静に言った。ある一つの事を否定しつつ...。
すると笑い声も知らぬ間に威圧感が見られてきた。威圧感が高まるにつれ
体も変形してきた。見る見る背が高くなり、魚人の面影がなくなってきた。
「ベル...まさか貴様が...!?」
リスターが冷静に言ったそのさきには、背の高い赤いローブを纏った女性が立っていた。
短髪にした髪は黒色で、赤いローブを身に纏わせている。
その身長は、軽く見積もっても180cmはある。
「そうよ...そうよ私が黒魔導士ミスティよ。この姿に戻れるのは、十何年ぶりかしら。
 私が、あの種族を醜い姿に変えたときから私はあの中にとけこんだいかにも最初から居た様に。
 貴方達の馬鹿にも呆れてくるわ。あの時、門の前にモノブロスがいると言ったはずね。
 あれは、門の前にいるんじゃなくて『地中』に巣くっているのよ。
 だから、この城内には入れないはず。だからわざわざ大声を出してこっちに気をそらさせたのよ。
それから私が何故そこまで宝石のことを知っていたのかも気づかないとわね。」
ミスティが薄ら笑いを浮かべながらディンたちがおかしたミスを指摘している。
それを聞いたディンは、はっと思い出し悔やんだ。
「それにね、モノブロスは1匹だけじゃないわよ。全部で2匹。残ったのは、1匹よ。」
ミスティがそれを言った瞬間地鳴りがした。
隣に在った建物が地鳴りと共に崩れ落ちた。
「来る!」
リスターが警告したその瞬間ミオンの後ろにあった枯れ木が地面に吸込まれた。
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
ミスティの後ろ小さな建物が吹っ飛んだその時、地中からモノブロスが出てきた。
ミスティがモノブロスの背中に乗った。モノブロスが地中から飛び出した瞬間、
リスターがはじめてマグナムを撃った。弾はモノブロスの左目を貫いた。
だがリスターがその場に倒れた。
「リスターどうしたの?はっその腕は!?」
ミオンが指差したその先にはリスターの左腕から流れる
紅色の血がどくどくと流れ出ていた。
「俺のことはかまわん早く戦え!」
リスターが痛む左腕を抑えながら言った。ディンがモノブロスを見ようと、探した。
だがディンが気づいた。
「あれは、モノブロスじゃない、羽が生えてる。」
ディンが言った。
「ふふふふふふふふ...今頃気づいても遅いわよ。こいつはモノブロスの雌よ。
 モノブロス種は雌の方が雄より獰猛かつ破壊的な猛獣よ。
 さぁモノブロスよそこの3人を殺したまえ。」
ミスティが命令をした瞬間モノブロスが中に舞った。
空中から狙おうと右目だけでひたすら探している。
だが右目だけじゃ標的を狙いにくく地面に降り立った。
「ちっ小賢しいまねを。いいわ、モノブロスよリスターを狙いたまえ。」
ミスティがリスターを標的にしたその時、奇妙な槍がモノブロスの右目に飛んできた。
今度は、百ともある槍がモノブロスの腹に突き刺さった。
モノブロスがその場に倒れこみじたばたしている。その衝動で、
ミスティが弾き飛ばされた。
「なんだ貴様らは!?邪魔をするなぁ!!」
大河のほうからぞろぞろと紫色の集団やってきたが。
「ディンさん加勢しますよ。皆の者モノブロス突くのじゃ!!。
声の主は魚人の長ウェルだった。その後ろには、尖ったモリのようなものを手に手に持っている。
その集団が一気にモノブロスにかかった喉、頭、腹を突付きまくっている。
「くっ!この島は諦めた。貴様ら次にあったときはもっと醜い姿に変えてやるわ。」
ミスティがそう言い残すと煙のように消え去った。
魚人のほうから一声に歓声が上がった。
「大丈夫じゃ。その傷は治る。それまで辛抱しとくのじゃよ。
ウェルがリスターに言った。そう言われると、リスターは苦笑いをした。




「ところでウェル宝石は何処にあるの?」
ディンがウェルに問い詰めた。
「わからんのう。探してみるかいのう。」
そういうウェルの言葉で魚人、ディン、ミオンでトト中を探しに探した。
リスターはモノブロスを見張っていた。
捜索をしてから丸一日。朝日が昇り始めた。ミオンとほとんどの魚人が眠り果てている。すると、
「宝石を見つけたぞー!!!」
捜索していた魚人の1人が叫んでいる。
「またミスティじゃなきゃいいんだがな。」
リスターが苦笑の笑みを浮かべながら言った。
だがその魚人はミスティじゃないようだ。
宝石には色がなかった。しかし仲間で透き通っている。
「おかしいぞ今まで出てきてきた中で一番ピリカ島の時の宝石に似ている。でも何故?」
ディンが思い出しながら言った。
「いやおそらくこれだ。祭壇へ持っていこう。祭壇は何処だ。」
リスターが答えた。するとウェルが言った。
「祭壇は捜索したところあの塔じゃ。」
ウェルの指差した先はトトの街で最も高い建物だった。
ディンとウェルが塔に登った。
頂上へと続く螺旋階段を登っていくつれに透き通った石に色が見えてきた。
ついに頂上へと上り詰めた。
そしてディンが祭壇へと宝石を置いた。
その時、祭壇に置いた宝石が青く光り輝いたその青い光は朝もやの中に浮かぶ
黒い重油のような海に重油が取れたような感じになった。
その色は、ピリカ島の海より綺麗だった。 
その光は、トトの街中に広がった無残にかれた木はだんだん緑の葉を付け、花ができ実が育ち果実が実った。
ウェルやそのほかの魚人も変化しつつあった。
「ウェルもしかして君は...」
「そうじゃガーディアンじゃ。と言うか皆の者全員がガーディアンなのじゃ。
 その昔、ミスティがここを侵略する前はこのサファイヤをちゃんと守っていたのだぞ。」
それを言っているまにウェルの姿が凛々しくありつつあった。
だが驚いたことに二の腕には鰭があった。
その後島を降り皆と合流した。
「おぬしらはここからどうするのじゃ。泊まってくるなら歓迎するぞ。」
ウェルがディンに言った。
「そうだなぁ、みんなこの戦いに疲れたからお言葉に甘えてゆっくりさしていただくよ。
 忙しいな救世主って言うものも。大変だよ。」
2004/05/01(Sat)22:18:43 公開 / いってつ
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■作者からのメッセージ
久しぶりに出した続編です
1話と合体していますご了承お願いします
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