- 『STONES one』 作者:ルイ / 未分類 未分類
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あんなに抱き合った彼氏にもう会えない。
つまらん愚痴を聞いてくれた親にも会えない。
相談にのってくれたダチにも会えない。
おまけにコースケとかっつー奴。
あたしの体借りて、どっかいっちゃった。
ズルいズルいズルい。
--−-なんて我侭、誰も聞いてくれやしない--−-
一面霧の世界のような感じ。
誰も踏み入れてはいけない、そんな雰囲気が漂う。
「あたしだって・・・・いってやる!」
無駄な勇気をつれて、あたしは脳の考えも体中に回らないまま、
雲の切れ間に飛び込んでいった。
ふわっ
ふわっ
一旦木綿のように、色彩のないアタシ。
上空100bくらい。見覚えのある顔が脳裏をさえぎった。
「潤??」
毛布の毛がたくさんついた飴玉をなめたような、もどかしい気持ちになった。
「潤!!あたしだよー??」
潤の顔を平手で触っても、腹の腹筋に力を込めたパンチをしても、気づいてくれはしない。
平気で歩く潤。
「見えない???」
色彩のないアタシは、妙な達成感を覚えた。これがアタシ??
ワックスで立っている髪に、脂汗がじとっとしている潤の髪。
「ふん!上等ジャン。ついてくかぁ。」
そんな色彩のないアタシが、色彩のアル潤の後ろをついていく。
悪夢の、ハジマリ。
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2004/04/22(Thu)23:25:41 公開 /
ルイ
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