- 『続・林檎』 作者:夢幻花 彩 / 未分類 未分類
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原稿用紙約2.35枚
彼女の白い肌は漆黒の髪に映え、その美しさを素直に引き出していた。
髪の長い女性・・・裕子は身体に纏わり付く衣類をやや乱雑に脱ぎ捨て、適当にシャワーを浴びるとすぐさま冷え切った体を浴槽の中にうずめた。暖かさがじんわりとしみこんできた。
暖かな居間にいたのに、こんなに冷えたのは何故だろう。
裕子はゆっくりと目をつぶる。湯気が裕子の形の良いあごを湿らせ、額には汗が滲む。裕子の体は温まったが、まだ気持ちの整理が出来ていないようだ。
この一晩でいろいろな事がありすぎた。板倉の奥さんは死んで、林檎の恐ろしさを十分過ぎるほどに知ってしまった。
林檎は人間を狂わす大麻のような物だ。一度食べればあり地獄に落ちたような物。決して抜け出す事は出来ない。そしてこの禁断の果実の原材料は人間。夫、修二は林檎を「人間の実」と言っていた。
どれもグロテスクで、まだ若い裕子にとっては(いや、年齢や性別に関係する事ではないが)吐き気を催す物であった。
―しかし、なにか大切な事を忘れているような気がするのは何故だろう。
裕子はさらにぎゅっと目をつぶる。脳裏に白衣を着た幾人かの男性が見えた。しかし、顔まではわからない。
さらにもっと思い出そうと集中すると一人の男がこちらを向いた。その男は何処かで見たような・・・
「いたっっ!!!」
激痛が頭の中を駆け巡り、裕子の思考をシャットアウトした。その一瞬で
裕子は自分が今何を考えていたのか忘れてしまったようだ。
・・・何処かで金属のぶつかるような微かな音がした。
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2004/04/17(Sat)16:17:14 公開 /
夢幻花 彩
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■作者からのメッセージ
こんにちは、夢幻花 彩です!!
えーっと、前書いてた林檎、多分私のパスワードの入力ミスだと思うのですが、きえてしまったんですよね(涙)
しかし!!諦めの悪い私としては林檎をやめてしまう事は出来ず、続編としてもう一度お邪魔させていただく事にしました!
(ただの頑固者)こんな小説でしかも更新の量がいつも少ない私ですが、これからもよろしくお願いします!!
宜しかったら感想or批評ください!!