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『triangle』 作者:Cano / 未分類 未分類
全角5224文字
容量10448 bytes
原稿用紙約20.15枚
第1章

俺はどうしてこんな世界に生きているんだ?
このまま俺は老いて死んでいくのか?
それともこの地球がぶっ飛ばされて俺も一緒に死んでいくのか?
いや。俺の事だから 無駄に生き延びている気がする



俺が部屋でそんな事を考えていると 近所の高校生の直が入ってきた
奴は最近俺の家に通いつめてる
いったい何のようなんだ?
もしかして俺が死のうとしていることを悟っているのか?
「真人!!新しいゲームもってきたんだけど一緒にやらない?」
「やらない。」
「そ じゃぁ1人でやろっと」
「お前 自分の家でやれ」
「本当はやりたいんでしょ?はい」
直は俺にゲームのコントローラーを投げた
運悪くそれが俺の顔に当たり激痛が走る
「いってえ・・・」
「ごめん・・・大丈夫?」
直が俺の顔を心配そうに覗き込む
「お前 そんなに顔近づけんな キスでもしてほしーのか?いってぇ・・」
「やめろよ・・・そんな冗談 で 大丈夫??」
「慰謝料払え 馬鹿、」
「いっとくけど 俺は真人より頭悪くないよ」
俺は直の発言を無視して 聞いていないふりをする
「はい 真人 これ」
今度は手渡しでコントローラーを俺に渡す
俺は直の隣に座る
何となく奴の顔を見てみる
女みたいな顔をしてる
長い睫に大きな目、高い鼻。
そんな事を思っていると
直が呟いた
「俺 彼女に振られたんだ」
「何だ それは嫌味か?」
「うん」
直は笑いながらテレビ画面を見つめる
「真人は 彼女いたことなかったっけ?」
「重ね重ね失礼な奴だな。1人くらいはいるよ」
「え?1人?」
「むかつくやつだなぁ 自分がモテるからって」
「冗談だよ それに 真人は充分カッコ良いよ」
「それは慰めか?それとも嫌味か?」
「どっちも」
夕方まで 一緒にゲームをして直は そろそろ帰ると行って席を立った
「明日も来ていい?」
「ああ」
「泊まってもいい?」
「襲うぞ」
「変態。」
俺はまたベッドへ転がりこむと
また妄想に浸る
俺は何時死ねるんだろう・・・
俺が死んだらこの世はどう変わるんだ?かわりはしない
死んでも誰も気がつかねえ
早く 死にたい

第2章
翌日 直は本当に俺の部屋に来て
今度は漫画を読み始めた
「なぁ お前・・・完全に自分の領地化してないか?」
「何それ 子供だなぁ 真人って」
「リアルな子供に言われたくねえな」
直は少し笑って 本を閉じ俺に言った
「ねえ 真人 昨日の怪我大丈夫?」
「怪我?ああ 昨日のか 全然余裕・・・でも やっぱり痛いかなぁ 頭蓋骨にヒビ入ったかも」
俺が冗談で言ったのに 直は本気にしたらしく
「やばいよ それ 早く病院行きなよ」
「つくづく馬鹿だなーそんなわけねえだろ」
「心配させんな」
直は俺の頭を小突くと また漫画を読み始める
「お前 ほんっと 女っぽい顔してんなぁ」
すると直は顔を赤くして下を向いた
あせった俺は急いで前言撤回した
「嘘だって 充分男前だよ」
「俺・・・奈美にも・・・彼女にもそう言われたんだ・・・俺と付き合ってても
友達と一緒にいるのと変わらないって」
直は寂しそうに呟いた
「まぁ いいじゃん 終わった事なんだし」
「でも 俺・・・本気で好きだったんだ・・・」
「やめろよ 俺にそんな事言うな 俺は関係ない」
「真人も関係あるんだ」
「あ?」
「真人・・・バイト先にいるだろ?本上ってやつ」
「ああ でもしゃべったことねえよ そいつ お前の彼女だったわけ?」
直は頷き口を開いた
「奈美は・・・真人の事好きだったんだ・・・」
「は? それで俺に責任転移ってわけ?」
「違うよ」
「ふざけんな」
「違うってば」
「黙れ」
「真人・・・」
直はそのまま鞄を掴んで部屋を出た

畜生・・・なんで俺がそんなこと言われなきゃならねえんだよ
俺は壁に直が呼んでいた漫画を投げつける

本上・・・どんな奴だっけな
俺は不覚にも直の事よりその女の事のほうが気になった
確か結構可愛かったような・・・

そんなことを考えていると 直から電話があった
「真人・・・?」
「俺しかいねえに決まってるだろ」
「それもそうだよね ねえ さっきはごめん・・・」
「もういいよ それより 何で俺が関係あるんだ?」
俺は単にその女が気になっただけだった
俺にどんな好意を持っていたんだろう
バイト先でも殆どしゃべらない俺に・・・
「俺・・・好きだったんだ」
「そりゃそうだろう」
「違う・・・俺・・・真人の事・・ずっと好きだったんだ・・・」

第3章
長い沈黙の後俺は口を開いた
「正気か?」
「ああ・・・何度も言わせんな 好きなんだよ・・・俺」
「すまんが俺は男なんか好きじゃねえし 好きになんかならねえ」
嫌われたっていい
俺なんてどうでもいい
直はわかったと呟き
ごめんね と言った
もう家にも来ないと。

別にいい 俺は直に家に来いなんて一度も言ってねえ

あれから2ヶ月 直から何の連絡もなかった
相変わらずバイトで無口な俺だったが
本上と一度眼があってから
俺は何か不思議な感覚に襲われていた
「俺は 本上が好き・・なのか・・・?」
いつも死ぬ事を考えているベッドで初めてそんなことを考えてみた
小学校の時の初恋を思い出す
確か・・・あいこちゃんだったけな・・・
そんなことはどうでもいい
俺は死にたいんだ
本上なんてどうでもいいんだ

そんなことを考えていると
玄関のチャイムが鳴った
「はい?」
「俺・・・直・・。ごめん」
「入れよ」
「ううん いいよ ここで」
「入れって」
「ありがと」
俺はぎこちない手つきで直にお茶を入れた
「ごめんね・・・真人」
「は?何がよ」
「この前・・突然あんなこと言って」
「別に」
直は気まずそうに下を俯いていた
「俺・・・彼女できたんだ」
「それをわざわざ言いに?」
「だって 真人 あの告白で俺と連絡とらなくなっただろ?俺なんか申し訳なくて」
「お前が連絡してこなかったんだろ」
「ううん 俺 何回もしたよ バイトの時間だったかも」
「そうか。で 彼女ってのはどんな子なんだ?」
「奈美・・とよりを戻したんだ」
「ふーん」
「もしかして真人 嫉妬してる?」
「誰に?」
「奈美に」
「んなわけ ねえだろ」
俺たちは久しぶりに二人で笑いあった
だけど俺の心情はとても切なかった
直が奈美とよりを戻したことじゃない
奈美の気持ちは俺に向いてなんていなかったって事に

勘違いもいいとこだ

第4章
俺の失恋(?)から直はまた頻繁にうちに遊びにきていた
何の異変もない毎日
けれどある日それがくつがえった
「真人・・・奈美が・・・」
「あ?」
俺はまたおのろけ話を気がされると思い少し苛立った
「奈美・・・病気なんだって」
「風邪か?薬でも持っててやれば?」
「違う・・・」
「何だよ 重病か?」
まさかそんなことはないと思い 俺は軽く質問をした
「白血病・・・」
「は?」
「白血病・・・なんだってさ」
「・・・・」
「15の時に一度なって・・・再発・・・したんだって」
「まじ・・・?」
直は頷きながら涙を隠していた
「別れんのか?」
直は首を振った
「何か 2回目だから・・・完治する確立は少ないらしい 死ぬかもしれないって」
俺は戸惑った
俺が望んでいた死が
奈美にとっては最も望まないものなんて
今まで 自分の命が大切だなんて思わなかった
だけど 直が必死で涙を拭っているところを見て俺は少し自分がかわった気がした
俺が毎日死ぬことを考えていたベッドで
俺は一度でも奈美の事を考えた場所で
その場所で今 直は泣いている
「わかんねえじゃん・・・」
「え?」
「死ぬとか言うなよ まだ・・わかんねえじゃん」
「うん・・・ごめん」
「俺にあやまんな」
「俺・・・奈美の前では必死で普通に振舞って 俺・・泣いちゃいけないって
俺が泣いたら 奈美きっと悲しむから・・・だから泣けなくて ごめん・・」
こんなに泣いている直を見るのは初めてだった

あれから直に聞いた話だと
奈美は病院で入院することを拒んでいるらしい
その治療は相当きついものらしく
一度経験したことのある彼女はそこに行くのが嫌で嫌でたまらないんだろう
直は奈美の前では必死に説得して
俺の前ではあれ以来泣きはしなかったけど 相変わらず寂しそうに奈美の話をしていた


第5章

「奈美・・・お願いだから」
「嫌だ 直。」
「どうしてだよ 俺は奈美に早く治ってほしいんだよ」
「無理だよ・・きっと 治らない」
「俺は信じてるよ 奈美は絶対治るって」
「もし・・治ったとしても 治療は死ぬほどつらいんだよ?
副作用で髪も抜けるしご飯も食べられない。死んだほうがましだよ」
「でも 奈美・・」
「経験もしたこともない人にそんなこと言われたくない」
「奈美・・ごめん・・だけど俺」
「何よ?」
「俺 奈美ともっと一緒に居たいんだよ」
「もっとって何?やっぱり直だって 死ぬと思ってるんじゃない」
「・・・・」
「上辺だけそんな事思われたってうれしくもなんともないよ!!」
「ごめん 違うんだよ 奈美。」
「何が違うのよ もういいよ」
奈美は怒って家に帰ってしまった
だけどその夜奈美は家で親とまた入院の事で口論している時
突然倒れて 病院に運ばれた

奇跡的に命は取り留めたものの かなり危険な状況であることくらいは
俺にも確認できた
慌てふためく院内。
泣き叫ぶ両親
俺は何の迷いもなく椅子に座り ガラス窓越しに奈美を見つめていた


その時 医師が奈美の病室からでてきた
医師は奈美の死が近いこと、
病室に入ってもいいと言う事を告げると
その場を去った
俺は奈美の病室に入り チューブだらけの奈美に呟く
「ごめん・・・奈美・・・俺だけでもお前の事味方してやればよかったな。
だけど俺 ほんとに奈美とずっと一緒にいたかった。
真人の事好きだったけど だけどそれは憧れとかそういうんなんだ
ほんとに 俺 奈美だけ こんなに愛した人は奈美だけなんだよ
なぁ・・・わかってくれるよな??」

「なお・・・」
微かな意識の中で彼女は口を開いた
「奈美・・・無理すんな」
「大丈夫・・あたし・・自分で・・わかるの・・もう死ぬってことくらい・・・
だけど・・なお・・にたくさん・・・うそ・・ついたから・・
ごめんね・・・」
「そんなのいいんだよ!お前が生きててくれれば 俺はいいんだよ
真人を好きでいようと 俺が嫌いでいようと」
「なお・・好きだったんでしょ・・?」
俺は黙って頷いき 奈美に問いかける
「知ってたのか・・?」
「はなし・・聞いてればわかるよ・・」
「ごめんな 奈美・・・。でもほんとに憧れてただけなんだ 小さい頃から」
「ごめん・・なお。あたしね・・真人君のこと・・すきなんかじゃないんだ・・」
「え・・・?」
「あたしね・・・ 真人君に嫉妬してた なおってば・・・あたしと・・話すより・・隼人君の話・・してるときのほうが・・・楽しそうだった・・・」
「奈美・・・」
「だから・・あんな嘘・・ついちゃったんだ・・別れるとき・・・だけど
あたし・・やっぱり・・・なおのこと・・忘れられなかった・・・」
「なお・・・お願いだから・・・幸せになって・・あたしなんか・・・忘れていいから」
「忘れるわけねえだろ・・・」
「ありがとう・・・でも ほんとに・・幸せになってね・・・」
彼女は最後に万遍の笑みを作り 永遠の眠りについた
俺は・・・奈美の最後の力を振り絞る声と俺に伝えた言葉を一生忘れない

奈美・・・ありがとう。

第6章
本上の死以来 直はうちに来ることが減ってきた
別に寂しくなんかない
人なんてもんはそんなもんだ
俺は 本上の病名を俺に告げながら 泣きじゃくる直を見たとき以来
自分が少し変わったような気がしていた
死について考える事も鬱陶しくなってきた
俺はどうしてそんなに死にたいのか・・?
すると突然玄関のドアが開く
「まさとー」
俺は突然の訪問に驚いた
こいつは俺の心が読めるのか・・・?
「まさと!!いたんなら返事してよ」
「すまん ちょっと考え事してた」
「まぁいいけど。ねぇ このゲームやらない?」
「ああ」
「やけに素直だね・・」
「気にすんな」


「ねぇ真人 俺2つ嘘ついた」
「え?」
「奈美ね 真人の事好きじゃなかったみたい」
直は暢気に笑いながら言った
何なんだ・・・俺はあんなに考えてたっていうのに・・・
やっぱり勘違いだったのか・・・
もうひとつの嘘はなんだろう・・・
おそらく俺が更にショックを受ける事だろう・・・
「もうひとつはね・・・」
「待った!言わなくていい」
「え?いいの?」
「ああ」
俺はしばらく考えた後 直に言う
「なぁ 俺もお前に嘘ついた」
「何?」
「俺 男なんか好きじゃなかったけど お前だったら好きになれる気がする・・」
口にした後俺はいきなり恥と後悔でいっぱいになった
「まさと・・・?」
「もういい・・・忘れてくれ」
「顔・・・真っ赤だよ・・」
俺は思わず顔を隠した
ありがとうと直が声にする前に俺は黙って直にキスをした


2004/04/09(Fri)06:02:43 公開 / Cano
http://www2.pf-x.net/~solitude/
■この作品の著作権はCanoさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
またもやBoys loveです・・・
前のより危ういのですが 大丈夫でしょうか
もし違反ならば即刻削除いたします

更新は少し遅れるかもしれませんが
批評お願いします

中途半端で終わっていますが
一応これが完結になっています。
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