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『輝きの海へT』 作者:桜 / 未分類 未分類
全角1220.5文字
容量2441 bytes
原稿用紙約4.2枚
ここはどこかの中学校。今日も雲ひとつない空だ。音楽室からはチューバの低い音が鳴り響いていた。
「置いてかないでよー」
どこからともなく可愛らしい声が近づいてきた。アヤナだ。彼女はここに来る前からこの吹奏楽に入ろうと思っていた。
「うっさいなーアヤナがとろいからだろー」
金色のサビがかったチューバを吹いていたのはユウマだった。彼もアヤナと同じここの中学校の吹奏楽部の一員だ。
「もーアヤがとろいからってひどいーイジメでしょー」
アヤナのふくれた顔をみてユウマは笑った。
「ごめん、ごめん」
一年生の始め、まだ初々しかったころユウマは悩んでいた。           


                                        
『おーいユウマお前部活何にするんだ』
友達が話しかけてきた。
『うん、すいそーがく入ろうかなーなんて・・』
自信がなかった。男が女の子っぽい部活に入るなんてバカにされるに決まってる。
ユウマはそう思った。
『あーそうなのウケんねーあはは―っ』                   友達は腹を抱えて笑った。 
やっぱり・・ユウマはがっくりと肩をおとした。それに気づいたのか友達はふとユウマを見て言った。
『いや、別におかしくて笑ってる訳じゃねえよ』
『え?』
以外だなとユウマは思った。すると友達はニヤっと微笑みユウマに言った。
『お前らしーなと思ってさ!』
バンとユウマの背中をたたいた。
『いったいなー』 
ユウマが怒ると友達は、まーせいぜいがんばれよっと言って去っていった。



あれからクラスがえもあったのか彼とは話ていない。今となってはユウマの一つの思い出だ。
「ユウマくん基礎練習しよー」
アヤナに呼ばれ準備をするユウマ。ドレミーと音が鳴る。まだこの部室には二人しかいない。と言ってもまだ8時にもなっていないからだ。
「おっそいねーみんな何やってんだろ」
アヤナの手が止まった。アヤナはパーカッション担当で吹奏楽の希望の星となっていた。彼女には才能などまったくないのだが毎日部活に参加しているためうまくなっているのだ。
「ホントどーしたのかな」
ユウマはふぅっと息をついつた。時間はゆっくりと過ぎていく・・・
「あぁー!!そうだ!!!」
突然アヤナが叫んだ。
「うわぁっびっくりするなーおどかさないでよ!!」
ユウマは驚きのあまり心臓が止まりそうだった。
「あのねーイオリの先生決まったんだってー」
アヤナがそう言うと沈黙が流れた。                                                          「・・・マジでぇ!!!」   
ユウマは飛び上がった。しかしなぜかアヤナは喜ばなかった。あきらかに難しそうな顔をしている。
「どうしたの?」
いつもと違うアヤナを見てユウマは心配になった。
「それがね・・・」
アヤナの声とともに風が強く吹き荒れた。
新しい物語をのせて・・・
2004/01/11(Sun)18:15:00 公開 /
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