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『カートゥーン模様』 作者:ねね / 未分類 未分類
全角1605文字
容量3210 bytes
原稿用紙約5.05枚
 さあさ、少々お付き合いあれ!
え? 私は誰なのかって? そうだねぇ、スグに教えちゃつまらない。ふふ、そう怒らないでおくれよ。うーんそうだねぇ・・・・ボクはこの世界の案内人。そして、みんなを笑顔にするのも仕事のうちかな。・・・・ん?分った分った教えるよっ!・・・・ボクはピエロだよ。みんなをハッピーにする、ピエロさ!!
 何々、この世界とはどの世界かって? 君は質問が好きだねぇ・・・・いや、気を悪くしないでおくれよっ、ごめんごめん。
 ・・・・この世界っていうのはね、君のいる世界の中の世界さ。いやいやそんな難しいことじゃあないよ。たとえば君の家の中の、君の今見ていないところとかね。君は今「ここ」を見つめている。じゃあ、君の後ろは「この世界」さ。
 前置きが長くなってしまったね。ちょいとしゃべりすぎた。いやね、本当は人形のレナちゃんがしゃべるはずだったんだけど・・・・まあいい、用はね、ボクらの暮らしをちょっとばかし案内しようってんだ。
 じゃ、はじめるよ。

-----夜------
 テーブルの上から声がする。 
  「ちょいとスプーン、何しているの!」
  「ああっマグカップ、そんなに大きな声出さないで・・・・悪かったとは思っているわ。だから静かに・・・・」
  「これが黙ってられますか!」
 ピンクの花柄のマグカップがゴトゴト叫ぶ。金のスプーンは申し訳なさそうにくねっとうなだれている。
  「あなた、勝手に二階のジョンくんの部屋へ、毎晩行ってたのね」
  「だって・・・・人形のルルがたまには遊びにきてって・・・・」
 マグカップはふう、とため息をつくと言った。
  「見つかったらどうするの!ホントにもう・・・・しょうがないコね・・・・・・今日だけよ。」
  「・・・・・・マグカップ・・・・ありがとう!!」
 スプーンの顔がゆっくりほころんでいく。スプーンはカシャカシャいいながら階段をかけのぼる。
  「まったく、あのこったらやんちゃで・・・・」
 マグカップはそう言いつつも、顔は優しいママのようだった。

  「ルル、来たわよ。ルル!」
 ベットのところががさがさ動く。スプーンはそこへかけて行った。
  「ルル!」
  「シーっ!! 今日はジョンくん寝つきが悪いの。いつ起きてもおかしくないわ」
  「そう・・・・じゃ、廊下に出ましょう?」
  「ええ、そうね。さあ、みんな出てきて!!」
 ルルの声を合図に、ぞろぞろとおもちゃが出てくる。ラッパくん、ロボットのポール、縦巻きカール髪のキャシー・・・・・・
  「みんなそろった?じゃあ、いくわよーっ!!」
 おもちゃのウクレレが、ポロローンと歌いだす。ラッパくんも、合わせて歌う。みんなは歌にのって踊りだす。ずっと、ずっと。
 何て歌ってると思う? ジョンのママ・ルーシーが起きるまでは私たちは自由なのよって歌ってるよ。ほら、今も・・・・
            

わたしたちのじゆう しあわせせ どこにある?

いつもはヒトのいいなりだけど だからこそ そうよ ヨルは フリーなのだから あそんだってバチはあたらないわ

いいでしょう? いっしょにあそびたい? 

ダメよ いまだけは わたしたちの じかんだから

じゃあね さよなら  ルーシーがおきるまであそびつくすのよ




 ・・・・どうだい? ほら、君の家にも世界があるだろう。でもね、これはまだほんの一部でしかないんだ。いつもはね、もっともっと、いろんなことが起きているんだよ。
 ああっ、信じてないね?? じゃあ、言ってごらんよ。君の後ろの壁が笑うことなんてありえないって。本当にそう言える? 証拠は? ビデオでとればいいって?? はっはっは。ビデオに撮ってる間は笑わないに決まってるじゃないか。誰も見ていないときに笑うのさ。
 世界のすべてを信じろとは言わないけどね、少しは・・・・ほら、ボクと一緒に夢を見ようじゃないか。
2003/12/22(Mon)16:43:46 公開 / ねね
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■作者からのメッセージ
未熟者ですが、ここへの投稿は二度目です。自分の知らない世界って・・・素敵だと思いませんか^^
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