- 『『けんちゃんの歩いた日』』 作者:ポテン / 未分類 未分類
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原稿用紙約6.6枚
昔けんちゃんと言う男の子がいた。
けんちゃんは、ジェットコースターの身長制限でギリギリ乗せてもらえるかぐらいの身長の男の子だ。
けんちゃんは、すごく周りに影響されやすい男ので、TVでヒーローものをみればヒーローに憧れ、漫画にでてくる主人公の趣味が釣りなら、けんちゃんの趣味も釣りになってしまうくらい周りに影響されるのだ。
そんなけんちゃんに一大事件が起こる。
ある日、けんちゃんが一人で公園で遊んでいると花壇の中に黒い物体があることに気がついた。
「なんだろうぉ?」
近づいてみてみると半分、土に埋もれているが、それはバックみたいっだった。けんちゃんはそのバックみたいなものを掘り出してみた。
それは、やはりバックであった。とても大きなバックだ。
けんちゃんの鼓動が高鳴る。けんちゃんは辺りを見回して近くに人がいないかどうかを確認した。別に悪いことをしているわけでもないのに。
そして、けんちゃんはその大きなバックをゆっくりあけた。
「お・お金だ〜〜〜〜〜!!」
思わず息をのんだ。心臓が止まったかと思ったほど驚いた。それもそのはずけんちゃんは生まれて初めてこんな大金をみたのだ。中にはコインが10000枚くらいは入っていた。
けんちゃんは、また辺りを見回した。けんちゃんの鼓動はすでに震度MAXだ。
「いったい、いくらだろう。」
けんちゃんには見当もつかない。でも、それが間違いなく大金だろうというのは感じた。
「・・・・・・・」
けんちゃんは交番に届けるべきかどうか悩んだ。もちろん学校で習ったことは「拾ったお金は交番に届けましょう。」だ。しかし、この前TV番組でお金を拾って億万長者になった人の特集があった。
けんちゃんは迷った。このままお金をひろってTVに出てた人のように億万長者になるか、学校の先生いうことをきくか。しばらくなやんだが結論はでなかった。
良い案がうかびそうになかったので、とりあえずそのバックを人目につかない場所に隠してとりあえず家に帰った。
今日もTVではお宝を拾って一攫千金という番組がやっていた。
けんちゃんは、また迷った。けんちゃんにしてみれば人生で初めて道が真っ二つに分かれてしまったのだ。
けんちゃんの心が揺らぐ。
頭のなかがパンクしそうだ。
TVのむこうからは「はっははは〜ホントにあの時お金を拾えたことは幸運でしたよ。おかげで今は何の不自由もなく暮らせてますよ。」と成金が札束をちらつかせながら大声で叫んでいる。
「お金があればなんだって好きなものが買える。」
「ボクは億万長者になれるんだ。・・・でも学校じゃ・・・。」
今まで周りの言うとおりにしてきたけんちゃんにとってこの2つの選択はとうてい選べるはずがなかった。ご飯もろくに通らず、夜もなかなか寝付けなかった。
そして翌日。
けんちゃんは学校が終わると猛ダッシュで昨日お金をかくした場所まで行った。勉強なんか頭にはいらなかった、今日半日あのバックのことで頭がいっぱいだった。
「はぁはぁ・・・」
まだ、あった。
バックは昨日隠した場所にちゃんとあった。
ほっとした。なくなってしまった方が、かえってよかったのかもしれないが、けんちゃんはとりあえずほっとしていた。
しかし、何の考えも浮かばなかったけんちゃんは、しばらくお金を隠している所の前で座ってぼーっとしていた。
すると、けんちゃんの前を老いぼれた老人が現れた。老人は足が悪いのか足を引きずりながら歩いていた。
そしてけんちゃんの目の前で倒れた。
けんちゃんは老人に駆け寄った。その老人はゆっくりたちあがった。
けんちゃんは老人にこえをかけた「おじいさん大丈夫足わるいの?」
老人はゆっくり答えた「あーそうなのだよ。すまんな。ありがとうな」そういうと、ちかくのベンチにこしをかけた。けんちゃんもあとをおって座った。
けんちゃんは質問した。「足が悪いのでしょ。どうして出かけているの?一人?」けんちゃんはいまにもたおれてしまいそうな老人にたいして心配そうにいった。
老人はまたゆっくりいった。「わたしはなかえるところがないのだよ。足も悪いしお金もない。家族の身よりもないのだ。いまは今日ねる場所をさがしていたのだよ。」けんちゃんは真剣にそのはなしをきいていた。
そして、今の自分は幸せすぎることにきがついた。世の中には今日寝る場所もない人もいるのかとはじめて知った。
そしてけんちゃんは隠していたカバンをもってきて老人にこういった
「おじいさんこれあげる。これでおいしいものも買えるし家も買えるよ。」そういってバックのお金を見せて老人にバックをわたそうとした。
老人は貰えないといった。でもけんちゃんは強引に渡した。
それで一応けんちゃんの大金大事件は幕をとじたのであった。
けんちゃんが老人にしたことが良ことかは判らない。でも今日初めてけんちゃんが、ほかの人の意見を聞かず自分の意志で行動をしたのだ。もう昔のけんちゃんはいない。だってけんちゃんは今、自分の道をあるきだしたから。
あのね、老人が貰ったお金は実はタダのメダルだったんだ。でも、老人は久しぶりに人の愛を貰ったんだってさ。
-おしまい-
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2003/12/13(Sat)22:07:11 公開 / ポテン
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