- 『奴』 作者:junkie / 未分類 未分類
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小さい時から俺の中には何かがいる。
そいつは俺に話しかけてくる。
そして夜になってあたりが静かになるとこういうんだ。
「悪魔がお前を殺しに来る。絶対にだ。2丁目のあの女を見ただろ、あいつがそうだ。やつに殺される前に、さきにやっちまえ。殺すんだよ。」
最初は俺も抵抗した。悪魔だなんて信じなかったし、殺したくもなかった。
でもあいつは毎晩毎晩俺を説得した。
恐ろしい声で、何度も何度も。
いつしか俺は奴に逆らえなくなっていた。
いや、心の中で抵抗しようとしてはいるのだが、体が言うことをきかない。
奴は俺の恐怖心をあおって逆らえないようにしたんだ。
「殺さなきゃ 俺が殺されるんだ」
深夜1時、俺は家を出た。
包丁をもって・・・・・
そして俺は 奴が悪魔だという女の家に向かた。
玄関の前に立つ。
そうすると奴が騒ぎ出した。
「さあ、とっとと窓をぶち破ってあの女を殺せ。木っ端微塵になるまであの悪魔を刺しまくれ!!!」
俺は出来るだけ物音を立てないように窓に小さな穴を開け、その穴から手を伸ばし鍵を開けた。
女はどこだ・・・・・・
1階には寝室のあるような気配はない。
俺は階段を一歩一歩慎重に上った。
2回には3つのトビラがあり、そのうち1つはWCとある。
俺は少し考え1番右のトビラを静かに開いた。
「ビンゴ」
部屋の中には20歳前後の女がベッドに寝静まっている。
俺の頭の中の奴の騒ぎ方はもはや尋常じゃない。
「殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ」
俺は女にそっと忍び寄り、女の口を手でふさいだ。
その瞬間女が目を覚まし驚いた顔をしたが俺はかまわず包丁を女の胸に刺した。
刺して刺して刺して刺しまくった。
きずいた時には女はまるでミンチのような肉片に変わり果てていた。
その時俺に変な欲望が芽生えた。
食いたい・・・・・
俺は女の肉を強引につかみ、口に押し込み、そしてまた肉をつかむ。
「ぎゃはははははははは!!!そうだ食え!!!全部食え!!!!」
俺は満腹になるまで死骸を食べ続けた。
しかしとてもじゃないが食べきれる量じゃない。
俺は女の頭を手に取り、適当なバッグを見つけると、頭をそれに入れ持ち帰ることにした。
夜はまだ明けていない。
女の頭はバッグから取り出すなりしゃべりだした。
「あなたが好き あなたを愛してる あなたが好き あなたを愛してる」
それだけを繰り返している。
しかし俺はうれしかった。
好きだといわれたのは生まれて初めてだ。
だから俺はそいつの頭を勝ち割って脳みそをすすった。
こいつを俺の物にしたかったから・・・・・
その時から仲間が増えた。
俺の中には、騒がしい奴とはべつにもっぱら「愛してる」と「好きだ」しか言わないが女いる。
3日ほどして警察が俺の家に入ってきた。
そして今俺は精神病院にぶち込まれている。
精神病院といっても 隔離されてほとんど独房みたいなもんだが。
でもさびしくなんかはない、なんたって2人も話し相手がいるからな。
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2003/12/07(Sun)03:14:54 公開 / junkie
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■作者からのメッセージ
なんというか
ホラーとして受け取ってください