- 『Last game 第一話』 作者:餡狸 / 未分類 未分類
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原稿用紙約9.4枚
悪魔の印―。これは代々魔王の血を引く者に与えられる呪いの印。
それは息絶えるまで、決して消えない。 その印を持つものには
絶大なる 悪魔の力が手に入る。
そして代を次ぐことに強さは増してゆく。
そう・・・時には世界全体をも壊すことのできる力が―。
〜第一話 つぶれたりんご〜
「りんご3つ下さい。」
とても綺麗で14歳ぐらいの一人の少年、
フォルド・ノアルがある市場にて言った。
髪も長髪で肩にかかるぐらい、まつげも長く、
赤いピアスを両耳にしていてどこから見ようと女に見える少年だ。
「うわぁあ!!!!」
なにやら市場の裏で、もめごとがあるらしい。
「・・・?」
ノアル(少年)は袋に詰めたりんごを受け取り、
市場の裏へ振り向いた。その時
ヒュッ!!!!
目の前に大きな物体がノアルに向かって勢いよく飛んできた。
「へっ!?」
ノアルが驚いてりんごの入った袋を落とした。
ドッサァ!!!
「ぐっ・・・は」
大きな物体は身長170はある若い男だった。
思わず手を伸ばして受け止めたのはいいものの、
その腕が若い男のみぞおちに直撃したらしい男は失神した。
「んっな・・・だ、誰!?」
ノアルはとりあえず男を地面にそっとおろした。すると
「へっへっへ。」
見るからに悪役っぽい顔をした2人組みの男がゆっくりと歩いてきた。
「んだよ。」
ノアルは不機嫌そうに言った。
「お前にゃ用はねぇ。さぁ!!その男をこっちによこしな!!」
太い木の棒を降り回して二人組みの男が言った。
「おい・・・こっちはぶつかってんだよ。
謝るぐれーすんのが普通じゃねーの?」
怒った口調でノアルが言った。
「しらねぇな。」
と、二人組みの男が言いながら鼻で笑った。
「打っ飛ばすぞ」
見るからに身長の差があり、力の差もありそうなのに、そう言うと、
「アハハハハ!!!おー怖い怖い。
でも・・そんなぶっそうな事、言うもんじゃねぇぜ?
お・嬢・う・さ・ん」
バカにするように言った。その瞬間
ピキィン・・・
ノアルは赤いピアスを片方だけ取って地面に落として
「俺はっ!!!男だぁ!!!!!!!」
そう言って、ものすごいスピードで
二人組みのほうに行き一人に蹴りをかますと
もうその一人は気絶していた。少年は見かけよりも断然強かった。
二人組みなんか目にならないぐらい そして片方の目が赤くなり
髪の毛も気のせいか茶色から赤茶に変わっていて、
ひたいにうっすらと何かの模様が浮き出ている―。
「んなっ・・・こいつ・・なっ・・・?」
残りの男が後ずさりしながら言った。
そしてまた、ノアルが殴りかかろうとした。だが次の瞬間!!
ぐしゃっ
「・・・?」
ノアルと二人組みの片割れは一瞬止まって、
足の違和感を確かめるかのように、同時に足元を見た。
「・・・っはっ!!!・・・り・・りんご・・・」
それはノアルが先ほど買ったばかりのりんごだった。
二人同時に踏んでしまったのだった。
とても残念そうに殴るのをやめてりんごを眺めていると、
後ろから二人組みの片割れの男が
殴りかかろうとした。だが、すぐにノアルは振り向き、
「てめぇのせいだっ・・!!!」
といってボコボコにしてしまった。
明らかに自分のせいでもあるのに・・・
そして はぁ とため息を一つ流してピアスを拾い、付け直した。
「あはは。強いねぇ君。」
さっきの失神していた若い男が、ナンパ口調で話しかけてきた。
「お前のせいでりんごがっ!」
と、ノアルは言いかけたが、怒る気も失せていたのでやめた。
「俺、金持ちだから盗賊によく 襲われんのよな。」
無視して歩いていっても、ついてくる。
りんごがつぶれたので不機嫌なのである。
あまりにもノアルが無視してきたが
「つれないなぁ お嬢さんは―。」
その一言で
「俺は男だ!!!」
と振り返って言うと、男はにんまりと笑っていた。
男の計算どうりに動いてしまったらしい。
「っく!」
と、ノアルは悔しそうに顔を背けたまま、
「何のようだ。俺は暇じゃない。」
ノアルはそんなに急いでいるわけではないが、
うざったいのでそう言った。
「まぁまぁ、そんなにかっかしないで。頼みがあるだけだよ」
「断る。」
男はにこやかに言ったが、ノアルは即答で拒否。
しかし男もめげずにその答えを無視して
「ボディーガードやってほしいんだ。80000000$で。」
さらりとモノすんごいことを言った。
「はっ・・・っ!?」
ノアルは驚いた。まぁ普通だが。冷静になって
「お前・・・それマジで言ってんのか?」
怪しみながらノアルは言った。
「うん。俺はいつも超まじめ♪」
そう男は言った。だがノアルは
「信じられんな。大体そんな金どこに・・・・」
そういうと、急に男はマントを脱いで、
「これでも信じられない?」
そう言って、全身につけた宝石を見せてきた。
「・・・・・」
ノアルは言い返せなかった。だがまぁ、
ちょうど旅をしていて、お金もなくなってきた頃だし
りんごもつぶされたし、結構楽な(?)仕事だから契約に応じた。
「解かった信じよう。ちゃんと80000000$払えよ。それと生活費と・・・」
「ああ。解かっているよ」
男はまたにっこりといった。
そしてノアルはふと思い出したかのように言った
「それと・・・あ・・・りんご買えっ!!!!」
どうやらノアルはりんごが好物らしい。
*第二話に続く*
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2003/12/02(Tue)22:59:38 公開 / 餡狸
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■作者からのメッセージ
これは私の趣味に走った小説です(汗)
結構な長編になりますが、最後まで読んで下さることを、願っております。
アドバイスなど、よろしくお願いいたします