- 『誰かが見てる・・・(第二話)』 作者:鈴 / 未分類 未分類
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 「私、誰かにつきとばされた・・・・」
 
 そう言う千佳に、久美は
 
 「えっ・・・何言ってるの??ただの勘違いじゃ・・・」
 
 久美は千佳の言葉が信じられないと言う感じだ。
 
 「いや、勘違いじゃない。ぜったい突き飛ばされた・・・」
 
 
 
 それからというもの、毎日毎日千佳の靴箱には、
 <殺す>や、<死ね>などと言う手紙が絶えなかった。
 
 「あ〜もう嫌〜死ぬ〜(泣)]
 
 千佳は泣き喚いていた。
 
 「大丈夫だって千佳・・・私達がついてるよ」
 
 私の周りで、励ましてくれてるのは、久美、友恵(ともえ)、洋子(ようこ)
 純也(じゅんや)、健十(けんと)だった。
 
 「でもさぁ〜私何したのかなぁ??悪いことした覚えはないんだけど・・・」
 
 「相手を見つけ出すか??」
 健十が答えた。
 
 「うん・・そうした方がいいかもね」
 友恵と洋子もうなずく。
 
 
 「そうだねぇ・・・どうしよう・・・」
 千佳が悩んでいると、
 
 「今悩んでても仕方が無いし、ほら、次男子と合同の体育が始まるから、行こう」
 久美が話題をなんとか変えようと思った。
 
 (私の気を紛らわそうとしてくれてるのかな??久美有難う★)
 そんなことを考えながら、体育館へ向かった。
 
 
 ウォーミングアップで、みんなと走っていると、周りの人がクスクスと笑ってくる。どうやら私を見ているようだ。
 
 (??何だろう??)
 そう思っていたら、
 
 「ちょっと、千佳、千佳、後ろ、ズボンが裂けてるよぉ」
 久美が私に教えてくれた。
 
 「えっ・・・えっ・・・うそ、」
 千佳が自分のズボンを確認する。
 
 「わぁ、ほんとだ、どうしよ・・・どうしよ・・・」
 千佳はもう泣き出しそうだ・・・
 
 久美について来てもらい、ズボンを履き替えた。
 
 それにしても、おかしなズボンの裂け方だった。
 
 まるで誰かにわざとやられた様な・・・
 
 
 
 ―――――休み時間
 
 
 「はぁ〜、みんなと顔合わせるのが、つらいなぁ・・・」
 
 「大丈夫、私達もついてるから」
 千佳の横で、友恵と、洋子が励ましてくれた。久美は先生に呼ばれて、職員室へ行ってしまったのだ。
 
 
 でも・・・・
 
 
 「あっ、来た来た、あいつだろ、ズボン破れて、パンツ丸見えだったやつ」
 
 「あっ、あの人よ、あの人」
 
 なんと、ほとんどの人にさっきのことが広まっていた。
 
 (うそ・・・どうしよう・・・)
 千佳はその場に立ち尽くしてしまった。
 
 影で、千佳を睨んでいる人にも気づかずに――――――
 
 
 
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2003/12/02(Tue)22:11:17 公開 / 鈴
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