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『冬の花火 第壱章』 作者:美月 / 未分類 未分類
全角376文字
容量752 bytes
原稿用紙約1.55枚
「明日香」


「何?」

不意を付かれた。咄嗟の出来事だったので吃驚した。

自分の名を呼んだ男の顔を見ると、いきなり顔を近づけ不意にキスされた。



私にキスした男はまた歩き出す。
何事もなかったかの用に。ずっと、何処かを目指して歩き出す。
何処かに目的があるかのような早とちりのような歩き方で。

彼の歩幅と私の歩幅は、変わるようで、変わらなかった。
男の人の歩幅に対して、私の歩幅もあまり変わらなかった。
ひょっとして私って足が長いのかも・・・


「明日香、お前は決して足が長いんじゃなくて、足の大きさが大きいだけだ。」


「べ、別にそんなこと思ってないしっ!!」

図星。すべてエスパーの様に解かってしまう。


私は、キスされたときの感触と図星だったときの恥ずかしさに身体を震わさせた。



赤と、変色した茶髪を混じり合わせた私の髪の毛は、風に吹かれていた。
2003/12/01(Mon)21:42:49 公開 / 美月
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