- 『君におくる太陽隊(1,2話)』 作者:ティア / 未分類 未分類
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『一話、彼の始まりと…』
始まりは…君だった…。
しかし、終わりは君じゃない。いや…
――終わりはない――
…俺は信じてる。例え現実がこれでも…
だから、俺は、歌い続ける。
――――君におくる太陽隊――――
4月。
春だ、桜が咲き満ちている。
俺は高校生になった。
そして、高校生になってやり始めたいと思っていた事がある。
それは俺のロックバンドを結成するということだ。
中学の頃から俺は、音楽にハマってテストや勉強そっちのけだった。
しかし、バンドを結成しようと思っても、田舎中学だったもんだから俺以外、音楽に感心のあるやつなんて、ほとんどいない。
一人だけ音楽に興味がある後輩が居て、誘ってみたものの…全然、音感が無くて、結果的にバンドは高校までおあずけだった。
そんなわけで、自分からみてもくだらない中学生活だったんだが…
そうだ、もう俺は高校生だ!
わざわざバンドくむため必死で勉強して(3年の最後の方だけ…)、遠くの音楽で有名な都会の高校に合格したんだ!
最後になるかもしれない学生生活は絶対に有意義なものにしてやる!
そして、近いうちにプロからの誘いがあって…
なんて。
まぁ、当然だが現実は甘くなかった。
入学当初は本気でそんな甘いことを考えていたが、現実は180度別方向へ進んでいる。
とりあえず、入学してバンドチームを作ろうとしたが、既に音楽に興味のあるやつは大抵どっかのチームに入っていたし、田舎中学から湧いて入学した俺なんざ甘く見られていて、てんでエリートぶってる奴らの眼中にも無かった。
エリートぶってる…というか、実際、俺が入ったクラスで音楽やってる奴らは俺から見たら、本当にエリートだった。
透き通った歌声、鋭いギター音、迫力あるドラム音…田舎では聞けなかった新しい感覚があった。
だから、俺は奴らから見たらまだまだアマチュアの部類だろう。
なんたって、田舎では知ったかぶっていたが、田舎では売っていないため、ギターにすら触ったことない。
まぁ、そんなわけですぐにバンドチームは作れなかった…
だけど、チーム結成への夢は捨てたわけではない。
俺は、とりあえずいつかチームができた時のために、バイトやら何やらをして金を貯めることにした。
バンドのために必要な用具とか…そこそこに有名になったら広告とか、ステージだって借りたいし…。
で。
そんな事を考えていたわけだが、今の俺はというと…
このクソ暑い中、コンビニのレジのバイト役として突っ立って、お客様に笑顔で「いらっしゃいませ〜」だの言ってる。
全然違う、全然。俺の想像してた充実の高校生活と。
4月から8月にかけての放課後は毎週3回、想像してたバンドのリーダー君ではなくレジのバイト君。
バイト無い日は近くの河原で一人、日々曲作りの、はたから見れば相手のいない寂しい人とみられても仕方のないことだろう。
金のためとはいえ、時々バンドへの夢が薄れて、何のためにこんな事しているかがわからなくなるのも事実だ。
「…こんなはずじゃあなぁ…」
俺はうつむいてブツブツとつぶやいた。
「あの…」
「!」
どこからか声がして俺はハッっと顔をあげ、我に返った。
顔を上げたそこには、恐らく女子高生と思われる人が、商品を片手に立っていた。
そうだ、今はバイト中だ。弱音を吐いている場合じゃないし、ましてや、バンドの事を考えていては首をきられる。
「す、すいません!どうぞ!」
俺は慌ててそう言って商品を受け取った。
お客の女子高生も、とりあえず待たせたことへの不満は言ってこない。とりあえず俺の首はつながり続ける事になった。
「210円になります」
そしてお客さんが、お金をトレーにいれ、俺はレジに回収した。
ここまではごく普通な買い物の流れだろう。
しかし、俺が商品を袋に入れ、それを渡そうとするとき、お客さんの女子高生が俺に向かって話しかけてきた。
「あの…」
ん?と、俺は立ち止まり、一瞬考えた。
で、素早く頭によぎったのは、『待たせたことへの不満』だった。
そうだとしたら、まずい。まずすぎる…。
隣のレジには店長がいる。店長の耳にお客さんの不満の原因が俺だと入れば、この日のうちに、はいサヨウナラだろう。
表には出ていないが内心、かなり動揺しビビっていた、が、黙ってお客さんの話を聞く姿勢をとった。
しかし…。
「あ…やっぱり、良いです…ごめんなさい。」
女子高生はそう言うと、商品を詰めた袋を受け取りコンビニから走り去っていった…。
お客さんが出入り口のドアを開けて入ってきた冷たい風で、さっきまでの焦りが消えた、が。
「…あの…おつり…」
…しまった。無駄に動揺したせいで、お釣りを返す機会を逃してしまった。
ていうかあの人もお釣りを忘れるなよ。と内心ちょっと思ったが、俺の立場上、そんな言い訳っぽい事は通じない。
客にお釣りを渡しそこねた事が、店長に知られれば、この日のうちに、ハイさようならだろう。
と、とりあえず、色んな意味でマズイだろうが、俺は隣のレジの店長に見られないように今の女子高生のお釣りを自分のポケットの中へといれた。
もちろん、ドロボウするわけじゃない。今度会ったらちゃんと返すつもりだ。だいたい、40円のお釣りじゃバンドの資金には…。
そんなわけで、この俺の焦りの問題は一応、解決した。
ここからはいつものペースでちゃんとレジ役を務めていった。
しかし、あれから1時間くらいたってから、あの女子高生の俺への呼び止めが気になり始めた。
(俺に何かを言おうとしたんだよな。) (何を?) (やっぱり不満か…。でも俺の表情を見てマズイのを悟ってくれたのかな?)
と、一通り頭の中で正当化してみた。
だが、1時間もたって落ち着いた俺は、あらためて思い返して、あの女子高生の事を深く考えた。
(そういや、あの子、結構…いやかなり可愛かったなぁ。)
(それに今時の若い子は自分が少し可愛いからってピアスや髪染めをする。いや、それを悪いとは思わないが、あの子はあんな可愛いのに髪染めとか一切してないなんて…感心だ。)
(ん?まてよ…もしかすると、あの子が俺を呼び止めたのは、あれに気があるからで……)
と、あからさまに勝手な考えを勝手にふくらませていた。
しかも一部、オヤジ的考えまである。
「あのぅ…」
「!」
そう声が聞こえ俺は我に返った。
しまった、まただ。また意味不明な考え事をして、客を待たせてしまっていた!
「早くしてよねー、時間無いんだからぁ。」
レジの前の俺に向かって女子高生はそう言った。
また待たせたのは女子高生…なのだが、こう比べてみると、同い年だろうに、さっきのあの子とはずいぶん雰囲気が違う。
俺はあらためて感心した。 が…感心してばかりもいられず、すぐにお客さんの商品をうけとって、ペコペコと丁重深いおじきをした。
フフ。さすが、俺だ。
こう、待たせただけでここまで謝れば、いくらちょっとキツメな女子高生といえど、まぁ許してくれるだろう。
と、そう思ったが…
「ンな事いいから、早くしてよ。こっちは彼氏またせてんの。」
…ちょっとカチン。
た、確かに俺が妄想にふけっていたのは悪いが、こう何度も深く、異常なくらい謝ったじゃないか!
なのに、なんだ、そのふてくされようは…っ!
そこで俺はあらためて、比べていた。さっきのあの子との違いを…。
そうすればますます、さっきのあの子が純朴な子だなぁと思えてきた。ここにいる客とは違って。
腹はたったが、俺の立場は店員のため、反論すれば首を切られかねない。
しかも今回の事では確実に俺が悪い。
そう考え、その場は「すいません」を何度か繰り返して事なきを得た。
そして、夜が深くなってレジ役交代の時間。
俺の今日のバイト勤めも終わり、普段より疲れ、重い足取りで帰路へ…。
『2話・夢と現実と彼女』(12月14日更新分)
――――俺は、変な夢を見た――――
雨が降っていた。雨が地に降り注ぐ音が鳴り響く。
俺はそんなどしゃぶりの天気の中でずぶぬれになりながらも、誰かを見つめている。…誰だ?
…女の人だ。…なぜ、泣いてるんだ? …いったい誰なんだ?
あれ? いつのまにか、俺の周りに見知らぬ男達が2,3人居る…。この男達も…泣いてる?
こいつら誰なんだ…?
わからない。どうして皆、泣いているんだ…。
いったい、あの女の人は誰なんだ。なんで、この男達は俺と親しげなんだ。
…あれ?
なんで、俺も泣いてるんだ……。わからない、わからない。わからない…わからな……
……
「っ!!」
窓から光が差し込んでいる。俺の息は荒く、そして汗がびっしょりだ。
「夢か…」
そこで身震いした。あまりにも変な夢だった。
荒い息の中、生唾を飲んだ。
変な夢であったが、それほど、恐ろしい夢じゃなかったのに、なぜか俺の心臓が激しく鼓動している。
俺は、汗でびしょびしょなのですぐに着替えた。
着替えてスッキリして、ようやく落ち着きを取り戻した。
「夢は…忘れることにした。変な夢でも、夢は夢だ、何かあるわけでもない…。」
と、ベットの上で座り、そう呟いた。
頭の中では夢の中の何か引っかかる物を感じていたが…言葉に出たように、忘れることにした。
なにせ、バイトで疲れるようになってからは、今日ほどじゃないが、悪夢を見っぱなしだ。
俺の財産が盗まれる夢だとか、学校が燃える夢だとか…、果てには、いつも店長に俺はビビってるもんだから、店長顔のモンスターが俺を襲ってくる夢だってあった。
そんなわけで、昨日は特別疲れたわけだから、こんな夢を見たのもしょうがない。と、無理にでも自分を納得させた。
そして、いつも通り登校し、昼休みは音楽室に直行しギターに没頭。
しかし、あまり音楽室に行くのは心地いいものでは無かった。
先に音楽室で演奏をしているビジュアル系な先輩達にバカにされるのだ。
しかも、音楽好きが多いだけあって、俺は完全邪魔者扱い。
…ったく、調子にノりやがって…。何度もそんなグチを自分自身にぶつけた。
ぶつけ所が無いからだ…。
そして、今日も邪魔者扱いされた。
相手は先輩。しかも、この学校でナンバーワンのバンドグループで、プロの業界からも注目されているほど。
毎日毎日、その先輩達に対し、内心、調子にノりやがってと何度も心の中でそう思った。
少し名が知れているからって、音楽室を我が物顔で仕切る奴らには、腹が立ち、毎日そう思っていた。
が、本当は自分でも気付いてる。
奴らも調子にノってるかもしれないが、一番調子にノってるのは俺だということを…。
3年生が占領する音楽室を、新米である1年生が一人単独で入るなんて喧嘩を売ってるようなもんだ。
だから、先輩方に邪魔者扱いされても仕方ないハズなんだ。
しかし、俺と言ったら、やたらに高いロックへの誇りがあるわけだから、やすやすと教室で大人しくしていたら、それは奴らに音楽へのこだわりで負けたのと同じという、わけのわからない認識をもっていた。
だから、退けなかった。音楽へのこだわりは俺の方が絶対に高いはずだ。
そう信じている。だから、そこに年齢の差なんて無い。
と、まぁ、心の中ではこんなクサイ信念をもってる俺だが、いざ奴らに「オメー、邪魔なんだよ。」と言われても言い返せず、ただただ「すいません…」と弱気にコソコソと隅っこでギターをいじる毎日だ。
「こんなはずじゃなかったなのになぁ…」
また、そんな言葉をはなった。
それは放課後で、俺がある場所へ向けて徒歩で歩いている時だった。
ある場所というのは、バイトがない日に必ず行く場所。
そこは、俺にとってまさに絶好の場所。
学校から俺への帰り道の途中、大きな川がある。それが俺のいう絶好の場所だ。
いや、正確には河原なのだが…、川に面した、広い野原では誰にも邪魔されず、ある程度学校から離れているため、誰の目にも入らず、一人で音楽に打ち込む事ができるのだ。
今日もそこへ向かった。
当然そこにはいつもながらの風景とさわやかな風があった。
早速俺は、ギターを取り出し、新たな作曲のイメージをつかむため、一人座り込み、ジャランジャランと気取ってギターを鳴らしている。
実はこのギター、当然ながら音楽室から借りた物ではない。
親戚のおじさんが遅れながらも俺の高校入学祝いと言って、少し古びたギターを最近、譲ってくれたのだ。
少し古びた…というのは、おじさんも少し前にギターに手を出してみたが、どうにも上手くいかず途中で挫折してギターに触れなくなったからだそうだ。
まぁ、つまりは中古なんだが、金もギターも無い俺にとっちゃ、願ってもない充分すぎるプレゼントだ。
中古といえど、ナチュラルに良い響きの音が鳴る。
そんなもんだから、ジャランジャランと一人で、一流ボーカリストを気取ってノリノリでギターを鳴らし軽く歌いまくっている。
と、そこへ、背後から誰かが近づいてきた…。
俺が足音に気付いた頃にはその誰かさんから声をかけられた。
「あの…」
聞き覚えのある声…すぐに振り向くと、そこには、そう。
あのコンビニで出会った女子高生である。もちろん、感じ悪い方じゃない。最初の純朴な少女、ああ、いや美少女だ。
「あ、確か君は…」
俺はもう気付いているのにわざとらしく聞いた。
すると俺の目の前の彼女はすぐに、目を輝かせたような目で俺にこう言ってきた。
「あっ! やっぱりあのコンビニの店員さんだったんですね!」
BINGOだ。
彼女が何を考えているのかわからないが、とりあえず俺に少し気があるようだ。
なぜなら、ただの一コンビニ店員でしか無い俺をわざわざ覚えていて、しかも今話しかけてきて、そしてこの対応。
ん?まてよ。今こんな雰囲気で話しかけてきたって事は…わぁ!
と、妄想狂な俺はまた無駄な考えを起こしていた。
「ちょっとお話良いですか?」
そう話しかけられた、俺はしどろもどろになりながらも、「あ、うん、良いよ」と小さめの声で言った。
自分でも疑うべき普段は出ない小声。
彼女側は俺の返事を聞き、笑顔で俺のすぐ横に座った。
なんだよ、まるで恋人同士みたいじゃないか。心からそう思った。
「…歌声、キレイですよ。楽器の音もとっても…私の家がすぐそこなのでいつも聞こえるんです」
いきなりのキレイですよ発言に俺の思考回路はおかしくなりそうだった、が、何とか平常を保てた。
表にそんなリアクションが出ていない自信はなかったが…。
「え? あ、ありがと、そ、そうなんだ君の家、この近くなんだ、あ、そうだ君、名前なんていうの」
明らかに俺の話し方がおかしい。
だがまぁ、仕方ないだろう。だって、今俺の横にいるのは最近まで見ず知らずの女子高生。しかも、かなりの可愛さだ。
むちゃくちゃ好みの女性が自分に話しかけてきたら、男なら誰だって…と、頭の中でいつものように正当化。
「名前は、加藤詩奈(かとう しな)って言います。えっと、あなたは小林司(こばやし つかさ)さん…ですよね?」
確かに俺の名はその通りなのだが、驚いた。
なぜなら俺は彼女に名前を教えた覚えは無いし、まさか、あらかじめ調べ上げて…
「あれ? なんで俺の名前を…?」
と、わき上がる疑問に終止符をうつため、ストレートに質問。
そして返事はすぐにポンポンという感じでくるのだが、自分の間抜けさをあらためて思い知る。
「え、だって、コンビニの時ネームプレートが胸にあったじゃないですか。」
あ、そうだった…確かにその通りだ。
俺は『まさか俺のストーカーでは?』という考えまで頭が回っていたが、それを聞き、自分の妄想加減に呆れるばかり。
「あ、そ、そっか。」
照れくさそうに返した。
会話が若干止った。まずい、止めたのは間違いなく俺だ…
そうだ!と、思いついた話しかけるネタは、昨日少し気になった、なぜ君は…いや、詩奈さんは髪染めとかピアスをしていないの? という質問だ。
普通はこんな事は出会ったばかりの人間との話のネタにはしないだろうが、せっぱ詰まったボキャブラリー少ない俺はそれしか考えつかなかった…。
「そ、そういやさ、なんで君、髪とか染めてないの? ピアスもしてないし…、あんまり流行にこだわらないとか?」
すると彼女はフフッっと小笑いしながら返してきた。
「君じゃなくて、詩奈で良いよ。えっとさ…私あんまり流行とかしらなくてさ」
流行を知らない。という答えの部分より、「俺は詩奈と呼んで」という対応の方が気になっていたのは事実だ。
「へー、そうなんだ。じっつはさ〜、俺もなんだ。田舎から出てきたから、チャラチャラした奴が町に多くてビックリさ。」
すでに詩奈さんと長いつき合いであるかのような口調である。
しかし、詩奈さんの方はまんざらでも無い様子で、また小笑いしながら返してくる。
「へへっ、じゃあ同じなんだね〜。」
…いや、可愛いから。すでに俺のなかで何かときめいてる。
それと反対にこれは何かのドッキリか?と会話と会話のすきに辺りをキョロキョロと見回したが、もちろんこっちを見ている怪しい奴やカメラを構えたふざけたヤロウの影も形もない。
そして穏やかな会話が続いた。
途中から俺はギターをジャランジャラン鳴らしながら、詩奈さんと会話を続けた。
しかし、ギターを鳴らし始めると会話は長くは続かず、詩奈さんは俺と同じ川の向こうの遠くを見つめている。
俺は自然とさっきのように『気まずさ』は微塵も感じなかった。
なぜかというと、きっと詩奈さんは俺のギターのメロディを黙って聞いてくれている。そう確信していた。
ある程度、ギターを鳴らし、最後にジャーンっと決め、これもまた気取って詩奈さんに聞いた。
「どう? 俺の演奏?」
すると彼女は遠くへの視線を俺へとおくり、手をパチパチしながら言った。
「とっても上手! ビックリした!」
俺はそれを聞き、正直嬉しかった。半分くらいお世辞、と頭の中では取っていたが、彼女の態度をみると正直に受け取った。
「そ、そう?」
気分はすっかり有名ボーカリストだ。今度は歌も混じってまたギターを鳴らし始めた。
こんな嬉しい気分になったのは何年ぶりだろう…? そしてこんな気持ちにさせてくれるロックミュージックと彼女には本当に感謝だ。
が、しかし、辺りはすっかり夕暮れの赤色になっていたため…
「あ、ごめんね、歌付きのも聞きたいけど、そろそろ帰らないとお母さんが…また今度ね。」
そう言い継げると、彼女はそそくさと手を振りながら駆け足で、後ろの坂になっている野原を駆け上がっていった。
俺も彼女に視線を送り手を振り替えしていたが、俺は馬鹿だ。
どうも坂を駆け上がる女子高生を見ると、坂の下にいる俺は彼女のスカートの方に釘付け…で。
と、まぁ、彼女が視界から消え、色んな意味でがっかりしつつ、またギターを鳴らし始める。
さぁ、今日はもう、帰ろうっと。
《続く》
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■作者からのメッセージ
第2話を更新です。が…うーん…、まだ本趣旨が見えてきませんね(-_-;)
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