- 『赤い瞳の少女 ー第二章ー』 作者:南桜 / 未分類 未分類
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 キーンコーンカーンコーンと、学校のチャイムが、忙しそうになった。
 
 嫌な顔をして、門をくぐる、リオ。
 周りの人は、ひそひそひそひそいっている。
 
 リオには、何を言っているかが、もう、わかっていた。
 
 「見てみて・・・。」  「赤い瞳?!」
 「悪魔よ。」   「呪われてる。」   「近づかないほうがいいぞ・・・。」  「近づくと、呪い殺されるわ。」
 
 
 
 「悪魔の子よ。」
 
 その一言が、リオの心を貫いた。
 まるで、バラの棘のように。
 
 これは、母から受け継いだ、綺麗な真っ赤な瞳なのだ。
 彼女は、この瞳の色に、誇りを持っていた。
 でも、やっぱり、他の人と違うことには、なにか・・・。
 
 
 そう、なにか・・・。
 
 HRでのこと。
 
 「えー、今日、転校生が来ました。・・・入っていいぞ。」
 先生が、いつもの大きな声で言った。
 ガラガラ・・。と、教室の戸を開けて入ってきた少年に、リオは、内心驚いた。
 
 「ウィン・ラスデットです。よろしく。」
 転校生の、ウィン・ラスデットは、金色の、奇妙な瞳を持っていた。
 綺麗な金髪の少年だった。
 
 他の女子の第一印象は、大体想像がつく。
 
 《格好良い♪》
 絶対そうだ・・・。と、リオはキッと、ウィンを睨みつけた。
 
 どうして。
 私は、嫌われているのに。
 この瞳のせいで。
 
 なぜ貴方は好かれるの。
 その、金色の瞳は・・・・。
 
 「よろしくね、リオちゃん。」
 やさしい、穏やかな声で、リオの名前を口にした少年、「ウィン」
 次に口にした、ウィンの言葉に、リオは目を丸くした。
 「その赤い瞳・・・、可愛いね。」
 
 
 「え・・・?」
 リオは振り向く。
 ただでさえ、気味悪がられる、この瞳を、「可愛い」と言ってくれるのだ。
 これ以上、不思議なことはない。
 
 
 
 少年と、少女の、この奇妙な出会いは、ここから始まった・・・。
 赤と金、その、因縁が、今、二人を呼び覚ます・・・。
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2003/11/20(Thu)18:42:10 公開 / 南桜
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■作者からのメッセージ
 主人公と、ヒロイン出会いシーン!!
 って感じで描きました。。。
 ではこれで。