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『友情  〜第五章 三ヶ月〜』 作者:悠 / 未分類 未分類
全角750文字
容量1500 bytes
原稿用紙約2.6枚
数分後、二人はD組にいた。
一応、紗子のクラス、B組には玲はいなかったが、紗子が嫌がったので、
将登がカバンを取りに行き、その間、将登の席に座っている事にした。

「紗子、おまたせ。これで全部?」

「ん…と、うん。ありがとう…」

いつもの太陽のように眩しい笑顔はそこには無かった。
厚い雲に覆われて、光が見えなかった。将登は、紗子の手をぎゅっと握った。

「ねぇ、紗子?今日、何の日か覚えている?」

「…え?」

不意を付かれたかのように紗子が顔をあげる。
そこには、将登の優しい笑顔があった。

「今日、俺たちの三ヶ月記念!もしかして、忘れちゃった?」

「忘れてない…けど、何で?」

「記念に何処か寄ってかない?」

紗子の悲しみを紛らわせる為、将登は出来るだけ明るく言った。紗子は安心し、少し微笑んだかのように見えた。

「将登といれれば…いい」

その言葉に将登は困った。
こういう事を言えば、いつも何処に行きたいかをはっきり言う紗子が
こんな事を言うとは思っていなかった。

紗子はそこまでショックを受けているのか…俺に何かできることは無いのか?
でも、よく考えてみれば、思い出に残る事をすれば、さっきまでの事を含め、紗子の心に深く残ってしまう…

そんな事を考えていると、言葉が少なかった紗子が口を開いた。

「将登…」

「ん、何?」

「…ごめん…ね。」

思いがけない言葉に驚くと、紗子の目には涙が溢れていた。

「ごめん…ごめん…っ」

「違うよ、紗子は悪くない。よく耐えたね。こうなる前に気付けなくてごめん…」

「うう…ん。私が悪…いっ…」

涙をこらえながら自分を責める紗子が、ケナゲで、可愛くて、自分が守らなくてはいけない、と思った。

「紗子、帰ろうか。」

二人は学校から紗子の家まで、ギュッと手をつないで帰った。
2003/11/10(Mon)18:08:01 公開 /
■この作品の著作権は悠さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
第五章、自己満五回目ですo
そろそろ続きを書き足さないとやばい!(汗

はるかサン、いつもレスありがとう!!
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