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『紅い髑髏(レッドスケル) 第四話』 作者:輝 / 未分類 未分類
全角1874.5文字
容量3749 bytes
原稿用紙約7.25枚
「あ〜あ。」

町外れ。ガイは柵にもたれかかって大あくびをかましていた。
時間的にはまだ深夜。だが、東の空はほんのりと紅く染まってきている。

「とんだハズレくじだぜ。ったくよぉ。」

自分が行った方には、違法船の造設ドッグがあるだけだった。
何かムカついたのでめったくそにぶっ壊してきたが。

ヘンルーグ卿はユアンの方にいる。
こちらには見張り以外の人間はいなかったことからして、
城の全兵士を集結させているのだろう。

もうすぐ夜明け。だがまだ少年は現れない。

もう一度出そうになるあくびをかみ殺し、ボソッっと呟いた。

「たく・・おせーんだよ。」





―――少し時間は戻って。

大勢の兵士に護られ、ヘンルーグ卿は真ん中でふんぞり返っていた。

「今日の騎士が来るかと思ったが・・。
 こんな餓鬼に兵士を集めるまでもなかったな。」

あっちは約30人ほど。
対するこちらは一人。

圧倒的な不利にもかかわらず、ユアンは笑っていた。
それが気に入らなかったらしく、ヘンルーグ卿が向こうの方で叫んでいる。

「何がおかしい!!自分の死を悟って気でも狂ったか!?」
「別に?やっぱり貴族だなぁって思って。」
「何?」
「そんな真ん中でふんぞり返っちゃってさ。
 結局自分は何もしないんだろ?手を汚さないんだろ??
 アンタらはいつもそうさ。自分が贅沢したいから、他人を犠牲にする。
 キレイなものに目がないから、薄汚い俺達平民には目もくれない。
 自分キレイなままでいたいから、奴隷をやとう他人を使う!!」

ユアンの声は自分でも気づかないうちに大きくなっていた。
その声からは、あきらかに憎悪の念がにじみでている。

「何を怒っている?上の者が下の者を踏み台にして、何が悪いというのだ。
 所詮、民など我らの道具にい過ぎぬ!!」
「アンタらの生活の下に、どれだけの犠牲があるか分かってんだろ!?
 いっつも被害が一番にくるのは俺達だ!!
 平民はいつも、関係ないことで・・貴族の勝手な事情で被害をうけてるんだ!!」




まだ幼いころ・・・。

町が焼けた。

みんなが死んだ。自分も死ぬところだった。

それを助けてくれたのが・・・。




「フェルロンさんなら、この腐りきった世の中をどうにかしてくれる…。
 ガイさんが、アンタらみたいな最低貴族を処罰してくれる…。」

そこで、彼はまた笑った。
向こうで何も言い返せずに呆然としている、あの貴族へ向けて。

「ご愁傷様。アンタらの時代は終わりだ。
 ・・・もっとも。アンタはここで終わりだけどな。」

柄の先端についているボタンをカチッっと押した。
切っ先をヘンルーグ卿へ向ける。

「・・貫け!!『アリシア』!!!」

一瞬の出来事だった。

ユアンの叫びに反応し、刃が一直線に伸びた。
そのままヘンルーグ卿の額にサク、と刺さる。
ヘンルーグ卿が悲鳴もあげずに血を流して倒れた。

「・・うなれ」

小さな呟きとともに、伸びたままの刃先が鞭のようにしなった。
周りの兵士を巻き込んで・・・。


数秒後、そこには血溜まりの中に立つユアンの姿しかなかった。
刀も元の姿に戻っている。

「・・ごくろうさま・・・『アリシア』・・」

刀を鞘に戻し、物言わぬ肉塊となった貴族達には目もくれずにユアンはきびすを返した。






そして、日が昇ったころ。


「ガイさーん!!おまたせ〜っ!!」

ようやく彼がやってきた。
地面に寝そべっていたガイは、立ち上がって服をはたく。

「おっせーんだよっ!!このボケッ!!
 おめぇのせいで俺はとんだ無駄足だったじゃねぇかっ!!」
「だってガイさんが自分で決めたんじゃん・・・あだっ;;」
「うるせぇっ!!ったく・・俺を待たせるとはいい度胸だ。」
「だからって殴んなくても〜;;」

殴られたところを痛そうにさすっている。
ユアンの服にはところどころ、薄くではあるが紅いものがこびりついていた。
それを見て、ガイはため息をつき、ユアンの頭をポンッと叩く。


「ま、よくやったじゃねぇか。」


思いっきり殴られたところ。

優しく叩かれたところ。

ほぼ同じ場所を押さえて、ユアンはしばし呆然としていた。
が、その顔はすぐに笑顔に変わる。

「はいっ!!」




『紅い髑髏(レッドスケル)』

平民出身の6人で構成された、王族護衛騎士隊。

後世に伝わっているのは、その残虐なまでの任務遂行力と、世間に轟かせた悪行の数々のみである。

彼らの本当の姿は、もう誰も知ることがない。




「よっしゃ、帰るぞー。帰ったらフェルロンにしこたま奢らせる!!」
「まぁだ言ってんスか・・;;」

2003/11/09(Sun)15:36:28 公開 /
■この作品の著作権は輝さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
えーと、とりあえず一段落です。
続きでは他のメンバーも出せたらな〜、なんて思ってますvv
感想をくださった皆様、ありがとうございました〜v励みになってます!!
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