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『人造少女   〜X章〜』 作者:NEO / 未分類 未分類
全角1193文字
容量2386 bytes
原稿用紙約4.55枚


「こ・・・これは・・?」

そこは家の割には小さな部屋で、得体の知れないカプセルが並べられている。

両側にズラっと一列。青やら黄色やら奇妙な色の液体が入ったカプセルがたくさん。

その液体の中には新種の生物らしき物が入っている。

「なんだ?これ?なんて生物だ?」

俺は両側に置かれたカプセルを次から次へ興味津々に見た。

そしてふと、部屋の一番奥に他のより大きいカプセルがあるのに気づく。

俺はそれに心を引かれ、スタスタと向かっていった。

「これは何が入ってたんだ?」

言いながら後ろを振り向いた。

振り向くと、すぐ後ろに三上は立っていた。

「・・・それは・・・」

返答を待たず、俺はまたカプセルの方へ向きかえり、すぐ手元にあったネームプレートを読む。

「KAM-3 『零式』・・?」

「それは・・・私が入っていた・・・カプセル・・」

後ろから声。

その主はもちろん三上。

俺は振り返り、

「ははは!お前も冗談―――」

「本当よ・・・」

その顔はいつになく真剣だった。

俺も、笑顔が消える。

「・・・は?・・・どういう・・・事だよ・・?」

混乱。

そして三上がゆっくりと口を開く。

「・・私は・・『人間』じゃない・・・人によって作られたモノなの・・・」

話を続ける。

「一緒にご飯を食べられなかったのも、そのせい・・・名前は『KAM-3』というのを少し変えて『三上』。『零式』を『零』・・・」

表情ひとつ変えないで言う、三上 零。

「そんな・・・そんな・・・事って・・・」

俺はうつむいた。

三上は、また部屋を出ようと後ろを向く。

「・・・自分の事・・・」

「・・・?」

俺の小さな声に気づき、また振り返る三上。

「自分の事『モノ』とか言うな!」

大きな声をあげてしまう俺。

三上がその声に目を見開き、驚く。

「『人間』じゃないとか・・・言うなよ・・・」

今度は小さい声で。

「・・・・・・何故・・・泣いているの・・?」

不思議そうに俺を見る三上。

俺は・・・泣いていた。

自然に、流れていた。

「何故・・・?・・・それは・・・」

俺は反射的に口を開いた。少し微笑んで。

「悲しいからだよ」


                ドクン


「・・・悲・・・しい・・・?」

目を見開いたまま呟く三上。

「なんだ・・・流せるんじゃん・・・・・・・・・・『涙』。」

三上は泣いていた。

「・・・何故?・・そんな訳ない・・・私は・・・泣けるはず・・・ない・・・のに・・・」

流れた涙を手にすくってそれを見る三上。

「・・・いいんだ・・・それで。・・・三上も『人間』だよ。・・・これがその証拠・・・」

その瞬間、

「わ・・・わた・・し・・・うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

三上は大泣きした。

俺の胸の中で。

俺もオドオドしながらも三上の肩に手を添える。


      三上が初めて『人間』らしい姿を見せた瞬間だった。


2003/11/07(Fri)23:46:00 公開 / NEO
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■作者からのメッセージ
みなさん!嬉しいコメントの数々ありがとうございました!
完結は次かそん次くらいになるかな・・・?
よかったら感想下さい。
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