- 『人造少女 〜X章〜』 作者:NEO / 未分類 未分類
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原稿用紙約4.55枚
「こ・・・これは・・?」
そこは家の割には小さな部屋で、得体の知れないカプセルが並べられている。
両側にズラっと一列。青やら黄色やら奇妙な色の液体が入ったカプセルがたくさん。
その液体の中には新種の生物らしき物が入っている。
「なんだ?これ?なんて生物だ?」
俺は両側に置かれたカプセルを次から次へ興味津々に見た。
そしてふと、部屋の一番奥に他のより大きいカプセルがあるのに気づく。
俺はそれに心を引かれ、スタスタと向かっていった。
「これは何が入ってたんだ?」
言いながら後ろを振り向いた。
振り向くと、すぐ後ろに三上は立っていた。
「・・・それは・・・」
返答を待たず、俺はまたカプセルの方へ向きかえり、すぐ手元にあったネームプレートを読む。
「KAM-3 『零式』・・?」
「それは・・・私が入っていた・・・カプセル・・」
後ろから声。
その主はもちろん三上。
俺は振り返り、
「ははは!お前も冗談―――」
「本当よ・・・」
その顔はいつになく真剣だった。
俺も、笑顔が消える。
「・・・は?・・・どういう・・・事だよ・・?」
混乱。
そして三上がゆっくりと口を開く。
「・・私は・・『人間』じゃない・・・人によって作られたモノなの・・・」
話を続ける。
「一緒にご飯を食べられなかったのも、そのせい・・・名前は『KAM-3』というのを少し変えて『三上』。『零式』を『零』・・・」
表情ひとつ変えないで言う、三上 零。
「そんな・・・そんな・・・事って・・・」
俺はうつむいた。
三上は、また部屋を出ようと後ろを向く。
「・・・自分の事・・・」
「・・・?」
俺の小さな声に気づき、また振り返る三上。
「自分の事『モノ』とか言うな!」
大きな声をあげてしまう俺。
三上がその声に目を見開き、驚く。
「『人間』じゃないとか・・・言うなよ・・・」
今度は小さい声で。
「・・・・・・何故・・・泣いているの・・?」
不思議そうに俺を見る三上。
俺は・・・泣いていた。
自然に、流れていた。
「何故・・・?・・・それは・・・」
俺は反射的に口を開いた。少し微笑んで。
「悲しいからだよ」
ドクン
「・・・悲・・・しい・・・?」
目を見開いたまま呟く三上。
「なんだ・・・流せるんじゃん・・・・・・・・・・『涙』。」
三上は泣いていた。
「・・・何故?・・そんな訳ない・・・私は・・・泣けるはず・・・ない・・・のに・・・」
流れた涙を手にすくってそれを見る三上。
「・・・いいんだ・・・それで。・・・三上も『人間』だよ。・・・これがその証拠・・・」
その瞬間、
「わ・・・わた・・し・・・うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
三上は大泣きした。
俺の胸の中で。
俺もオドオドしながらも三上の肩に手を添える。
三上が初めて『人間』らしい姿を見せた瞬間だった。
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2003/11/07(Fri)23:46:00 公開 / NEO
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■作者からのメッセージ
みなさん!嬉しいコメントの数々ありがとうございました!
完結は次かそん次くらいになるかな・・・?
よかったら感想下さい。