- 『紅い髑髏(レッドスケル) 第一話』 作者:輝 / 未分類 未分類
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皇国歴史書の記録によれば。
帝国暦3098年。大栄華を極めていた帝国で起きた突然の悲劇。
賢王カーラーン2世の死。
その後釜として王座に座ったのは、まだ若干21歳の青年であったと言う。
青年の名はフェルロン。
カーラーン陛下には皇子と皇女が一人ずつ授けられた。
当然、帝王の継承権は彼の一人息子であるフェルロン殿下にあったわけだが・・・。
フェルロン青年は、王宮で暮らすことを好まず、
自ら望んで平民と同じ軍の養成施設に通っていた。
そこで生活していた彼に、突然王座へ座ることへの要請が下ったのである。
当時の性根が腐りきった貴族は、彼がカーラーンの後継ぎとして王座につくのを嫌い、彼に様々な刺客を放ち、罠をかけ、
何としてでも王座から引きずり降ろそうとしたという。
そして、第157代目帝王となったフェルロンを、
当時の腐りきった悪徳貴族から守るべく立ち上がった若者達がいた。
それが、帝国史上前代未聞の恐怖の殺戮集団、
王族護衛騎士隊及び、「紅い髑髏(レッドスケル)」である。
その二つ名の由来は、紅い血しぶきにまみれながらも闘い続ける彼らの姿を、正確に象徴したモノだった。
後世に語り継がれている彼らの行動は、任務、すなわち帝王を護るためならどんな手段も厭わない、残虐非道な立ち振る舞い。
しかし記録は記録でしかなく、彼らの本当の姿は、
大きな歴史の渦に巻き込まれることとなってしまった。
これから語る物語は、帝国が滅び皇国が立ち上がった今でさえも
その名を恐怖の代名詞として轟かせている、しかし本当は、
ただ一人に忠義を尽くし、己の信念を掲げて毎日を体力気力、時の運で
切り抜けてきた若者達の物語である・・。
――帝国暦3100年。
第157代帝王、フェルロン陛下より護衛騎士へ。
今回の任務は・・・・・。
「・・・右だな。」
「左ッスよ。」
「いいや、右だ。」
「俺は左だと思うけどね・・・てか、何でそんな自身あり気なんスか;;」
「うるせぇな。俺が右だと言ったら右なんだよ!!
俺が黒を白だと言ったら 白だ!!
俺がお前を女だと言ったらお前は女だ!!」
「はぁ、なるほど・・・・って違うって!!
何スかそのめちゃくちゃな理論!!
俺は男!!れっきとした17歳健康優良男児!!」
「ま、ンな事ァどーでもいんだよ。おら、行くぞ。」
「え、結局右っスかぁ〜??・・・いてっ!!」
「愛の拳骨。ありがたく受け取れ。」
そんな珍問答をしながら街道の分かれ道を右に進んでいく二人組。
透き通るような銀髪を持つ背の高い青年と、
拳骨をくらった若い黒髪の少年。
一見ただの旅人に見えるが、彼らの羽織っている外套にはしっかりと帝国王家に受け継がれる紋章が刺繍してある。
そして、その紋章をさずかっているということは、
王族に仕える騎士であるという証拠。
「大体なぁ、俺達の仕事はアイツの護衛だろ!?
何だってこんな辺境貴族を訪ねなきゃなんねんだっつの。」
「ガイさん・・・。いくら幼馴染で親友だからって『アイツ』はまずいっ て。
あっちは帝王陛下。俺達は護衛つってもただの軍人。・・・ってぇ!!」
「ンな事聞いてんじゃねぇよ。何で俺達が!!貴族共に尻尾ふりに来なきゃ ならねぇんだって言ってんだよ!!」
「だぁって、フェルロンさんからの頼みだもん。しょうがないッスよ。」
「・・畜生フェルロンの野郎っ!!帰ったらしこたま奢らせるっ!!
てゆーか、まず殴る。殺す。」
「だからソレはヤバイっつってんの。・・・はぁ。」
「よっしゃ。そうと決まったらとっとと用事終わらして帰るぞ!!
おらてめぇ、ユアン!!とろとろすんなぁ!!走れぇ!!」
「何でだよっ!!;;」
『今回の任務は・・・。
帝都より3ヶ月。辺境の町ヘンユーグの侯爵殿に挨拶。
ついでに最近噂に聞く彼の奇妙な動向を探ってきてくれ。』
泣く子も黙る護衛騎士。
彼らが逆らわない(えない)唯一の相手は、やはりフェルロン陛下その人である。
かくして任務はスタートするが。
まずは、ヘンルーグまでマラソン競争。
恐怖の象徴「紅い髑髏(レッドスケル)」
まずは銀髪の騎士隊長と彼の相棒のご登場である。
「・・・ガイさん?ぜってーココ違うと思うんだけど・・・。」
「はっはぁ。こりゃぁアレだな。何というか・・・」
「ほらぁ!!やっぱ左じゃないスか〜!!
頑張って走ったのにムダ骨だぜ・・・・あたっ!!」
「一回の失敗でつべこべ言ってんじゃねぇって。ま、アレだよ。
ゆっくり行っていけすかねぇ貴族様を待ちくたびれさせようって俺様の作 戦は成功だな。」
「・・・嘘つけ・・・。」
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2003/11/03(Mon)23:42:12 公開 /
輝
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■作者からのメッセージ
はじめまして〜vv
何だかようやく完成です。
まだまだ未熟なのですが、これから頑張って人の心に何か響くことのできるモノを書いていきたい、と思います!!
この作品について、何か感想がございましたら・・。
叱咤激励何でもかまいません。
それが私の成長の糧になります!!ぜひ皆さんの感想をお聞かせください!!