- 『真実の名−蒼の世界−』 作者:HARU / 未分類 未分類
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 原稿用紙約2.4枚
 
 ・・・ゆらゆら、たぽん。ゆらゆら、たぷん・・・
 
 −ここはどこだろう・・・蒼くて冷たい・・・それよりも私は誰?−
 
 声が聞こえる・・・『貴方の名前は・・・』そこまででいつも途切れる。
 途切れたあとには静寂が訪れる。そしてまた『ゆらゆら』の時間が来る。
 
 −『ゆらゆら』は気持ち良いな。何か安心する・・・私は本当に誰?−
 私はいつも一人。友達を欲しいとは思わないし、思ったことは無い。
 それよりも私は『名前』を持っていない。人に名乗ることも無い。
 私の存在は歪んでいる。・・・でも私は私。けれど『名前』は授からなかった。
 可哀相な私。私を認めてくれる人はいない。認めているのは自分自身。
 
 『貴方の名前は・・・』
 
 −またあの声だ。女の声でとても澄んでいる。突き抜けそうな声−
 声を聞きたくない−その一心で『ゆらゆら』を無理矢理始めようとする。でも出来ない。
 
 「・・・もうすぐ外に出られるかな。」
 私は重い扉を開けようとした。しかし、開けようとする前に外側から扉が開いた。
 外には男が二人、私の方に銃を向けて立っていた。
 「GP−1055、出ろ。」
 「『GP−1055』?それが私の名前?まるで機械みたいだ。私は一体何なんだ?」
 せっかくの名前にけちをつけてしまう。でも、それも私。男は私にこう言った。
 「お前は暗殺用のドロイド。名前などというものは必要無い。来い、任務だ。」
 そう言うと私は強制的に連れて行かれ、黒い服を着せられた。
 その他に銃やナイフを持たされた。
 「標的はこいつだ。グラド・グランヴァス。必ず息の根を止めて来い!」
 そう言われて私は『部屋』を後にした。
 
 −私は殺しをする為に居るの?私は私の名前だけが知りたいのに−
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2003/11/01(Sat)23:20:37 公開 / HARU
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■作者からのメッセージ
 初めまして。HARUです。
 ここで作品を書くのは初めてで、おまけにとても短いです。これはプロローグとして受け取っていただきたいです。
 これからバンバン書きます。宜しくお願いします!