- 『あの空の下で・・・・・・。 第五章 過去』 作者:葉 / 未分類 未分類
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RISA`s EYE
あれから一週間・・・・・。
サトシの意識はまだ戻らない。
「サトシ・・・。早く目を覚ましてよ・・・・・。」
私はサトシの手をそっと握った。
SATOSHI`s EYE
「ここは一体どこだ・・・・・?」
俺は見知らぬ丘に立っていた・・・・・・。
「あそこにいるのは・・・・・、理沙か?」
俺は人影に近づいていった。
そして、その人影は振り向いて話しかけてきた。
「あっ、サトシお帰り。」
「もしかして、姉さんなの?」
「なに、幽霊を見ているような顔をしているの?」
「だって、姉さん達は今から五年前の五月三日に・・・・・。」
「何を言ってるの?今日は五月二日だよ。」
そんな、もしかしてあの事件の一日前なのか?
「それよりサトシ、かえって母さんの手伝いでもしましょう。」
「ああ。」
何もかもが懐かしい。この家も、姉さんや家族のみんなが・・・・・。
父さん、母さん、洋輔兄さん、南姉さん、妹の美沙、弟の拓弥。
みんな明日には・・・・・。
それはどうにかして止めたい!無理だとしても!
「あっ!サトシお帰りなさい。」
母さんの優しい声が響く。
「サトシかお帰り。」
父さんの低い声が。
「よぉ!サトシお帰り!」
兄さんの声だ。
「サトシ兄ちゃんおかえり〜!!」
妹の美沙の声が。
「お兄ちゃん!お帰りなさい!!」
しっかり者の拓弥の声。
「みんな・・・・。ただいま。」
あれからひと時の幸せを楽しんだ。
「サトシ?」
「なに?姉さん。」
「サトシ、今日は何かおかしいよ。なんかあったの?」
「それは・・・・・、いやなんでもないよ。ちょっと疲れただけ。」
「うん!それならいいわ!おやすみサトシ。」
「おやすみ、南姉さん。」
姉さんは部屋から出て行った。
次の日の朝・・・・・・。
「サトシお兄ちゃん!起きてくだちゃい!」
「うっ、美沙か?」
「お母たまとお姉たまが怒ってます!」
「ああ、今行く。」
焼きたてのパンのにおいがする。
「サトシ?やっと起きたの?」
「ああ、ごめん姉さん、昨日いろいろ考えてたから。」
「サトシが?珍しい。それよりサトシ、ご飯食べたら隣町まで買い物に行ってきて くれない?みんな忙しくて。」
「わかった。」
「私も行っていいでしょ!お母たま!」
「簡単な買い物だから。お留守番してなさい。
「はぁ〜い」
「ごちそうさま。それじゃ行ってくるね。」
「気をつけてね。」
「ああ、姉さん行ってくるよ。」
これが家族を見た最後のときであった。
俺は町で買い物を終わらせた時であった。
「大変だ〜!あっちの丘が敵の攻撃にあっているぞ!こっちに来るかもしれないみ んな非難するんだ!」
あっちの丘といいながら指差していた方角は、俺たちの家の方角だった。
「姉さん!みんな!」
俺は無我夢中で走った。
丘についた頃には当たり一面焼け野原。
家なんか跡形もなかった。
「そんな、俺はまた止めることができなかった・・・・・・。」
俺の目には涙があふれてきた。
目の前に姉さんの姿がかすかに見えてきた・・・・。
「ねえさん!生きていたの?」
「いいえ、私はもうこの世のものではありません。」
「あなたはこのことを悔やんで未来に進もうとしていません。」
「あなたはこの地球の未来を守らなくてはいけないのです。」
「地球の未来?俺にそんなことが・・・。」
「だからあなたにはすばらしいパートナーがいるのでしょう?」
「理沙のことか?」
「ええ、あなたたち二人は出会う運命だったのです。」
姉さんの姿が消えてきた。
「姉さん!俺のことを恨んでない?」
「恨む?あなたは私の最高の弟よ。」
「あなたには待っている人がいます。さぁ、あなたの世界へ。」
最後に姉さんは俺の頭をそっとなでた。
RISA`s EYE
「サトシ・・・・・。」
その時、サトシの目が開き始めた。
「サ、サトシ!」
「理、理沙・・・・・。」
「俺は、俺は・・・・・・・。」
そういってサトシは泣いていた・・・・・。
いままでにないくらい・・・・・・・・。
私にサトシの過去は知らない・・・・・・・。
知らなくてもいい。
私にだってサトシとの思い出はたくさんあるから・・・・・・・。
次回予告
あの空の下で・・・・・・。 第七章 最終作戦
復活したサトシ・・。敵との最後の戦いにするため最後の作戦会議が開かれた。
そこで驚愕の最終作戦が伝えられた・・・・・。
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2003/10/31(Fri)21:10:24 公開 /
葉
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■作者からのメッセージ
更新送れてしまいました。すいません。
感想をくれた方々ありがとうございました!
これからも感想をお待ちしております。