- 『学校の階段』 作者:Rue / 未分類 未分類
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「なぁ、聞いた?」
「聞いた、聞いた!」
「怖いよな〜。」
「あんなん、ウソやろ。」
小学校の昼休み。
5年3組の教室は、さっきからこの話題で盛り上がっている。
「夜中に幽霊が出るって?」
「どこに?」
「屋上に行く階段。」
どこにでもあるような話だ。
昔、階段から落ちて死んだ女の霊がでるらしい。
この先の展開も決まっている。
「今日、9時に門の前に集合な。」
夜9時。
珍しく誰も遅刻しなかった。
といっても、4人しかいないが・・・。
4人は抜け穴から学校の中に入っていった。
皆、いろんなものを持ってきている。
懐中電灯はもちろん、軍手、ヘルメット、金属バット、コンパスまで持ってきている奴もいる。
4人は慎重に階段を上っていった。
問題の階段の前に着いた。
案の定、何もいない。
それから十数分、4人は隠れて待った。
やはり、何も出ない。
あきらめて帰ることにした。
4人はがっくりしながら、階段を降りていった。
内心ほっとしている奴もいたが・・・。
2階まで降りてきた。
4人の足が止まった・・・。
下の方から足音が聞こえてくる。
例の女の幽霊だろうか。
いや、違う。男だ。
ナイフを握った人間の男だ。
こいつは最近この町を騒がせている通り魔だろう。
電柱の張り紙を見たことがある。
固まっている余裕はない。
4人は各々武器を手に取った。
男が向かってきた。
正直、力ではかなわない。
逃げるが勝ちだ。
4人は命からがら逃げ切った。
その後、警察に通報し、通り魔は捕まった。
4人も親に捕まり、こっぴどくしかられた。
しかし、今回の一件で4人は悟った。
本当に怖いのは、幽霊なんかより人間なんだ・・・。
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2003/10/31(Fri)00:17:13 公開 / Rue
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