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『俺とポチ』 作者:神崎盛隆 / 未分類 未分類
全角1695文字
容量3390 bytes
原稿用紙約5.2枚

今日も平然と過ぎて行こうとしている。
俺は、学校の鞄を肩にかけ、少し狭い道路を歩きながら、いろいな事を考えながら夕日を見上げる。
そういやぁ、高島のやろうから、10回以上説教されたっけな。今度やってきたら、顔面に一発くらしてやるか――
生活指導の担当をしている八木が、顔面にパンチを食らって今にも泣きそうな顔を思い浮かべながら、くすっと笑う。
帰ったら何すっかな…。今日も親は残業で遅れるって言ってたし。しょうがねぇや、ゲームでもやるかな。ちょうど、超雑魚軍団のところで躓いてるし。
深いため息をつき、ちょうど近くに転がっていた缶を蹴り飛ばす。だがその缶は、運が悪く、そこらへんで一番狂暴で有名の野良犬の頭に直撃する。その野良犬は、缶が当てられた事にプチってきたのか、ものすごい声で吠え、俺に襲いかかる。
マジかよ……。だが、今日で決着つけてやるぜ!野良犬のポチ!!
偶然に転がっていた太い木の棒を拾い、俺は構えた。そして、ポチと俺の差があと数十センチで、俺は木の棒を振り、ポチの顔面に直撃し横の壁に叩き付けられる。
――ポチって案外弱かったんだな。もしくは、俺が強すぎたか?
苦笑いをしながら俺は、言う。
その時、ポチは再び立ちあがり、また俺に飛び掛る。だが俺は避け、ポチは壁に激突する。しかし、また立ちあがる。
お…おい。なんか、すげぇポチってしぶといんだな。
ちょっと驚きながら俺は、再び棒を構える。

そして、30分ぐらいたったであろうか。
俺とポチは、まだ戦っていた。ポチは、体のあちらこちらに、アザやたんこぶが出来ていて、俺は制服の左袖を破かれていた。
はぁはぁ……。なぁ、もうやめにしないか?お前も、その傷じゃあ戦えねぇだろう。
木の棒を地面に突き立て、息を切らせながら俺は、ポチに聞く。その時、ポチは地面に座りこむ。
「なかなかやるな、お前も。この野良犬界最強と言われたポチ様をここまでさせるとわ」
ポチは、険しい表情を浮かばせながら喋る。
お…おい!?なぜポチが喋ってるんだ!!……ああ。俺は疲れてんだな。
「じゃあ、俺様は帰らせてもらう。だが、今度会った時は、容赦しないからな」
あ…ああ。わかった……
そしてポチは、ふらつきながらその場から立ち去って行った。
やっぱり、俺疲れてんだな。帰ったらすぐに寝よう。
 そして俺も、ふらつきながら家へと帰って行った。

翌朝。
雨がポツポツと降る中。俺は、いつものようにその道路を通っていた。
傘を広げ、昨日ポチが、なぜ喋っていたのか、不思議に思いながら。
そして、学校の正門に着く。そこには、ぐったりと倒れこんだポチの姿があった。
ポ・・ポチ?もしかして、死んじまったのか?
俺は、驚きながらぐったりとしたポチを抱きかかえる。だがポチは、息をしている形跡はなく、やっぱり死んでいた。
……これって、予想外な展開だな。しょうがない、学校の庭にでも埋めてやるか。
そしてポチを抱きかかえたまま立ちあがり、学校の敷地内に入る。その時、俺の前に高島が立ち塞がった。
「修史。その犬をどうする気だ?」
うっせえ。少しは黙ってろ。
俺はそういいながら、片手で高島の顔面に一発食らわせてやった。高島は、そのいきよいで、横に飛ばされ、水溜りの中に入った。それを見た俺は、走って学校の裏庭へ走って行った。

 そして俺は、裏庭のあまり人が来ない所に、ポチの墓を作った。墓といっても、埋めた所の上に土の山を作って木の棒を一本立て、花を1輪供えただけの小さな墓だった。
ポチ。ここで、安らかに眠れよ……
俺は、手を合わせて拝む。
その時、顔面を殴られた高島に背中を掴まれ、顔面を2発殴られた。
「修史。よくも先生を殴ってくれたな。ちょっとこい!!今すぐに校長に突き出し、退学させてやるからな!!」
ああ、やれよ。このブタ!!だいたい、学校なんぞ前々から辞めようと思ってたんだよ。
俺は高島に眼つけながら言うと、一発脹脛に殴り、走って校長室へ向かった。

そして俺は、学校を退学し、それが原因で、親から追い出され、俺はポチの様になっていた――
                        ―完―
2003/10/25(Sat)23:34:19 公開 / 神崎盛隆
http://members.goo.ne.jp/home/hosinokisi
■この作品の著作権は神崎盛隆さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
投稿第2作目です。
今回の作品は、暴力シーンが多かった(汗
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