- 『月光蝶 一』 作者:壱ノ妙 / 未分類 未分類
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 「もしも、もしもですよ? 死なない人間が、死ぬことの出来ない人間がいると言ったら、あなたは信じることができますか?」
 そう言って彼女は笑った。
 見ている方も思わず笑ってしまうような、そんな微笑みだった。
 しかしぼくは笑わなかった。
 
 第一章
 
 ぼくの体に意識が覚醒する。
 ここはどこだろう・・・・・・
 ぼくの部屋じゃないようだ・・・
 そうだ、段々と思い出してきた。ここは山奥の大きな家。
 静かに建っている大きな家。
 何のためにこんな山奥に建っているのか疑わしくなるような・・・
 そんな家の一室でぼくは目を覚ました。
 何故、ぼくはこんな場所にいるのか、全てはぼくの友達の片桐敦志という男のせいだ。
 とあるアパートの一室、今ぼくが使っているその部屋に片桐がやって来た。
 片桐はあるサークルに参加している。そのサークルの活動で(一体どういう活動目的かまではぼくは聞かなかったが)山奥の大きな家に一週間泊まる事になったという。そしてどういうわけか、片桐はこのぼくを誘ってきたのだ。
 ちょうど、暇をしていたので、ぼくはその時はなにも考えずあっさりOKし、こんな山奥に連れてこられたというわけだ。
 そんな風に回想しながら、ぼくはゆっくり体をおこす。
 この部屋には時計が無いので正確には分からないが、多分朝の7時くらいだろう。
 朝起きたらまずは朝食を食べないといけない。ご飯をたべないと人間は死んでしまう。
 ぼくは部屋の外に出て、大広間を目指して廊下を歩き始めた。
 
 大広間にはすでに三人の人が集まっていた。
 一人は片桐だ。
 もう一人は確か、山西さんだったか。このサークルの会長であるらしい。
 もう一人は外山さんだ。
 外山あさきさん。この家の持ち主。礼儀正しく、なかなかの美人である。
 「あら、おはようございます。」とあさきさんは極めて普通のあいさつをしてきた。
 「ええ、おはようございます。あさきさん。」とぼくもあいさつを返しておく。
 「おい、こっちに座れよ。」とぼくに言ってきたのは片桐だった。
 ぼくは言われるまま片桐の横に座った。
 「朝食は和食と洋食どちらにしますか?」と、あさきさんが聞く。
 ぼくは少し迷ってから、和食をお願いします、と答えるとあさきさんは「少し待っていてください。」と言って大広間から出ていった。
 片桐は一足早く朝食を終えたのか、空になった食器が目の前に置いてあった。
 「そういえばよ」と片桐が口を開いた。
 「何でこの家に来たのかその理由をお前にはまだ言ってなかったよな。知りたいなら教えてやるけどどうする?」と聞いてきた。
 別に断る理由もなかったので、ぼくは頼むよ、と答えた・・・・
 
 続く・・・・・
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2003/10/14(Tue)00:22:44 公開 /  壱ノ妙
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■作者からのメッセージ
 初めまして。一ノ妙と申します。
 小説を書いたりするのはほとんど初めての僕なんかが書き込んでいいんでしょうか・・・
 一応まだまだ続きます。
 ここまでじゃ、何もないと思いますが、感想や意見などがありましたら、メール待ってます。