- 『a ra ta / a i [7]・終・』 作者:さこ / 未分類 未分類
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 原稿用紙約2.5枚
 
 「お前は俺の初恋なんだよ!!」 言ってしまった。頬の辺りが熱い。俺きっと真っ赤なんだろうな。
 
 しばらく如月を見る余裕もなくしてうつむいていた。
 遠くでカラスの鳴く声がする。
 夕日も落ちて辺りの外灯がつき始めた頃やっと、冷静さが戻ってきて如月の方に向き直ることができた。
 
 『アイ』が、そこにいた。
 
 蹲って顔を上げない。
 「どうした?」
 「・・・泣いてんのか?」
 ひくっと反応する。
 「お前さ、あの時微笑った―――だろ?
 あの時の笑顔さ、すっげぇ見たことないくらいキレイだと思った。」
 「きれいな紫の眼にさ、涙うかべて。夕日に染まって・・・上手く言えねぇけど。」
 『アイ』・・・如月はそろそろと顔をあげて、俺に、微笑んだ。
 夕日は沈んでいたけど、外灯の仄かな光の中、それは浮かんで見えた。
 「な。」
 俺も笑ってみせた。
 
 ***      ***      ***
 
 ピー――ッ
 
 
 足音、砂埃、汗、涙。県大会で決勝にコマを進めて俺は、熱血に泣き付かれた。
 俺にとっても予想外の事態。でも、それもそうかもしれない。紫紺と話し合ってから、俺は何故か前より長距離に打ち込むようになっていた。目の前にあることを諦めていたら、いけないような気がして。
 紫紺の方は、同じく短距離決勝ですでに2位を勝ち取っていた。都大会に行ける成績だ。紫紺と目が合う。笑い合う、それだけで良い。
 
 
 抜けるような青い空の下、始まりの合図で走り出した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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2003/10/04(Sat)13:35:31 公開 / さこ
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■作者からのメッセージ
 終わりました。
 指摘されたとおり、今度はまとめて完結編を書いてみようかなって思ってます。
 まだまだ未熟者なのでもっと書き込んでいきたいと思ってます。
 感想きかせてください。待ってます。。