- 『a ra ta / a i [6]』 作者:さこ / 未分類 未分類
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新と初めて会ったこの公園、私の気持ちが決まった日、懐かしい。
どちらからともなく、手をつないでベンチに座った。今度は隣り合って。
私が話し出すのを待ってるんだ、新は。さっきから何にも言わない。
初めて私を認めてくれた。あの時、くすぐったい嬉しさを感じたんだ。あぁ、この子みたいになりたいって思った。この子みたいに強くなりたいって。
*** *** ***
「男装してたのも、男っぽくみせてたのも強くなりたいって思ったから、かな。」
「でも、まだ強くなってないって思ってた。強くなってないから、 誰も、父さんも迎え に来て くれないんだって。」
「父さん・・・?」
「父さんはね。母さんの婚約者を殺したヒト。会ったことも無いよ。迎えにきてく れる、なんてのも私の 勝手な幻想で・・・。」
「今はもう、会いたいなんて思ってないんだ。父さんは、この紫眼をくれたヒト。 新と会わせてくれたヒト―――それでいい。」
「・・・あのコ達ほっといて来たけど大丈夫かなぁ。」
「話変えんなよ。あーあいつら自業自得だしなぁ。ってかお前強すぎ。
俺殴られたくねぇなぁ。」
「殴られるようなこと、する気?」
新に向き直った時、視界が消えた。
*** *** ***
「あー――っ!!お母さん!男同士でキスしてるよぉっ!!」
「こらっ!マサオ見るんじゃありません!!」
・・・頭痛い。
「ってか再会してからまだ2日なんだよな、俺ら。なんか10年近く付き合って きたヤツみたいな感じするよ。」
そっぽ向きながら話す新。明らかに顔赤い。
「ごまかすなよ。」
「う、あ、あ――・・・面と向かって言えるかよ!?」
うろたえてる。
「何?」
「お前は俺の初恋なんだよっ!!」
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2003/09/30(Tue)22:53:24 公開 / さこ
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■作者からのメッセージ
次で終わりです。
やっと。笑。