- 『a ra ta / a i [6]』 作者:さこ / 未分類 未分類
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 原稿用紙約2.55枚
 新と初めて会ったこの公園、私の気持ちが決まった日、懐かしい。
 どちらからともなく、手をつないでベンチに座った。今度は隣り合って。
 私が話し出すのを待ってるんだ、新は。さっきから何にも言わない。
 初めて私を認めてくれた。あの時、くすぐったい嬉しさを感じたんだ。あぁ、この子みたいになりたいって思った。この子みたいに強くなりたいって。
 
 ***        ***        ***
 
 「男装してたのも、男っぽくみせてたのも強くなりたいって思ったから、かな。」
 「でも、まだ強くなってないって思ってた。強くなってないから、 誰も、父さんも迎え に来て くれないんだって。」
 「父さん・・・?」
 「父さんはね。母さんの婚約者を殺したヒト。会ったことも無いよ。迎えにきてく れる、なんてのも私の 勝手な幻想で・・・。」
 「今はもう、会いたいなんて思ってないんだ。父さんは、この紫眼をくれたヒト。 新と会わせてくれたヒト―――それでいい。」
 
 「・・・あのコ達ほっといて来たけど大丈夫かなぁ。」
 「話変えんなよ。あーあいつら自業自得だしなぁ。ってかお前強すぎ。
 俺殴られたくねぇなぁ。」
 「殴られるようなこと、する気?」
 
 新に向き直った時、視界が消えた。
 
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 「あー――っ!!お母さん!男同士でキスしてるよぉっ!!」
 「こらっ!マサオ見るんじゃありません!!」
 
 ・・・頭痛い。
 
 「ってか再会してからまだ2日なんだよな、俺ら。なんか10年近く付き合って  きたヤツみたいな感じするよ。」
 そっぽ向きながら話す新。明らかに顔赤い。
 「ごまかすなよ。」
 「う、あ、あ――・・・面と向かって言えるかよ!?」
 うろたえてる。
 「何?」
 
 
 「お前は俺の初恋なんだよっ!!」
 
 
 
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2003/09/30(Tue)22:53:24 公開 / さこ
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■作者からのメッセージ
 次で終わりです。
 やっと。笑。