- 『a ra ta / a i [5]』 作者:さこ / 未分類 未分類
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 1年と一緒にグランド整備までさせられるなんて。熱血、コーチなら選手を大事にしてくれよ。
 「悪い如月!遅く・・・」 あれ、いねぇ。
 どうしたんだろう。でも、カバンはあるから帰ってないよな。
 「―――?」
 何か校舎裏の方できこえた。荒い声、音、胸騒ぎ。
 
 ***        ***         ***
 
 なんだ、コレ。
 
 「如月、こいつら・・・俺の、ファン?」
 「なんて、ね。はは。」
 鼻血だして気を失っているやつ。俺を見て逃げ出すやつら。
 これってどうみても・・・
 「返り討ち、しちゃった。」 だよな。自分から手だすようなやつでもないだろうし。
 如月はぺたんとへたり込む。その瞬間、違和感が目を掠めた。
 紫色。『アイ』。
 「―――あっ!そっか。如月、あん時のアイか!」
 如月は目を丸くして、それからバッと下を向いて叫んだ。
 「動かないで!! ・・・その辺に落ちてるはず。―――黒のカラコン。」
 
 ***      ***      ***
 
 夕日が傾いていく中、2人であの公園を目指した。行き道のバスの中、俺たちはほとんど何も話をしなかった。如月は遠くを見つめて何か呆けたようにしていて、俺はそんな如月から目をはなせなかった。
 
 
 
 
 
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2003/09/30(Tue)13:08:31 公開 / さこ
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