- 『アラン―1―』 作者:かもめ / 未分類 未分類
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 原稿用紙約9.7枚
 
 ココは隣の国といつ戦争をするかわからない。不安定な国。だから、軍人になろうと軍人養成学校に入る子供もたくさんいる。今、ベットで寝ているアラニー・ヘルヴェルンもその学校の生徒。アランは髪がとても長くて綺麗だ。憎めない性格の女子で、11歳の頃にこの学校に入学。一年たった今はもう、ココの学校にもだいぶ慣れてきた。
 朝日が昇ってきた。それとほぼ同時にアランは目覚めた。全寮制のこの学校は一部屋二人組みで、アランと同じ部屋にいるイヴァンヘム・ローリングはいつもアランに無理やり起こされる。今日もそうだった。イヴは言う。
 「アランはいつも早すぎよ。まだまだ寝てていいのに・・・。」
 「ダメよイヴ。軍人になったらこのくらいに起きるのよ?体を慣らしておかなきゃ。」
 そう言うとアランは顔を洗いに行った。イヴはブツブツ文句を言いながらも、パジャマから軍服に着替えた。アランはとっくに着替えていた。
 時計を見てイヴはボソッと言った。
 「六時ギリギリまでくらい寝てても罰は当たらないのに・・・」
 
 7時。大して美味しくも無い朝ご飯を食べ終わり、鬼のような教官に教えられ準備体操とグラウンド80周を終えた。
 すると教官から大事な知らせがあるというので最近リーダーになったウリクシー・コミリアックが全員に注目させた。
 「みんな!エヴォルディ教官に注目!」
 「ありがとう。ウィリー。」
 教官の名前はエヴォルディ・ルックス。男の教官で、アランと仲が良い方。
 「えー。大事な知らせというのはほかでもない。私たちの仲間が一人増えるという知らせだ。」
 この知らせにアランは飛び上がって喜んだ。
 「え!本当ですか!?私たちの仲間が増えるんですか!?わぁー!それって素晴らしい事です!どこですか?その人は女性ですか?男性ですか?」
 興奮するアランを制止してエヴォ教官は答えた
 「まぁ、落ち付いてアラン。答えはね、男性だよ。今彼はこちらに向かっているよ。」
 そう言われると他の生徒もアランに負けず劣らず興奮してきた。
 「ねぇ、アラン!まだかなぁ?まだかなぁ?」
 「早く来て欲しいよね!イヴ!その人は歩いてるのかしら?まさか止まってないわよね?遅いわー!ねーウィリー!」
 ウィリーも静かにしたいけど興奮してるのを隠せないのでオロオロしていた。
 「う・・・うん。遅いとは思うよ!でも僕は、はしゃいでるわけじゃないからね!」
 知らせを聞いてから数十分たった。やっと足音が聞こえてきて、彼がやってきた。
 「あー・・・。遅れてすいません・・・」
 エヴォ教官は少しだけ説教した後に彼を紹介した。
 「彼はオルヴァ・コロミー。今日から君らと同じ部隊だ。ウィリー。みんなを立たせてあいさつを。」
 すかさずウィリーが立つ。
 「はい!全員起立!」
 全員が一斉に立つ。まずウィリーが、
 「よろしくお願いします!」「よろしくお願いします!」
 次に全員が言った。その後オルヴァが少しビックリして、
 「よろしく・・・お願いします・・・」
 と言った。
 
 新しい仲間に慣れるためと、みんなのことを知ってもらうためにエヴォ教官は今日は自由時間にした。オルヴァにみんなが質問攻めだった。それと、自己紹介は大体の人がした。お昼を食べ終わってまた時間になった後、アランがオルヴァに話しかけた。
 「初めましてオルヴァ。私はアラニー・ヘルヴェルン。好きなことは冒険!嫌いなことはじっとしてる事!よろしくね!」
 「よろしく。アラン。俺の好きなことは読書。嫌いなことは変なことに巻き込まれること。・・・アランは冒険が好きなの???」
 オルヴァはえ?なんで?という顔をしていた。アランは笑顔で答えた。
 「好きよ!大好き!何が起こるかわからない、そのわくわくが好きなの!・・・ところでオルヴァはどんな本を読むの?」
 「いろいろ・・・。アランは?」
 「全然!あ、でも冒険の仕方についての本とか、軍人の心得の本とか・・・」
 「あ・・・そ・・・」
 時間になったのでエヴォ教官がみんなを元どうりにしてオルヴァの部屋を決めた。アランの部屋の隣にある空き部屋だった。
 「では、夕方になったので今日はココまで!解散!」
 アランがイヴと一緒にオルヴァに話しかけた。イヴは少し恥ずかしがっていた。
 「ねぇ、オルヴァ!夕食私たちと食べましょうよ!一人より二人、二人より三人ってね。」
 「・・・いいよ。別に・・・」
 「だって。良かったじゃないイヴ!」
 イヴは赤くなって、手を横に大きく振りながら言った。
 「ちょっ・・・!な、別に・・・!もー、アランってば!」
 「あはは!」
 「?」
 
 その日の夜中。満月の日だった。
 
 『ゴッ・・・』
 
 アランは不振な音で目を覚ました。アランたちの隣の部屋。オルヴァの部屋からだった。アランは隣の部屋に行ってみた。ノックをしたが誰も出てこないので扉を開けた。
 「オルヴァ?入るよー・・・」
 入ってみると、オルヴァが立っていた。
 「あ。ねぇ、さっきここで変な音しなかった?」
 そしてオルヴァの方に近づいた。すると・・・
 「!え!?ウ・・・ウィリー???」
 オルヴァより奥の方にウィリーが横を向いて倒れていた。頭からは血が流れていた。
 アランはウィリーのほうに駆け寄った。息はしていた。アランは少しだけホッとした。
 「オルヴァ。一体何が・・・」
 アランは次の言葉を言えなかった。オルヴァにおもいっきり蹴り飛ばされたからだ。
 
 「う・・・っ!」
 
 アランは倒れてしまったが、根性でオルヴァを睨んだ。オルヴァはまるで催眠術にかかっているような、生気の無い顔をしていた。
 アランは根性で立ち上がった。
 「オルヴァ・・・お前、なにやってんの!?コノッ!!!」
 アランは力いっぱいオルヴァを殴った。
 
 「!!!カハっ・・・!」
 
 オルヴァは倒れた。目をぱちくりしている。
 「え・・・?アラン?何でココに・・・?」
 オルヴァはウィリーに気付いた。
 「ウィリー!?何で・・・え?」
 「何も覚えてないようね・・・。いいわ。教える。ウィリーはあなたがやったのよ。たぶん。私はこの部屋から変な音が聞こえてきたからこっちに来ただけ。わかった?」
 オルヴァは信じられないという顔をした。
 「・・・ウソだろ。もう、発作は起きないって言ってたじゃないか!」
 「発作?何それ?ねぇ、私に全てを話して!でないと誰もわからないわ!」
 数分。オルヴァは黙った。そして意を決した。
 「・・・わかった。話すよ。話してどうなるかわからないけど。・・・俺はね、狼人間なんだ。」
 「え?」
 アランは驚いた。狼人間なんていないと思っていたからだ。オルヴァは更に続ける。
 「俺は生まれたときに動物の遺伝子と人間の遺伝子が混ざって生まれた。理由は二つ、一つは俺の父が狼好きだったからさ。呆れるだろ?二つ目は、父が狼に助けられたから、その狼の条件を呑んだんだ。それは、『お前が次に作る子供には狼の血を混ぜろ。』っていうやつ。何で混ぜたかったかなんてわからないけど。」
 「そうだったんだ・・・。」
 「だから、俺は満月の夜になると発作が起きる。さっきみたいになるんだ。乳は最近になってその発作を止める薬を開発した俺はしばらくそれを飲んでて、大丈夫だったからこの学校に入ったのに・・・また起こるなんて・・・」
 「そっか・・・何でウィリーがここにいるのか知らないけど、ココに来たせいでこうなちゃったのね。OK。お話しありがとう。ウィリーの手当てをして、もう寝ましょう!しょうがなかったことなんだし。それと・・・」
 「なに?」
 「今度あなたに発作が起こったら、私が止めてあげる!さっきみたいにぶん殴ってやるわ!だから安心してね!」
 「・・・うん。でも余り痛いのはやだな。」
 「贅沢言わないの!」
 
 この日からアランとオルヴァのハチャメチャ二人三脚な生活が始まった。
 
 
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2003/09/23(Tue)18:19:05 公開 / かもめ
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■作者からのメッセージ
 初です。ごめんなさい。こんなので。
 いろいろアドバイスください。
 それと、初なのに続き物でゴメンなさい。
 読み切り苦手なんです。