- 『アイのカタチ』 作者:クローズン / 未分類 未分類
-
全角1086文字
容量2172 bytes
原稿用紙約3.9枚
そんな、こんなことがありえるのだろうか?
心はともかく、体は女のもの。そりゃ、昔っから男っぽかったし、あまり男とか女とか意識しちゃいなかった。
けれど、さすがにこれは予想すらつかなかった。
「前から・・・・・・・、好きだったの。」
「・・・えっ?」
正直、透は何を言われたか解らなかった。というより、理解できなかった。
中学三年の、受験真っ只中。
彼女、長谷川透は、今このとき、同じクラスの女子に告白されたのだった。
もちろん、誰もいない放課後の体育館裏に連れて行かれて。
「す、好き・・・って・・・」
透は、無論これでも女の子。
まさか、おなじ女子から告白を受けるなんて、思いもしなかった。
「もしかして、あれ?レズっていうの?」
透はできるだけ彼女を傷つけないように言った・・・つもりだ。
しかし、それは今の彼女には堪えたらしい。
途端に、彼女は泣き出してしまったのだ。
「あ、いや、えーと、・・・その・・・。」
何をすればいいかわからず、透はただオロオロするばかりだ。
だって、告白というもの自体が初体験だし。
自分だって女だけど、こういうのって、苦手だ。
仕方なく、透は彼女が泣き止むまで、そこに居てやることにした。
彼女の名前は小山恭子。
同じクラスといえど、あまり言葉を交わしたことはなかった。
「・・・ごめん・・・」
先に恭子のほうが謝ってきた。
彼女が泣き止むまでそばに居た透は、成り行きで一緒に帰るとこまでいってしまったのである。
「いいよ、別に、家近いしさ。」
「違う、そうじゃないの。」
言って、恭子は透の前に出た。
「やっぱり、いけないんだよね・・・、女同士だもん・・・・・うん、いいの、今日のことはもう忘れて。」
「えっ。」
「忘れて、お願いよ。誰にも言わないでね。」
それだけ言うと、恭子は走って行ってしまった。
透はただぼーぜんとそれを見送る。
「・・・・・・。」
なんとなく、何もしてあげられなかった自分が悔しかった。
そして、翌日。
透はいつもどうり学校へと赴く。
恭子のことは頭から離れそうになかった。
(まさか、学校休んだりしてない・・・よね・・・)
そんな不安が脳裏をよぎる。
漫画かなんかでよく見るけど、女の子ってこうゆうときは学校をやすんでしまいがち。
その点、透はボーイッシュそのものだから。
学校を休むなんて気は起こりそうもない。
(レズ・・・か・・・)
別に、自分はそれが変だとか、おかしいとは思っちゃいない。
とゆうか、考えたことすらない。
でも、考えたところで、やっぱりピンとくることもないだろうし。
そんなことを考えてたら、いつの間にか学校に着いていた。
-
2003/09/15(Mon)12:04:21 公開 / クローズン
■この作品の著作権はクローズンさんにあります。無断転載は禁止です。
-
■作者からのメッセージ
初投稿です。
続き物です。
時間がなくてこうなってしまったらそれまでですが、続きがあります。
よろしくお願いします。