- 『Mechanical〜機械仕掛けのヒト〜 2』 作者:五月雨 夏月 / 未分類 未分類
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原稿用紙約4.6枚
〜そして…翌日…〜
ゼロは鉛筆を口に咥えながら、今日来るであろう転校生を想像して楽しんでいた。
「どんな奴だろーなぁ?転校生…」
面白い奴ならいいなと呟きながら、ゼロはにんまりと笑っていた。
「そろそろ…来るかなぁ〜?」
ゼロがそう呟いた頃、突然ドアがガラリと開いた。
開いたドアの方を見ると、そこにはいやに冷静そうな男の子と、見慣れた先生が立っていた。
(げっ、コイツが転校生か?なんか話合わなそー…)
ゼロはそう思いつつ、ため息をついた。
「はい、転校生を紹介しまーす」
先生が作ったような笑顔で、黒板にその転校生の名前を書いた。
『ジュノ・トリッガー』
「ジュノ君は、タミナリスタウンの中学校から引っ越してきたんだそうです。それじゃ、ジュノ君から自己紹介してもらおうか」
何故か愛想のいい先生。
恐らく、転校生から嫌なイメージを持たれたくないのであろうが。
「…ジュノだ。よろしく」
(うっわ!短っ!しかも素っ気ないし!!)
ゼロはあまりに短い自己紹介にあんぐりと口を開けていた。
先生はそれを聞いて顔をしかめたが、すぐに笑顔を取り戻した。
「それじゃ、一班から順番に自己紹介をしてください」
えーっ、なんだよ、小学1年生でもないんだから…と、怒声と文句が飛び交う。
しかしそれも、先生の咳払いで一瞬にして止まった。
そして、先生は作った笑顔で微笑んだ。
「それじゃ、ラベンダーさんから順番にね」
…そして、無難に自己紹介は進む。
全ての人が、ジュノの冷たいような視線にさらされることにはなったが。
自分の自己紹介もそこそこに、ゼロは転校生を観察していた。
自分と同じ、漆黒の髪と目。
だけど、冷たい視線。
何にも興味のなさそうな……。
…それなのに。
その目の奥には、何か光るものがある気もした。
話合わなそう、って直感で思ったけれど
同じ直感が、彼の目の奥の光を見つけていた
…そして。
「はーい。それじゃ、そろそろ授業始めるよ」
ゼロは、ジュノのことが(正しくは彼の目の中の光が)気になってはいたが、また廊下に立たされるのはごめんだったため、ちょっと黙って授業に取り組むことにしていた。
…数時間後、休み時間。
未だ、ジュノは誰とも会話を交わしていなかった。
ただ、遠くを見るような目でぼーっとしているだけで。
何してんだろ、とゼロが怪訝そうな目で見ていると、突然ジュノが席を立った。
なんだか暇だったので、ゼロはこっそりその後をつけてみた。
ジュノは、廊下の一番端の窓際で止まった。
多分ゼロが見てるなんて気付いてもいないのだろう、ジュノは大きくため息をついた。
そして、窓をガラリと開けた。
窓から入る新鮮な空気の中に、絶対に笑いそうもなかったジュノの微かな微笑みが見えた。
それは笑うことに慣れていない、不器用なものだったけれど。
…そして。
ゼロは、ジュノが呟いた言葉を聞いた。
「――……博士――」
(は、博士だって?そりゃ一体…)
全くワケが解らないゼロは首を捻るが、そんなことなど全く知らないジュノはただ窓の外を見つめていた。
…ゼロは、彼が呟いた言葉の意味を知りたい、と思った。
…だって…「博士」なんて、常人には縁のない、ご大層な人間としか思えないから。
ゼロはその意味を知りたいがために、ジュノの前に飛び出した。
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■作者からのメッセージ
…続きを書いてみました。
ジュノちゃん、結構重要な人ですー。(サラッと
そして、最後にジュノちゃんが言った台詞も重要…かな。
コメントくださると幸いですー。