- 『戦国記』 作者:ルクロ / 未分類 未分類
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序章 伝説
時代は戦国。武士の身勝手な戦で、世は荒廃しつつあった。
炎に包まれる村。
苦しみに揉まれた叫び、呻き声が世に響いた。赤色の炎が村を飲み込み、灰の塊と化した村が次々と生み出されていった。特に、当時の都、京都周辺の集落は、ひどかった。灰ではない。塵だ。人体が刹那で塵になってしまう。たった一握りの、ぱさぱさした黒色の灰に。消化されず残った食物、目、髪、歯、臓器。それは炎に焼かれ、段々凝縮され、小さな―小さく丸めた餅のように道に転がった。目は白黒、臓器は様々に。青黒、赤、桃色―――・・・村の道にはそれらが吐き気のする、汚い色の調和を彩っていた。
村人は。恐怖。そんな簡単な感情と向き合って生きたのではない。死。という恐怖に煽られ、必死に命を保とうと、生きた。我武者羅に―生きた。我が子の指の肉を食べてまでも生きようとした。我が身を食べさせても、子が生きる事を望んだ。
時は戦国。正に戦乱の世―――
その風景は、こんなものだ。
■ □ ■
大名達は、他国を支配しようと、兵を挙げていた。ただ、他国を支配し、我が国を拡大し、いつかは将軍に立ち向かえるような国を準備しよう、と。
武士たちは、主人の位を奪取しようと必死で刀を握っていた。
下克上。位の低い御家人が、将軍の位を奪う事。それに御家人らは熱中し、中には下克上に成功し、後生に将軍としての名を残した者も存在する。
将軍の睡眠中に刀を仕掛けたり、背後から油断を突いて斬りつけたり。身内、家来までもが信頼と安心を奪う。将軍らも決して楽では無かった。
また、時には下克上変わって、家来同士で斬り合いになる事もある。だがそれは幼稚な思惑が、反発しあったからに過ぎない。まともに考えても、幼稚に過ぎない、馬鹿な喧嘩だ。例えば将軍を殺して位を奪うのは俺だ、お前は下克上を企むのはやめて大人しくしていろ。俺が将軍になったら、親藩くらいに―いや、大臣にしてやるから、やめろ。対して、そんなの俺の勝手だ。そういうお前だってやめろ。俺が将軍になってやる!――こんなものだ。
さて。
下克上や大名ら、武士らの勝手な戦乱が相次いだ、この世。戦国。
その中、一人だけ。反戦を訴えた者がいた。
名前は――もう残っていない。いや、誰もが知らない。
だが、誰かは知っている。彼の名を、永遠に心に刻んでいる。
阿双―――――――――
この、名を。
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2003/09/07(Sun)09:57:58 公開 / ルクロ
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■作者からのメッセージ
えっと。初めまして。
何となく率直な物語になってしまいました。キャラ全然でてきてませんね。名前くらいしか。しかも架空人物・・・・
まぁ、宜しくお願いいたします。
戦国時代。六年生以上の方、覚えてますか〜?