- 『魂狩人』 作者:黒龍 / 未分類 未分類
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さぁ、
怨念という刻印を胸に、私は何をしよう?
『魂狩人』
一部 一つ目の魂
晴れ渡っていた。
ただ滄海のごとく蒼く、広い空には、一点の曇りも無い。
もう少し日が経てば、本格的な夏がやってくる。
晩春は暖かい。
最近は曇天が続いていたが、今日は久しく蒼空が雲を縫って光っている。陽光が当たって創った陰は、アスファルトを濡らしていた。
深緑が、景色を明るく彩っている。
嗚呼、もうすぐ夏か。
そう、道行く人は、思っていた。
――東京のある風景であった。
第一話 トウキョウ・ソウル
T
四阿のある畑など、珍しい。
そう思いながら創子は、アスファルト道路を横切っていった。
左手の先には、新緑が遠くまで広がる、畑。
生暖かい微風に、その細長い葉と茎が、そ、っと揺れる。
深紅のトマトや、茄子、唐辛子が、陽光を浴びて、光っている。
その風景は、自分をちっぽけにしてしまうほど、広大で、美しい。
その中心には、古びた四阿が、寂しく、楽しく畑歌を唄っていた。
その四阿は、じっと創子を見つめていた。
黒い翳。
創子は四阿を見た。
木の丸い椅子の上に、黒い翳が煙のように伸びているのを見た。
今にも消えてしまいそうに薄い黒煙。
だが、それはくっきりとした輪郭をも持ち合わせていた。
あれ、は―――何?
トウキョウ・ソウルUへ続く。
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2003/08/29(Fri)15:42:58 公開 / 黒龍
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■作者からのメッセージ
嗚呼、初。
難しいですね。小説って。
疲れました・・・・・
是非、感想、アド、お願いします。